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ユシンside③-2
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そして、その俺の考えが功をなした。
それから数日後、本来ならなんの問題も起きないはずの授業中。
マスクルが俺に誰にも気付かれぬ様に静かに呼出の合図をおくってきた。
俺は授業中の教室を適当な理由で抜け出すと、マスクルの元に行き状況を確認すると同時にマリアの元に急ぐ。
そして、どんな事が起きても先手を取るために早々にマスクルには相手側の情報を探らせに行かせる。
状況を早くに察知したおかげでマリアを守ることが出来た。
マリアを怖がらせてしまったかも知れないと心配をしたが、マリアは思っていた以上に状況把握が早く、それに対しての対応力もあった。
騒動後、何事もなく笑うマリアを見ていて気付かされた。
マリアの何がそこまで人を惹きつけるのか…
俺はマリアに何でこんなに惹きつけられたのか…
外見だけではない。
マリアをよく思っている人は多くいる。
ユーラに関しては俺の想像通りマリアを気に入って自分の手の内にマリアを引き込もうとしている。
マリアは逃げたと言っているが、決して逃げてなんていない。
本当に逃げるのであれば学園に来なければいいだけだ。
だけど、マリアはそんな状況でも自分自身を偽って…偽り続ける事は苦しいはずなのに学園に通い続けた。
キュアやユアがいた事が救いだったのは確かだろう。
でも、何よりマリアが強い心を持っていたからなんだ。
どんなにマリア自身が自分を偽っても隠しきれない真面目さや素直さ。
いじめていた奴を恨むでもなく、己で全てを受け止めて進んで行こうとする強さ。
でも、頑なに真面目な訳ではなくたまに見せる茶目っ気な姿は周りを笑顔にさせる。
その人がもつ本質は本人がどんな偽ってもわかる奴には分かる。そんなマリアの存在は貴族社会には珍しく、心を惹かれる。
マリアという存在を知れば知る程に愛しさは増すばかりだ。
頑張ってきたマリアをドロドロに甘やかしたい。
最近はそんな気持ちまで出てきた。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか…
マリアは俺と共にいる為に、今までの自分と正面から向き合い逃げる事を辞めて頑張る事を決意してくれた。
そんな決意をしてくれたマリアを愛しく思わないはずがない。
“バカップルにはならない”
マリアは頑なにそう宣言するが、俺はマリアをとことん溺愛したい。
マリアを俺で溺れさせたい。
周りなんて関係ない。
いや。逆に俺とマリアの関係を周りに見せつけてやりたい。
バカップル?
上等だ。
誰も俺とマリアの間には入らせない。
俺がこんなにも必死に執着してるなんて…
少し前の俺がみたら目を疑うだろうな。
マリアの部屋を訪ねて、マリアの隠された趣味を知った時には驚きはしたものの、正直嬉しかった。
好いた女がこう言う事に興味があると知って喜ばない男はいないだろう。
マリアも男女の営みに興味があるのであれば話は早い。
マリアといずれそんな遠くないうちに結ばれる。
男としてはその辺り望まない奴はいないだろう。
そんな事を思いながらも良い雰囲気になる度、誰かしらの邪魔が入ったり、マリアにのらりくらりとかわされて中々結ばれる事はなく、気づけばマリアと婚約を結んでから2年の月日が経ち俺達は最終学年の4棟生となった。
4棟生となり、生活はガラリと変わっていく。
俺も騎士団の訓練と学園の二重生活になり、与えられた公務もこなし忙しい日々を送る。
学園には10日に4回通うくらいだ。
マリアと会える日もグッと減った。
最近は日々マリア不足の状態だ。
そんな日々の中、毎朝の日課で王城の中庭とマスクルと剣を交えていると父上から呼び出された。
そろそろ話しがあるとは思っていたが、卒業後の俺の身の振り方に関してだろう。
長男・王太子のワーナーには最近後継になる男児の第一子が誕生した。
長女・エリカは一年前に幼馴染だった侯爵の嫡男と結婚した。
次男・マイニーは隣国から王女を娶り、父上から公爵の地位を得た。現在は兄上の片腕として共に執務をこなしている。
三男・マリアにちょっかいを出したケビンは3ヶ月ほど前にやっとユーラと式を挙げた。今はマリダス公爵家に入り公爵に付いて各地を回っている。
次女・ワイスは近々ここからは少し距離があるグランドールメイル帝国に留学予定だ。
そして1歳になった末子の三女・メリルはその可愛さからみんなからの溺愛を受けすくすく育っている。
それぞれが次の段階に進んでいる。
俺も学園卒業後は主に王族の身辺を守る為の第一騎士団に入る事は決まっているが、それにプラスして王太子に後継者が生まれた事により俺は予定より早めに王族から出た方が良いのだろう。
案の定、俺は予定より数年早く学園卒業と同時に父上より侯爵の地位をもらい王族を抜ける事となった。
本来なら騎士団に入り、そこで騎士としての地盤を固めマリアとの結婚と同時に爵位を貰う予定だった。
爵位を貰うのが早まったなら結婚も早めても良いのでは?
