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番外編 ハリスside⑤
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怒りに震えるイルに私は微笑む。
きっと私は今、最高に素敵な笑顔をイルに向けている。
「フフ……全部イルが悪いんじゃない。人のせいにしないで」
「……私の……せい?」
「ええ。だって私の想いをずっと知っていながら踏みにじったのは貴方でしょう? 私はあなたに出会ったその日から貴方をずっと愛してた。私をここに連れてきたのは貴方なのに……貴方は私の気持ちを知っていながら無視をして……それなのに自分だけ幸せになろうなんて許されないわ」
イルは私の言葉に目を見開く。
そして、何かを考えるようにリアに視線を向けてそっと床に寝かせると何を思ったか私に対して両手を広げる。
「ハリス。確かに私は君の気持ちに気付いていた。でもその気持ちに答える事は出来なかったんだ。メルトニア人は神殿を守るために後世により神の子の有する力を持った子孫を残さなくてはならない。リアとは婚姻はその為だったんだ。でもそのせいで君をそんなに苦しませていたなんて……すまない。私にとってハリス……君は特別な存在だよ。色々やり直そう。ハリス。さぁおいで」
イルは私に対して微笑む。
私はイルの急な変わりように躊躇する。
でも、大好きなイルの笑顔が私に向けられている。
はじめてあったあの時のイルの微笑み。
私は状況を疑いながらも嬉しくなる。
「ハリス……」
躊躇して動かない私にイルは自ら近づいてきて私を優しく抱きしめると、甘く私の名前を呼ぶ。
そんなイルの行動に私は警戒を解いてしまった。
夢にまで見たイルの腕の中。
温かい……その瞬間感じる。
やっぱり私はイルの特別だったんだ。
これでイルは私のものになるんだ……
私は自身の手をイルの背中に回す。
やっと……手に入れた……
「……君をここに連れてきたのは間違いだった」
私がイルの温もりを感じているとイルがボソリと呟いた。
その瞬間背中に激痛が走る。
「っっ……‼︎」
背中から血が垂れる。
私は咄嗟にイルから離れるとイルの手には短剣が握られていた。
先程の幸福感は一瞬で消え去り苛立ちが私を包み込む。
「イル……貴方はどこまでも私を裏切るのね……」
こうなった事に不思議と悲しみはない。
私を裏切るような奴はいらない。
私の愛に応えない奴はいらない。
私のものにならないのであればいらない……
私の中にあるのは憤りのみ。
私はすぐさま力で自身の傷を癒すと、部屋の入口付近にいた神職者と愛し子達にイルを拘束させる。
イルは神職者達に暴行されボロボロになり、そして見せしめの為に街のど真ん中に磔にして世のみんなの前で殺してあげた。
私自らの手で。
聖女である私を貶めた罪人として……
メルトニア人は神の子なんかではない。
メルトニア人は悪の根源。世界を滅ぼす人種。
それはイルの死と同時に世界中に広まった。
そこからメルトニア人はみんなから迫害を受けるようになった。
私は私を見下して来たものが堕ちていく姿を見て楽しくて楽しくて仕方なかった。
しかし、それからしばらくして大きな問題が起きはじめた。
力を使うと身体中に痛みやだるさ、目眩を感じるようになった。
回復の力も効かない。
逆に力を使えば使うほど身体の不調は大きくなる。
他の愛し子達にも同じ症状が出ている。
私は特に神殿内の全員に魅了をかけていたのでその反発は強く、ベットから起き上がれないくらいの体調不良に見舞われた。
そんな状態から周りの魅了が少しづつ解けてきた。
まず最初に解けてきたのは3人の愛し子だった。
愛し子は苦しみに狂い私を襲って来た。
「やはり神官達は私達にとって必要な存在だったんだっ」
「お前のせいだ……この苦しみから解放してくれ」
「なんでこんな思いをしなくてはならないの……」
私は身体が上手く動かせず、私より弱いはずの3人の攻撃をくらってしまった。
3人も苦しみに耐えきれず死ぬ気で私に向かってきているのがのがわかる。
だからいつも以上の力を出せているのだろう。
流石の私も身体が言う事をきかないので何度も攻撃を受けてるうちに致命傷をおってしまった。
弱いくせに……
1人では何もできない愛し子どもが……
私は苦しみの中、今出せる限りの力を愛し子達に放出した。
すると苦しみに弱りかけていた愛し子達は全員宙を舞う様に吹き飛ばされた。
きっとこいつらはこれで死んだだろう……
念のため確認をしたいけど、身体が動かせない。
あぁ。苦しい。
あぁ。寒い……
私はこれで死ぬの?
