田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

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第20話 リンの想い

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ユナとリンと話し合い、希望の持てる話が出てきて、非常に気持ちの昂る結果となった。

今回、図書館で知り得た情報は少ない物であった。

だがしかし、未来に希望が持てる事は素晴らしい。



そのようにリンにも告げた時、このような事を言われた。







「アンタって本当に前向きよね。一つ一つの事に対してビックリするくらい、考えが悪い方に行かない。」





「そうか?友達がいないから、よく嘆いているぞ?」





「…そうじゃなくて!」





「…モモの時とか、今回の時とか。私だったら気持ちが悪い方とか、落ち込みそうになると思う」



俺はポカンとしてしまう。

「…すまん。わからん」



「例えば、モモが早く逃げてたら…鎌に襲われなかったかもしれないとか。欲しい情報は図書館に無くて、他の国に有るかもしれない。それなら諦めちゃうよ私。」





「…リン、それは勿体ない。」

「…へ?」



「勿体ないんだ。」

「どうゆう事?」





「…例えば、人のせいにした時、今後同じような行動をする時には、必ず相手の行動が良い条件でしか成功しない。情報は諦めるという選択をした時点で、違う物を目指さねばならない。どちらも、それまでやった努力が無駄になる。」



「…え?ちょっと待って理解できない。」



「…お前頭良いだろ。」

「こんなの勉強に無いわよ!」



「いいか?俺は今まで最悪を考えて、行動してきた。だから弱くても、その場で最善と思える行動が取れた。これを人のせいにしてみろ?アイツが動かなかったらという未来では…俺は簡単に死んでしまう。」





「俺は死んではいけない。」

「約束したんだ、【絶対に生き延びる】と。死んだ母に言われ、両親の墓標に誓ったんだ。死ねない」





リンは感じた。



アルピエロの死への恐ろしいまでの恐怖を。そしてそれを防ぐ為にこの男はどんな小さな可能性も潰していくのだという事を。







「で、でも!…足を引っ張られて死んだら…元も子も無いわよ!!」



「その時には見捨ててしまうかもしれん。ただ、俺は友達が居なかった。ココで出来た友達は、俺の命と同じくらい助けたい。」



「モモの名前覚えてなかった癖に・・・・」



「はは。間違いないな。…何で助けるのか、俺も解らないよ。」













リンは思う。



この人は優しい。

戦場に行くには優しすぎる人だと。



そしてアンバランスだと。

自身への死の恐怖と周囲への優しさが不安定だ。





こんな人は見た事がない。

危なっかしいし、強いし、無知で優しい。





色んな彼を見てきてしまった。





その時に気付く。

ああ、この人が好きなんだと。





リンは今までなんとなくで感じていた事を、はっきりと感じてしまった。



恋心を知らず、この学園に辿り着くように、努力してきた。





貴族のメイドをしている母や優秀な姉に教えられた通りに勉強し、魔法の適正もあった。

昔から自分は優秀であった。



「私は知識を付けて、戦場よりも教える側に行きたい」





そんな夢を持って、この学園に来た。
結果は最悪。魔力が足りずにFクラス。呆然としたし入学初日は憤慨した。その中で問題児が目立って見えた。余計に強く当たってしまう。


その問題児も、最初の印象は本当に最悪だった。

Aクラスの不良を横から殴り、初日で問題を起こすような人。



今迄なら、間違いなく距離を置いた。

でも彼は、幾度と自分を助けてくれた。何度も悪態をついてしまったのに。普通なら嫌われてもおかしく無いのに。



階段で落ちた、あの瞬間。私は大怪我を覚悟した。

寸前まで憎まれ口を叩いた私を、自らを投げ出して彼は助けてくれた。





よくよく聞けば、死ぬ事をこんなにも怖がる人だった。

そんな人が自分を投げ出し、助けてくれた。


模擬大戦もそうだ。

魔法が使えない人が多いFクラスの人を、最前線に出さない様に最後に彼は道連れを選んだ。



リッチの時もだ。鎌に襲われる自分達を守り、最後のモモの逃げる時間を稼いだ。



自分はその時、アルに託されダンジョンの外で待った。

次々に来るクラスメイトの中、最後に来たモモに強く苛立ち覚えた。



『長くなれば、アルが危険になる』

その前提が、強くモモを嫌ったのだ。



それをアルピエロ本人に聞けば、なんと甘い事を言うのだろうか。





行動への強い尊敬と、不安定さへの庇護欲が同時に生まれる。

【この人を守り、そばに居たい】

リンは心を決めた。今日はそんなリンの一日。

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