その場で父上にその旨を伝えようと思ったが、思い止まる。
父上に言う前にマリアに伝えるべきだと思ったから。
俺はまだ、マリアに大切な事を伝えられてない。
最初は不本意に婚約者となったが、互いに惹かれて今の関係になった。
“好きだ”“愛してる”そんな言葉は数え切れないくらい沢山言ってきたが、大切な言葉はまだ言えていない。
「結婚しよう」
「俺の妻になって欲しい」
今まで言う機会がなかったが、今こそ伝えるべきだと思う。
マリアに伝えよう。
こう言う事は雰囲気も大事だよな…
どう伝えるか…
それから数日後、本来ならなんの問題も起きないはずの授業中。
マスクルが俺に誰にも気付かれぬ様に静かに呼出の合図をおくってきた。
俺は授業中の教室を適当な理由で抜け出すと、マスクルの元に行き状況を確認すると同時にマリアの元に急ぐ。
そして、どんな事が起きても先手を取るために早々にマスクルには相手側の情報を探らせに行かせる。
状況を早くに察知したおかげでマリアを守ることが出来た。
マリアを怖がらせてしまったかも知れないと心配をしたが、マリアは思っていた以上に状況把握が早く、それに対しての対応力もあった。
騒動後、何事もなく笑うマリアを見ていて気付かされた。
マリアの何がそこまで人を惹きつけるのか…
俺はマリアに何でこんなに惹きつけられたのか…
外見だけではない。
マリアをよく思っている人は多くいる。
ユーラに関しては俺の想像通りマリアを気に入って自分の手の内にマリアを引き込もうとしている。
マリアは逃げたと言っているが、決して逃げてなんていない。
本当に逃げるのであれば学園に来なければいいだけだ。
だけど、マリアはそんな状況でも自分自身を偽って…偽り続ける事は苦しいはずなのに学園に通い続けた。
キュアやユアがいた事が救いだったのは確かだろう。
でも、何よりマリアが強い心を持っていたからなんだ。
どんなにマリア自身が自分を偽っても隠しきれない真面目さや素直さ。
いじめていた奴を恨むでもなく、己で全てを受け止めて進んで行こうとする強さ。
でも、頑なに真面目な訳ではなくたまに見せる茶目っ気な姿は周りを笑顔にさせる。
その人がもつ本質は本人がどんな偽ってもわかる奴には分かる。そんなマリアの存在は貴族社会には珍しく、心を惹かれる。
マリアという存在を知れば知る程に愛しさは増すばかりだ。
頑張ってきたマリアをドロドロに甘やかしたい。
最近はそんな気持ちまで出てきた。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか…
マリアは俺と共にいる為に、今までの自分と正面から向き合い逃げる事を辞めて頑張る事を決意してくれた。
そんな決意をしてくれたマリアを愛しく思わないはずがない。
“バカップルにはならない”
マリアは頑なにそう宣言するが、俺はマリアをとことん溺愛したい。
マリアを俺で溺れさせたい。
周りなんて関係ない。
いや。逆に俺とマリアの関係を周りに見せつけてやりたい。
バカップル?
上等だ。
誰も俺とマリアの間には入らせない。
俺がこんなにも必死に執着してるなんて…
少し前の俺がみたら目を疑うだろうな。
マリアの部屋を訪ねて、マリアの隠された趣味を知った時には驚きはしたものの、正直嬉しかった。
好いた女がこう言う事に興味があると知って喜ばない男はいないだろう。
マリアも男女の営みに興味があるのであれば話は早い。
マリアといずれそんな遠くないうちに結ばれる。
男としてはその辺り望まない奴はいないだろう。
そんな事を思いながらも良い雰囲気になる度、誰かしらの邪魔が入ったり、マリアにのらりくらりとかわされて中々結ばれる事はなく、気づけばマリアと婚約を結んでから2年の月日が経ち俺達は最終学年の4棟生となった。
4棟生となり、生活はガラリと変わっていく。
俺も騎士団の訓練と学園の二重生活になり、与えられた公務もこなし忙しい日々を送る。
学園には10日に4回通うくらいだ。
マリアと会える日もグッと減った。
最近は日々マリア不足の状態だ。
そんな日々の中、毎朝の日課で王城の中庭とマスクルと剣を交えていると父上から呼び出された。
そろそろ話しがあるとは思っていたが、卒業後の俺の身の振り方に関してだろう。
長男・王太子のワーナーには最近後継になる男児の第一子が誕生した。
長女・エリカは一年前に幼馴染だった侯爵の嫡男と結婚した。
次男・マイニーは隣国から王女を娶り、父上から公爵の地位を得た。現在は兄上の片腕として共に執務をこなしている。
三男・マリアにちょっかいを出したケビンは3ヶ月ほど前にやっとユーラと式を挙げた。今はマリダス公爵家に入り公爵に付いて各地を回っている。
次女・ワイスは近々ここからは少し距離があるグランドールメイル帝国に留学予定だ。
そして1歳になった末子の三女・メリルはその可愛さからみんなからの溺愛を受けすくすく育っている。
それぞれが次の段階に進んでいる。
俺も学園卒業後は主に王族の身辺を守る為の第一騎士団に入る事は決まっているが、それにプラスして王太子に後継者が生まれた事により俺は予定より早めに王族から出た方が良いのだろう。
案の定、俺は予定より数年早く学園卒業と同時に父上より侯爵の地位をもらい王族を抜ける事となった。
本来なら騎士団に入り、そこで騎士としての地盤を固めマリアとの結婚と同時に爵位を貰う予定だった。
爵位を貰うのが早まったなら結婚も早めても良いのでは?
その場で父上にその旨を伝えようと思ったが、思い止まる。
父上に言う前にマリアに伝えるべきだと思ったから。
俺はまだ、マリアに大切な事を伝えられてない。
最初は不本意に婚約者となったが、互いに惹かれて今の関係になった。
“好きだ”“愛してる”そんな言葉は数え切れないくらい沢山言ってきたが、大切な言葉はまだ言えていない。
「結婚しよう」
「俺の妻になって欲しい」
今まで言う機会がなかったが、今こそ伝えるべきだと思う。
マリアに伝えよう。
こう言う事は雰囲気も大事だよな…
どう伝えるか…
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