婚約破棄をされましたが、婚約解消された隣国王太子に恋しました。

はゆりか

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21、ライバル達の情報

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リラとゲイル兄様。
2人は顔を見合わせて目で会話をすると同時に仕方ない顔をする。

そして、リラが私に対して一枚の紙を差し出した。

「色々な方面から私とゲイル様が集めた情報よ。」
「それを見たら諦められるかもしれないからな。」

「情報?」

私がその紙を広げるとズラッと令嬢の名前とその令嬢の情報が書かれていた。

「現在、ドイル国の王太子殿下に婚約を申し込んでいる令嬢のリストだ。」
「…こんなに?」

ドイル国内外からザッと見ても20人以上…
こんなに未婚の…未婚約の年頃の令嬢がいるのですか?ってレベルじゃないですか?


私そのリストを持って部屋に戻り、一人一人チェックをする。
何名か私が知っている名前もあります。

ゲイル兄様とリラの情報によれば、ケンビット様の婚約候補で有力なのは現時点で4名。

1人目はドイル国自国コルタリア公爵家長女カメリア様(20)
次女のマドカ様(16)も正式に申し込まれてはいないけどケンビット様を狙っているみたいです。
カメリア様には元々婚約者がいたらしいけどケンビット様との婚約のために破談にしたらしい。

一番の有力候補であり、公爵家もかなり本気度が高いです。


2人目は同じくドイル国自国ワイドルド侯爵家エンドル様(18)
ドイル国の兵士を統括している総帥の役目も果たしている国の重要人物の孫娘。
元々婚約や結婚に興味を示さない令嬢だったらしいのですが、今回は積極的に動いているらしいです。

国としても無視ができない存在です。


3人目は隣国サルサール国の王女ウラル様(21)
何度かお会いした事がある方ですが、私とは正反対の大人しい姫様です。
実の兄であるサルサールの王太子バンコック殿下を本気で愛していて、それを隠しもしない変わった方です。
1年程前にバンコック殿下が結婚して最近お世継ぎが生まれたと聞きました。

ずっと部屋に引きこもっていたそうですが、今回の婚約申し込みにどうかかわってくるか…


4人目は隣国カサドラリド王国第二王女ミリアナ様(15)
こちらは本人が熱望して婚約申込みをしたみたいです。
自国の産業祭に来ていたケンビット様に一目惚れして、今回の事がチャンスとでも言わんばかりに婚約の申込みも一番最初にしたのでは無いでしょうか?

ケンビット様とは10も年が離れていますが、若さゆえか本人の積極性で言ったら4人の中で一番です。

ミリアナ様は私と似た匂いがしますわ。


あと、ドイル国ガウランゼ公爵家には年頃の令嬢がいないのですが、最近前公爵の妾の子を引き取りその子をケンビット様の婚約者としようとする動きがあるとか無いとか…


ケンビット様は現在は国の立て直しの為と全てお断りを入れているそうですが、きっと婚約をお断りしている理由はそれが全てではないとは思います。

ケンビット様がお義姉様を見ていた時の顔が脳裏によぎる。


正直な話、国の立て直しをしている今だからこそ婚約者…王太子妃の存在は必ず必要になってくる。ここ1年…長くても2年以内には婚約者が決まり、ケンビット様の年齢的にもすぐに婚姻の流れになるでしょう。


そこに私が立候補できない事が心苦しいです。
何もなければ私は一番の有力候補と言っても過言ではありません。

このリストを見ると、今まで考えない様にしていたけれども心の奥底でメイル兄様とアエリアお義姉様を恨む気持ちがどうしても出てきてしまいます。

ケンビット様の婚約者候補の情報を書かれた紙をジッと見つめて早くも諦めの気持ちが出てくる。

何の手もない私がこの人達に勝てるはずがない。
いや…当たって砕けろ精神なので婚約候補者に勝つ負けるなんてそもそもおかしな考えなんだけど…

でもやっぱりやるからにはかすかな希望を…少しは夢を見なくてはやってられない。

実際ケンビット様の婚約者候補者を知って、自分で自分のやっている事が分からなくなる。

私がやっている事が正しいか間違っているかで言ったら完全に間違っている。

分かっているのよ。
分かっているのにどうしようもない。

恋とは本当に面倒。
頭では分かっているのに心がそれに対して納得しない。

この気持ちをグシャグシャに丸めて放り投げられたら楽なんだろうな…

私は自分の気持ちと連動させて婚約者候補の書かれた紙をクシャクシャに丸めて握りつぶすと机にうつ伏せる。

1度しか会っていない。
しかも会う事すらままならないし、叶う見込みが限りなく低い相手に恋をさせるなんて神様って本当に意地悪ですよね。


「ティナ様…」
クシャクシャに丸めた紙を開いて伸ばしているとサリーが私の目の前まで来ていた。

「何?」
「ティナ様にお客様ですがどうされますか?」
「誰?」
「アエリア様の侍女です。アエリア様より言付けがあるとのことで…」

アエリア様の侍女?
確か“ユウキ“と言ったかしら?
私達を明らかに牽制していたわよね…

「大丈夫よ。通して」
「かしこまりました。」

サリーの後ろ姿を見ながら私はケンビット様の婚約候補を書かれた紙を隠す。


「皇女殿下。お忙しい中申し訳ありません。アエリア様より先日のお茶会のお礼にと今度はアエリア様がお茶会を開催したいと言付けをあずりました。」

いかにも臣下という様な作られた笑みを浮かべて、ユウキは私に招待状らしきカードを私に渡す。

「まあ。本当に?嬉しいわ。」

淡々とするユウキに対して私は満面の笑みを向けて、ユウキからそのカードを受け取りその場で中身を確認すると、ユウキは私に深々と一礼をして早々と部屋を出て行こうとする。

「待って。」
咄嗟に呼び止める私にユウキは足を止めて振り返る。

「何か問題でもありましたでしょうか?」
「いえ。問題ないわ…お義姉様は今どうされている?」

ユウキは少し眉間に皺を寄せて怪訝な顔をするけどすぐに仮面をつけたような笑みを浮かべる。

「アエリア様は先程、王妃様の元に行かれました。」
「お戻りに時間がかかるかしら?」
「…すでに1時間程経ちますので、もうじきお戻りになるかと思います。」
「そう。なら私も一緒に行っても良いかしら?お茶会のお返事を直接したいし、お義姉様にお話したい事があるの。」

私の発言にユウキは驚いたように目を見開いて、少し考えてから私に対して頭を下げて「はい」と答える。

お義姉様の部屋に向かう途中は無言。
皇女の私に対して不敬とはならない程度だけど、明らかにアエリア様の侍女のユウキには私はよく思われていないわよね。

かなりお義姉様に忠誠な侍女みたいだし、確かにお茶会でかなり際どい質問してしまったから仕方ないかも知れなけど。


「あれ…ティナ様。どうされました?」

部屋の近くまで行くと丁度部屋に戻ってくるお義姉様とタイミング良く鉢合わせた。

「お義姉様。お茶会の招待ありがうございます。是非参加させて頂きます。嬉しくて直接お返事しに来てしまいました。」

「本当ですか。よかったです。」

お義姉様はキラキラとした笑み浮かべる。

よし。チャンスは今しかない。
グジグジ悩んでも仕方がないし、言うのよティナ。

「で、お義姉様…1つお願いがあるのですが…」
「ティナ様が私に?何でしょう?」

「お義姉様がドイル国に帰省される際、私も連れて行って頂けませんか?」

「「えっ」」

私が覚悟を決めて言うと、お義姉とユウキが同時に声を上げて驚きの表情を私に向けた。
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