狂犬病

鴻上縞

文字の大きさ
7 / 11
第一部 『狂犬病』

七話 小さな檻

しおりを挟む
 次の朝村上が重い身体を起こしリビングに出ると、八雲は既に起きていて、何時ものように難しい顔で新聞を読んでいた。
「おはよう」
 村上の声に俯いていた顔を上げ、八雲は途端に破顔する。朝の挨拶を返す八雲に微笑み返し、村上はキッチンへと向かった。今はリビングにいないが、いつシキが出てくるか分からない。また幼い心に傷を残す事への恐怖が村上を八雲から遠ざけた。
「朝飯、何にする」
「目玉焼き」
 そうとも知らず、八雲はカウンター越しの村上を見詰め嬉しそうに何時ものメニューをせがむ。
「今日も休めるのか」
 目を見ては引き寄せられる気がして、村上は冷蔵庫から卵と、シキ用の朝食の為の野菜とササミを取り出しながら問い掛ける。
「うん。今日は村上さんも店休みだよね」
 そうか、と小さく返し、それ以上の会話の糸口を見失う。互いにこれまで隙間なく話していた訳ではないが、何処か後ろ暗さを感じていると人は会話に逃げるものだ。しかし八雲は村上の異変を敏感に感じ取ったのか。ソファから腰を上げ、静かにキッチンへと歩み寄った。長い腕が腰に絡み付く。肩に顎を乗せ手先を熱く見詰められては、どうにも居心地が悪い。少し前に風呂に入ったのか、柔らかなシャンプーの匂いもまた、村上を追い立てる。
「シキは」
「眠っているよ。昨日は明け方までずっと泣いていてね、疲れたみたい」
 逃れるように投げた問いの答えに、また村上の胸を背徳が締め上げる。野菜を小さく切りながら、深く息を吐いた。
「昨日は俺が悪かった。年甲斐もなく抑えが効かなくて。子供がいるのだから、今後は気を付けなきゃな」
 のぼせていたのだ。美しい同居人と想いを交わしたことに。しかし八雲は手を伸ばし村上の手から包丁を取り上げると、まな板の上に置いた。そのまま身体ごと振り向かせ、真っ直ぐに村上を見詰める。
「逆だよ、村上さん」
 村上は当然何のことかと首を捻る。
「あの子が性的なもの全てを悪だと思っているからこそ、互いを想い身体を触れ合わせる事は大切なものなんだって教えなきゃいけない。相手を尊重しない性行為こそが悪だと、教えてやらなきゃいけない」
 撃たれた心地がした。確かに、八雲の言う通りだ。このまま二人が清廉潔白な面をして生活していたら、もしかしたらシキは大きくなっても性的な全てを受け入れられないかも知れない。例えば、心から愛する人が現れたとしても。
「おはようのキスは厳守。毎日シキを抱き締めて、同じように俺たちも抱き合う。別に、今後俺と村上さんが、その、例えばほら、中途半端じゃなくて、だから、最後までする事があったとして、それを見せようって訳じゃない」
 何故そこで照れる。そう突っ込もうかとも思ったが、頬を染め必死に伝えようとする八雲が余りにも愛おしく感じて、村上は優しく頷いてやった。
「俺と村上さんが愛し合っていることを理解して貰う事が大切なんだよ」
「分かった」
 村上が再び頷くと、腰に回されていた腕に微かな力が篭る。
「じゃあ、やり直し」
 おはよう、と囁いて、八雲はそっと瞼を閉じた。長い睫毛は震え、頬が更に色付いてゆく。頬から滑らせた指先を髪に絡め、深く口付ける。その先をせがむように、指先が背中へと上った。肌で感じる八雲の想い。それは、村上とて同じだ。全てを曝け出し、深く身体を繋げたい。濡れた素肌を重ね、互いの愛を注ぎ込みたい。溢れる程に──。
 じくじくと巡る官能への誘惑を断ち切り長い口付けを終えた二人は、下拵えを済ませシキが起きるまでソファで待つ事にした。可能な限り食事は一緒にと言うのもまた、八雲の提案だった。

