田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

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第39話 口だけ男とクソガキ

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重症の教師サガを風のセリ先輩に送って貰い、アルはダンジョンの奥に進む。

前代の土の者、重戦士グラムを倒した際に、アルピエロはレベルと土魔法がどちらも1上昇した声を聴いた。当たり前だ。あんなにも強く、そして経験を携えていた人間だ。

なのでメモを確認し、ステータスを更新する。

~~~~~~~~~~~~~~~~

名前:アルピエロ
レベル:20 称号:地に愛されし者
使用魔法:土魔法Lv18
使用技能:剣術Lv4、盾術Lv5
特殊状態:特になし

右手:地雨  左手:賢硬
頭:グラムの額布
胴体:古狸の胸当て
スキル:錬金(中級)
重要な持ち物:亜空間バッグ

~~~~~~~~~~~~~~~~

これが今の状態だ。

重戦士グラムと戦った場所に来て、周囲を確認する。どこかに繋がる道は見付けられない。しかしアルは神の言葉を信じて、様々な場所を探していく。それがグラムやサガへの報いになると信じて。

壁を触りながら周囲を見ていく。すると、一つ気になる所を発見する。うっすらと印が浮かんでいる場所を見つけたのだ。そこに手を合わせた時に壁が光っていく。


光と共に壁が扉へと変わっていく。やはり神の言う事には間違いは無かった。



少しは疑ったけど。
いや結構疑った。ごめん、神様。


その扉に入っていく。そこには巻物が置いてあった。



それに触れると【ゴーレム召喚】の言葉が聞こえた。




敵の攻撃かと周りを警戒して見るも、何も起きていない。

神を信じ、何度も周囲を確認するも変化を捜せない。ゴーレムが仲間になるのかと探してみるもいなく、「おーい。ゴーレム!」と呼んでみても来ない。報酬は声だけなのかと少し残念に思い、級友たちのいる場へ向かっていく。

「待たせた。収穫は無かった。サガを運べた?」

「先生は先輩が運んでくれたよ」
「アルピエロ君、改めてありがとう」

「もう、死んじゃうかと思った」
「…カッコ良かったよ」

「今、馬車を申請してきたって。」
「これで帰れるー!」


様々な声が聞こえ、安心する。これで一つ、友人たちを守れた。…しかし、サガを守れなかった。深い深い、後悔が残った。それを払拭するには自分の強化と共に、周囲の強化も図りたいと考えたアルであった。



馬車が来てFクラス皆が学園に帰る。サガは学園御用達の病院に入院しているとの事。アルが模擬大戦で厄介になった場所がおままごとの様に思える設備であった。皆が我先にと、教師サガの容態を確認していく。

その病室に行くと真っ白になった髪で少し疲れた様な表情のサガが居た。呼吸も安定し起きている様子だ。


「先生!!」
「サガ!!」

駆け寄る生徒たち。それに対しサガが発言する。

「・・・よぉ。お前ら。よく・・・無事だった。本当に良かった。・・・だがな、アズ。お前はわかってるよな?」

後ろから、アズが泣いて出てくる。

「ご・・・・ごめん・・・なさい。・・ごめんなさい先生!!! 私が扉を開けてしまったばっかりに!!」

「仕方ない・・・。俺、言って・・・無かったもんな。・・・ごめんな」

「私が!!私が知らなかったばっかりに!!本当に・・・ごめんなさい。」


サガが言う。
「…気にすんなとは…言わねぇ。でも。でもな、絶対に…忘れんな。無力でも…無知でも…こうなるぞ? 皆も良く聞け。俺は力が足りなくて…こうなった。・・・・お前らは…絶対に…こうなるな。悪い見本だと…思っておけ。俺はもう…使い物にならねえ。…魔力回路が…焼き切れた。もう…魔法は使えねえ。」

「ああ…あ……あ…あああ……ぁぁぁぁああああああああ!!!!!」

アズが崩れ落ちていく。それを見た級友たちが、何も声をかけられずにいる。アズの責任の感じ方や、自分達の無力さに、何も言葉を出せないでいるのだろう。

アルが発言する。
「…サガ、遅れてゴメン。」

「…アルか。教師を呼び捨てにしやがって。・・・よく助けに来てくれた。本当に、本当に…ありがとう。」

アルも涙を浮かべて、言の葉を紡ぐ。
「ごめん。…ごめん。…俺、強くなる。…もっと…強くなって…今回みたいな事が有っても…大丈夫な人間になるよ。…皆も、強くなってもらう。皆がサガを助けるんだ。…だから…だから…まだ教えてよ。俺の先生はサガなんだ。頼むよ先生ぇ。」


壁の側を向くサガ。表情は読み取れない。

「…俺はもう戦えないぞ?守ってやれない…」

「…俺が代わりに守るさ。このクラスには…サガが居ないと駄目なんだ。」

「…この…野郎、大層な事…言いやがって。守れなかったら…承知しねえぞ?…あと今後は俺、口だけになるぞ?良いのかよ。」



「…なんだよ、今と変わらないじゃないか。」

「…ほざけ。クソガキ。」


他の級友を置いて、軽口を叩く2名。その雰囲気は教師と生徒ではなく、何処か親友の様にも思える。サガもアルピエロも相手への敬意がある分、恥ずかしがってまともな事を言わない。


「見舞いありがとよ。それじゃ、実習は終了だ。皆、今日は帰れ。今回の事は学園に俺が報告し、実習は全てクリアとする。だが危険な事があると2回も判ったんだ。今後に生かせ。じゃないと俺のこのケガが無駄になる。・・・・・いいな?」

「「「「はい!!」」」

そう言って解散していくFクラス。

宿舎に向かう際に、アルはアズに止められる。


「…ねぇ、話があるの。」
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