田舎土魔法使いの成り上がり ~俺は土属性しか使えない。孤独と無知から見出した可能性。工夫と知恵で最強に至る~

waru

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第41話 先輩を頼る

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次の日、本来であれば実習を終えたFクラスの日常が戻って来るはずであった。だが教師であるサガが病院に入院しており、学園の方から授業が難しいと判断された。代わりの教師が用意出来るまで、一時的に休級するという形を取った。

「今日から何日か休みだってー」
「何しよっか。」
「次来る先生誰だろ?」

「えー。私サガ先生好きなのに」

「私だって。」
「身体大丈夫かな・・・。」

「…早く治って欲しいな」
「・・・私、お見舞いに行く。」

「え?わ、私も!!」
「私だって!」

流石女子比率が高いFクラス。級友たちは先生へのお見舞いや私事に時間を使うようだ。

その中で、リン・アズ・カナが、俺の方に来て確認する。要件は十二分に理解している。これが今後の自分達に大きな影響を与える時間だと信じて。アルは足りない頭を絞り続けているのだ。

「…アル君、今日は時間をくれるんだよね?」

「ああ、大丈夫だ。」

「アル君、相談が・・・」

そう話し掛けてきたのはモモだ。

リンは強めに言う
「…何よ?アルは忙しいの。」

「ごめんね、時間ないの」
「モモちゃんどしたのー?」

モモは普段なら引き下がっていた。気弱で、誰にも言い返す事の無い子。そのな子が、リンに言われても引き下がらずにアルピエロをまっすぐに目で捉え、聞いてくる。

「ああ…あの!…私、アル君に聞きたくて。…私、強くなりたい。どうしたらいいかなって。」

モモも同じ考えの様であった。
「モモ、その覚悟はどれ程だ?」

「・・・・私は人生を変えたい。何でもする。」


「…わかった。だが途中で投げ出したら、俺は知らないぞ?」

モモは頷き、応える。

結果、アルは4人の少女を鍛える日とした。その中でリンだけが少しむくれた表情をしていた。



訓練場に行く前に、皆に確認を取る。

「…まず皆の属性を教えて欲しい。俺は皆の属性を知らない」


リンが言う
「私は風よ。遠距離攻撃と移動が得意。」


アズは言う。
「私は火。攻撃がメイン」

カナが言う
「私は水だよー。回復だよ?」

モモが最後に言う
「私はまだ決まってない・・・。ゴメン。」


「把握した。ありがとう。モモも強くなったら属性判るだろ。・・・なので、ギルドで鍛えたいと思う。その前にAクラスの3年生に会いたい。良いか?」


「「「「…んんんん?」」」」



参加者全員の表情が曇る。何を言われたのか理解できない者。理解できたが納得できなかった者。そして急な展開に戸惑う者。それを尻目に動き始めているアル。もう向かい始めているのだ。アルピエロの目的であるAクラスの宿舎に向かっていく。



Aクラスの前に着くと、ただただ、ウロウロ・ぶらぶらするアルピエロ。


「何してるの、アル?」
「どう見ても不審者」
「ウロウロしてる・・・」

「…俺には考えがある、大丈夫だ。問題ない。」

そう言って、徘徊を続けるアル。おかしくなってしまったかと4名から思われるが、構わず行うアル。一人に慣れてしまっているからか、周囲からの目にもやや気が付かない面があるようだ。


ウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロウロ…………。


…すると女性が近付いてきて、怒られる。

「…おい、そこの1年。まだ学習の時間だぞ?貴様ら、何故ここにいる?」

直ぐに声が掛かってくる。狙い通り。





「Fクラスの1年は授業が休級しましたよ、リセ先輩?」

探していたのはこの人だ。あるお願いをしたくてこの人を捜していた。


「…アルピエロであったか。前はすまなかったな。」


「いえ。今日はリセ先輩を頼りたくて来ました。」

「何だ?言ってみろ。君には貸しがある。」

「…魔宝珠で、僕らをまた見て欲しいのです。」

「もちろん、大事な物だという認識があるので、駄目なら他を当たります。だけど僕は、リセ先輩を先に頼りたかった。貴方の性格を信用しているので。」


ふうっとため息をつく、リセ先輩。
「ずるいな、君は。そんな言い方をされたら断れないよ。待っててくれ。」


「すみません、無理強いをする気はないので。もし無理なら断って下さいよ?」



「任せろ、可愛い後輩の為だ。」

相も変わらず、男前な先輩だ。


リセ先輩は授業を全て終えており、自主訓練で兵隊への召集/招集に備えていると聞いた。それにより風紀委員としての責務も外れて良いのだが、本人は好きでやっている。風紀を正すのが好きなのだ。Fクラスの宿舎からギルドに向かう際によく他の生徒を叱っているのを見ていた。


「アル、なんか顔が広い・・」
「もっと孤独なのかと・・・」

「いや、顔は広くないよ」
「その分、知っている人への関わりを丁寧に出来ているだけだから。リセ先輩にもたまたまの縁が出来たんだ。」

学園内でも有名人。リセ先輩。美人だし悪い事に迅速な対応。学園の平和をマジで守ってそうな人間。そんな先輩。リセ先輩。

「でも、なんでリセ先輩に?」

「皆の属性やスキルを詳しく知る必要がある。俺はそう思っている。まずは自分の事を詳しく知らないと、戦うまでに至らないとも。」



風に乗って、とんでもない速度で移動してくる、リセ先輩。

「おーい、急いで持ってきたぞ」
「リセ先輩、本当にありがとうございます」

「いいんだ。この4名、皆の事を知りたいんだな。…アルはどうする?」

「僕も良いなら。…有難い」




そうやって皆のスキルを見始めた。

そこでこの子達の人生が動き始めた。良い方向にも、悪い方向にも。
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