 シキが書いた絵を見ながら軽い会話を楽しんでいた時。不意に村上は思い立ち、一枚の絵を探した。それは堺に見せられた、悲しいシキの記憶が描かれたもの。
「これは、母親だろうか」
 巨人に踏み潰されているように見える、髪の長い女。性行為を描いたものだとして見れば、確かに納得が行く。シキの母は夫、もしくは別の男に乱暴されたのではないだろうか。余りにも悲惨な現実に思わず息を詰める村上の隣で、八雲は静かに語り始めた。
「シキにはね、年の離れた姉がいるんだ」
 その瞳は驚きに振り向いた村上から遠く、深い闇を写していた。
「田宮の女」
 何か、嫌な予感がする。背筋を駆け上がる悪寒に震え、村上は思わず息を呑んだ。
「逃げ続けていた田宮を追い詰めた時、死を覚悟したのだろうね。女の為に、金が欲しかったって。その存在を吐いたんだ。彼女は幼い弟をずっと守っていて、でも彼女だって当時はまだ十七歳で、シキの前でね、客を取らされていたんだって。それで、二年くらい前かな。田宮はその女を助けてやった」
 八雲の横顔が沈んでゆく。
「俺は自他共に認める小笠原の最も忠実な番犬だ。最後まで信じてはくれなかったと思うけれど、ブツは返す、殺されても構わないから、女にだけは手を出すなと田宮は言った」
 それ以上、八雲は語らなかった。村上自身これ以上聞きたくはなくて。けれど、シキを守っていたと言うのなら、シキは喜ぶのではないだろうか。
「会わせてやれないのか」
 虚ろな瞳を上げることもなく、八雲は静かに吐き出した。
「覚悟があるのなら、村上さんだけは連れて行く。シキには会わせられない」
 それが何を意味するのか。村上は恐ろしい予感に震えた。それでも村上は覚悟を決め、昼食の後に八雲と連れ立って家を出た。シキの為に、知らなくてはならない。彼が何を抱え、何を恐れ、何故野良犬のような姿をしていたのか──。

 行き先も分からぬまま電車に揺られ、一時間。村上は電車に乗る事さえ久々で、その変わり果てた様に驚いた。何より乗り換えの度に人が蠢く迷路のような地下通路を歩かされ、それだけでどっと疲れてしまう。車があれば良かったのだが、戸籍のない八雲が免許など持っているはずもなく、村上もまた随分と前に失効していた。
 その長い道中、二人は一言も言葉を交わさなかった。八雲は何時も村上には見せぬ冷たい表情でじっと一点を見詰めていたし、軽口を叩ける雰囲気でもない。かと言って、人目のある電車の中で出来る会話ではなかった。

 そして漸く辿り着いた駅は、随分と閑散としていた。各駅停車しか止まらず、錆びたホームには腰の曲がった老人が一人いるだけだ。
「少し歩く」
 八雲は低く吐き捨てて、改札を出た。駅の目の前には国道が走っていて、その周りには工場や倉庫ばかりが目立つ。辺りを見回す村上と反対に、八雲は迷う事なく歩みを進める。
「来た事があるのか」
「一度ね。俺も彼女がシキを引き取れるならと思ったのだけど」
 その先の言葉は、幾ら待っても与えられる事はなかった。やはり嫌な予感がする。
「何かに囚われているのか」
 例えば、小笠原とか。他の組織だとか、そう言う事なのだろうか。この辺りは治安が良いようにも思えない。それが余計に村上を勘繰らせた。八雲は村上の問いには答えず、暫く黙り込んだまま歩き続けていたが、漸くボロアパートの前で足を止めた。
「覚せい剤」
 突然過ぎて思わず間の抜けた声を上げた村上を振り返った八雲の瞳は、やはり酷く暗い。
「随分と長い間常用しているみたい」
 漸く明かされたその真実は、絶望としか言いようのないものだった。
「末期の薬物依存者に会った事は」
 ある訳がないと、村上は何度も首を横に振った。
「酷いよ」
 視線を落とし、八雲はそう吐き捨てた。徐に村上の手を握った指先が、酷く震えている。
「約束して。彼女には近付かないで。必ず俺より離れた位置にいて。村上さんを、守りたいんだ」
 余りにも悲痛なその表情に、村上は頷く以外出来なかった。

