【完結】生まれたときから今日まで無かったことにしてください。

はゆりか

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番外編 ランバードside①

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私、ランバード・グランドール・グランドルドはグランドールベルク帝国という大国の当時の皇帝の子として私は産まれた。

私は『神の愛し子』として産まれ、その時から『加護の力』と呼ばれる不思議な力を持っていた。

数百年に一度必ず帝国皇族に産まれるという『神の愛し子』

何の為に皇族に産まれるのか?
それが何を意味しているのか?

全く解明はされていない。
ただ、『神の愛し子』はこの国にとって重要な存在とされていた。

どれだけ重要なのか手っ取り早く分かるのは、神の愛し子が誕生すると国として最も大切である国名が変わる。

私が産まれた時も『グランドールベルク』から『グランドールランバード』に変わった。

国名を変える事で帝国に神の愛し子加護の力が現在帝国に存在する事を他国に知らしめる。

そうすればその時代はどの国も帝国には逆らえなくなる。

それ程『神の愛し子』が持つ加護の力は偉大で、強力なものだった。

しかし、重要な存在だからといって大切にされる訳ではない。


私は……愛し子は……この国をより強固にする為のただのコマでしかなかった。



周りの者は私が保有する力のみを欲してを私自身を見てくれる人などいなかった。

皇帝である父も私の誕生を知るやいなや私の持つ力を使い自分がどうのし上がるかという事しか考えていなかった。

母に至っては「神の愛し子を産んだ聖母」と鼻高々になり、贅沢三昧。子供の事など省みる事などなく、私の持つ力をあたかも自分の力のように使わせた。

無理やり力を使わされ、その後苦しんでいても誰も手を差し伸べてくれない。私は王城に住みながらも与えられた部屋の片隅に縮こまりひたすら苦しみを耐える日々を送っていた。

人の欲は尽きず私に力を使わせる。
力を使う事を拒否をするとより要求が多くなり、うまく出来ないと国中から「役立たず」と批判の声を浴びた。


私は『神』の『愛し子』であるのに、私がどんなに苦しんでいても周りの奴らには関係のない事だった。

もちろん「愛し子」であるのに神からの助けもない。

この国を……自身の周りにいる私を苦しめる奴らを全て消したかったが、幼い私にはまだそこまでの力は無かった。



そんな私の苦しみなど嘲笑うかのように12歳になった頃、皇族長子が受け継ぐ覇気の力を新たに手に入れた。

同じ力を持つ皇帝には効かなかったが、他の者には覇気の力を向けるとそれだけで私から引き下がるようになった。

煩わしさからは多少解放されて良かったが、力の制御には精神が削られた。

これ以上の力を持って神は私にどうすれというのか?

そして、能力が開花したのと同時に、父から帝国を守る“守りの森の番人”をするように言われた。


本当の地獄はそこからだった。




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