 手を離し歩き出した八雲の後について足を踏み出す度に、心臓が大袈裟な脈を打つ。末期の薬物依存者──その言葉だけがぐるぐると回る。吐き気がするような重い不安を抱える村上を引き摺るように、無情にも止まることのなかった長い足は一つの古ぼけた扉の前で止まる。ノックもせず扉を開いた瞬間、蒸れた熱気が駆け抜けた。この猛暑の中、窓も開けず冷房を入れた様子もない。そういうこもった匂いも鼻先を掠め村上は思わず眉を顰めた。何よりプラスチックが焦げるような不愉快な匂いが、追うように漂って来る。八雲は躊躇もなく部屋の中へと足を踏み入れる。村上も慌てて後を追ったが、するどい太陽の光に慣れた視界は一瞬弾けるようにしろく濁り、辺りの輪郭をぼやけさせた。
「麻希ちゃん」
 目も慣れぬうち、八雲は囁くように呼び掛けた。
「調子悪そうだね」
 じわりじわりと薄暗い室内が露わになると、そこには思わず目を覆いたくなるような惨状が広がっていた。六畳一間の部屋は、まるで塵溜め。至る所に不衛生な注射器が転がっており、やはり鼻をつくような刺激臭が纏わりつく。吹き出た汗が顎先を伝って落ちる中、麻希と呼ばれたその女は、この真夏に毛布に包まっていた。痩けた頬に酷い隈。
「圭一郎さんはどこ」
 舌を縺れさせながら、女は聞き取れるか取れないか程度のか細い声で問い掛ける。圭一郎とは、田宮の名前だろうか。
「ごめん、少し聞きたい事があって」
 部屋に土足のまま一歩踏み込んだ八雲が振り返り、ゆっくりと頷く。その意図を汲んで、村上も深く頷いた。言われた通り八雲より前には出ず、小さく一歩踏み出す。
「シキを、今預かっている」
 彼女は喜ぶだろうか。酷い虐待から身を呈して守って来た弟が、痩せこけ、蒸れた小便の匂いをしていた少年が、今生きて愛情を注がれている事を知れば。村上にはそんな微かな希望があった。しかし、身体をゆすり眼球までも震えさせていた彼女は、予想もしなかった言葉をその干からびたくちびるから漏らした。
「シキってだあれ」
 村上は思わず驚愕の声を漏らした。覚せい剤で、脳までもやられてしまったのだろうか。大切な記憶までなくなってしまうのだろうか。しかし、そんな事があるのだろうか。答えのない問いを胸の内で投げ掛け震える村上を宥めるかのように、八雲は囁いた。
「麻希ちゃんの、弟だよ」
 麻希はその言葉をゆっくりと時間をかけて咀嚼していた。そして段々と震えは大きくなり、息が漏れるような小さな声で呟き始める。何を言っているのか知りたくて、村上が思わず言い付けも忘れ足を踏み込んだ瞬間。
「村上さん、離れて」
 八雲は背中でそれを叱責した。驚いて身を引きながら問い掛ける。
「何と言って──」
 しかし村上が言い終わる前に、痩せこけた身体を包んでいた毛布が低く宙に舞う残像が掠めた。あっと声を上げた時にはもう、八雲は麻希を羽交い締めにしていた。
「私ばかり責めないで!私は悪くない!」
 力の限り暴れながら、怒鳴り続ける女。一体何が起こったのか、異常な暑さで朦朧とする意識の中、村上は何も出来ずに立ち尽くす。
「触らないで!あっちへ行ってよ!気持ち悪い、気持ち悪い!逃げてない!私は逃げてない!」
 舌は縺れ、涎が開き切ったくちびるから糸を引いて落ちる。衝撃に息をする事も忘れ、それでも村上は知った。彼女は罪の意識に押し潰されているのだ。幼い弟をひとり、地獄の底に置いて来たことを。
「分かってる。麻希ちゃんは悪くない。だからもう、傷付かないで──」
 大人になりきる直前に無残にも砕け散ったその心を包み込むように、八雲は優しくそう囁いた。流れ落ちる汗に紛れ、熱い涙が村上の頬を伝う。現実とは、なんて悲しいものなのだろう──。

 ふたりは来た道を辿る。ぼんやりと足だけを前へ前へと進め、それでも鮮烈に記憶された悲しい現実だけが、村上の背中に張り付いているようだ。きっと優しい子だったのだろう。幼い弟を守る為、その身を呈して。けれど彼女はもう──。その先を自ら言葉にする事が怖くて、村上は喉を詰まらせる。しかし人気のない住宅街を歩きながら、八雲はまるでその心を読んでいるかのように呟いた。
「もう、長くはないと思う」
 返事もせず、頷くことも出来ない村上を振り返った瞳が、縋るように濡れていた。
「田宮は、何を守りたかったのだろうね」
 村上も、八雲も、身も心も朽ち果ててゆくあの少女を助ける事は出来ない。田宮がその身に代えても守ろうとした命は、悲しみの中で燃え尽きてゆくのだ。
「早く帰ろう。シキが、待っているから」
 目の前にひらけた絶望的な現実に打ち拉がれる村上を、それでも八雲は微かな微笑みで包み込もうとする。再び歩き出そうとする腕を強く引いて、村上は八雲をきつく抱き締めた。真昼の住宅街。誰が見ているかも分からない。けれど、関係なかった。
「やめろよ、泣けるから」
 八雲は笑いながらそう言って、村上の背に腕を回す。この青年は、どれ程の深い悲しみや癒えぬ傷を抱え、それを隠して微笑んでいるのだろうか。もう傷付いて欲しくないと八雲が麻希に言ったように、村上もまた、この青年に二度と深い傷を負って欲しくはなかった。けれど気の利いた言葉など村上が言える訳もない。だから、精一杯抱き締めてやる事しか出来なかった。

 疲れた身体を引き摺って、村上はひとり家へと帰り着いた。八雲は途中小笠原からの呼び出しを受け、そのまま別の電車に乗り換えて行ってしまった。
 静まり返る部屋を見回し、村上は深い溜息を吐いた。八雲の部屋をそっと開くと、シキは定位置でシベリアンハスキーの人形を見詰めていた。
「ただいま、シキ」
 見上げた瞳は、返す言葉を探しているかのように彷徨っている。腰を屈め、村上は優しく寝癖が踊る髪を梳いた。
「そう言う時はな、おかえりって言うんだぞ」
 もう一度、ただいまと言ってみる。
「おかえり」
 シキは掠れた声でそう言って、人形をきつく抱き締めた。余り考えなしに渡したものだが、随分と気に入ってくれた事は素直に嬉しいし、何かを愛でる心があると言う事は、村上に微かな安堵を齎した。
「名前、つけたらどうだ」
 人形に落ちた瞳が微かに煌めいた気がして、また不思議な喜びが胸に満ちる。
「タロウとか」
 当たり障りのない提案にシキは首を振る。
「いやなのか。まあ、しっかり考えてやんな。名前は大切だからな」
 夕飯の前に風呂でも入ろうと、村上は腰を上げて踵を返した。そしてそのまま部屋を出ようとして、ふと振り返る。シキが、その後を追ってくるのだ。これまで八雲の後ろは付いて回っていたが、村上に対してそんな事はしなかった。飯が出来たと伝えた時位だ。
「どうした」
 不安になって再び腰を屈める村上の瞳を、シキは真っ直ぐに見詰めている。
「飯はまだだぞ」
 一体何を求められているのか。村上は暫く考えた末に、もしかしたらとふと思い立ち腕を広げてみた。八雲が、何時もしているように。ちいさな身体は恐る恐る歩み寄り、村上の胸に身を預けた。苦しくないように腕を回し、髪を撫でてやる。あの少女が守った命が、胸の中で微かな鼓動を響かせている。そう感じた途端、涙ばかりが溢れて行った。

 夕飯を終え、身体も拭いてやって、シキを寝かしつけた後。村上もまた明日の為に眠る準備を終えベッドに沈んだ。しかし眠気は訪れず、あの衝撃的な現実だけが瞼の裏で色付いていた。

 相変わらず考え込んで迎えた深夜遅く。村上の部屋の扉が静かに開き、驚いて身を起こすと、昼に別れた時の服装のままの八雲が立っていた。
「おかえり」
「ただいま」
 酔っているのかと思ったが、思いの外はっきりとした調子で返事が返ってきた事に村上は驚いていた。そのままベッドに這い上がり、八雲は上体を起こす村上を跨ぎ乱暴に唇を塞いだ。いつもの事だと、村上も噛み付くようなキスを受け入れてやる。
 暫くすれば満足したのか、八雲は唇を離すと、その胸にしなだれかかった。風呂は何処かで入ったのか。微かな石鹸の匂いと、やはり酒の匂いはする。
「志貴──」
 八雲は掠れた声で村上の名を呼んで、首筋に鼻を擦り付けた。
「痛っ!」
 かつて感じたするどい痛みに、村上は思わず声を上げる。どうも八雲には噛み癖があるらしい。痛みに低く呻きながら、しかし村上は拒絶しようとは思わなかった。
 シキだけじゃない。八雲もまた、生まれ落ちたその瞬間に、世界は悲しいものだと知ったのだ。押入れの中から逃げ出しても現実は厳しく、堕ちて、堕ちて、堕ちて──けれど地の底でふと顔を上げた時に、世界は優しいものだと思わせてやれるのだろうか。その力が、自分にあるのだろうか。
 自ら傷付けた首筋を丁寧に舐める八雲の髪を撫でながら、村上はぼんやりと考えていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

記憶を失くしたはずの元夫が、どうか自分と結婚してくれと求婚してくるのですが。

鷲井戸リミカ
BL
メルヴィンは夫レスターと結婚し幸せの絶頂にいた。しかしレスターが勇者に選ばれ、魔王討伐の旅に出る。やがて勇者レスターが魔王を討ち取ったものの、メルヴィンは夫が自分と離婚し、聖女との再婚を望んでいると知らされる。 死を望まれたメルヴィンだったが、不思議な魔石の力により脱出に成功する。国境を越え、小さな町で暮らし始めたメルヴィン。ある日、ならず者に絡まれたメルヴィンを助けてくれたのは、元夫だった。なんと彼は記憶を失くしているらしい。 君を幸せにしたいと求婚され、メルヴィンの心は揺れる。しかし、メルヴィンは元夫がとある目的のために自分に近づいたのだと知り、慌てて逃げ出そうとするが……。 ハッピーエンドです。 この作品は他サイトにも投稿しております。

ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!

ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!? 「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??

溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~

液体猫(299)
BL
毎日AM2:10分に予約投稿。  *執着脳筋ヤンデレイケメン×儚げ美人受け   【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸に、クリスがひたすら生きる物語】  大陸の全土を治めるアルバディア王国の第五皇子クリスは謂れのない罪を背負わされ、処刑されてしまう。  けれど次に目を覚ましたとき、彼は子供の姿になっていた。  これ幸いにと、クリスは過去の自分と同じ過ちを繰り返さないようにと自ら行動を起こす。巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞っていく。  かわいい末っ子が兄たちに可愛がられ、溺愛されていくほのぼの物語。やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで、新たな人生を謳歌するマイペースで、コミカル&シリアスなクリスの物語です。  主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ ⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌ ⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。

〈完結〉【書籍化・取り下げ予定】「他に愛するひとがいる」と言った旦那様が溺愛してくるのですが、そういうのは不要です

ごろごろみかん。
恋愛
「私には、他に愛するひとがいます」 「では、契約結婚といたしましょう」 そうして今の夫と結婚したシドローネ。 夫は、シドローネより四つも年下の若き騎士だ。 彼には愛するひとがいる。 それを理解した上で政略結婚を結んだはずだったのだが、だんだん夫の様子が変わり始めて……?

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

処理中です...