なんて惨めな人生。
私をこのようにしたイルもリアも許さない。
呪ってやる。
絶対お前達は幸せになんかさせない。
この魂が朽ちるまでお前達は私を置いて幸せになんかさせない。
未来永劫怨み呪ってやる。
未来永劫復讐してやる。
そして、私の記憶は一度途切れた。
何年経っただろうか……
私は死んだ後、憎しみを残した魂だけの存在となった。
人々は何度となく転生を繰り返している。
でも私の憎き2人は中々現れない。
個々には転生しているようだが、私の呪いの力は強いらしくそれぞれ幸せな最後は迎えられてはいない。
でも、2人揃わなければ意味がない。
2人揃って復讐しなければ私の気持ちが晴れない。
リアには前世以上の苦しみを与えたい。
イルには……まぁ逢ってから決めようか。
過去を反省しているようなら許してあげてもいい。
ん……?
現世に2人の魂の鼓動を感じる。
やっと……やっと復讐の時が来た。
ああ。同じ憎しみを匂いを感じる。
この子がいい。この子ならきっと上手くやれる。
さて、それでは復讐のゲームを始めましょうか。
*****
リアとイルの物語【神の箱庭~始まりの物語~】を近々公開させていただきます。
20話程の話です。
もしよろしければご覧ください。
きっと私は今、最高に素敵な笑顔をイルに向けている。
「フフ……全部イルが悪いんじゃない。人のせいにしないで」
「……私の……せい?」
「ええ。だって私の想いをずっと知っていながら踏みにじったのは貴方でしょう? 私はあなたに出会ったその日から貴方をずっと愛してた。私をここに連れてきたのは貴方なのに……貴方は私の気持ちを知っていながら無視をして……それなのに自分だけ幸せになろうなんて許されないわ」
イルは私の言葉に目を見開く。
そして、何かを考えるようにリアに視線を向けてそっと床に寝かせると何を思ったか私に対して両手を広げる。
「ハリス。確かに私は君の気持ちに気付いていた。でもその気持ちに答える事は出来なかったんだ。メルトニア人は神殿を守るために後世により神の子の有する力を持った子孫を残さなくてはならない。リアとは婚姻はその為だったんだ。でもそのせいで君をそんなに苦しませていたなんて……すまない。私にとってハリス……君は特別な存在だよ。色々やり直そう。ハリス。さぁおいで」
イルは私に対して微笑む。
私はイルの急な変わりように躊躇する。
でも、大好きなイルの笑顔が私に向けられている。
はじめてあったあの時のイルの微笑み。
私は状況を疑いながらも嬉しくなる。
「ハリス……」
躊躇して動かない私にイルは自ら近づいてきて私を優しく抱きしめると、甘く私の名前を呼ぶ。
そんなイルの行動に私は警戒を解いてしまった。
夢にまで見たイルの腕の中。
温かい……その瞬間感じる。
やっぱり私はイルの特別だったんだ。
これでイルは私のものになるんだ……
私は自身の手をイルの背中に回す。
やっと……手に入れた……
「……君をここに連れてきたのは間違いだった」
私がイルの温もりを感じているとイルがボソリと呟いた。
その瞬間背中に激痛が走る。
「っっ……‼︎」
背中から血が垂れる。
私は咄嗟にイルから離れるとイルの手には短剣が握られていた。
先程の幸福感は一瞬で消え去り苛立ちが私を包み込む。
「イル……貴方はどこまでも私を裏切るのね……」
こうなった事に不思議と悲しみはない。
私を裏切るような奴はいらない。
私の愛に応えない奴はいらない。
私のものにならないのであればいらない……
私の中にあるのは憤りのみ。
私はすぐさま力で自身の傷を癒すと、部屋の入口付近にいた神職者と愛し子達にイルを拘束させる。
イルは神職者達に暴行されボロボロになり、そして見せしめの為に街のど真ん中に磔にして世のみんなの前で殺してあげた。
私自らの手で。
聖女である私を貶めた罪人として……
メルトニア人は神の子なんかではない。
メルトニア人は悪の根源。世界を滅ぼす人種。
それはイルの死と同時に世界中に広まった。
そこからメルトニア人はみんなから迫害を受けるようになった。
私は私を見下して来たものが堕ちていく姿を見て楽しくて楽しくて仕方なかった。
しかし、それからしばらくして大きな問題が起きはじめた。
力を使うと身体中に痛みやだるさ、目眩を感じるようになった。
回復の力も効かない。
逆に力を使えば使うほど身体の不調は大きくなる。
他の愛し子達にも同じ症状が出ている。
私は特に神殿内の全員に魅了をかけていたのでその反発は強く、ベットから起き上がれないくらいの体調不良に見舞われた。
そんな状態から周りの魅了が少しづつ解けてきた。
まず最初に解けてきたのは3人の愛し子だった。
愛し子は苦しみに狂い私を襲って来た。
「やはり神官達は私達にとって必要な存在だったんだっ」
「お前のせいだ……この苦しみから解放してくれ」
「なんでこんな思いをしなくてはならないの……」
私は身体が上手く動かせず、私より弱いはずの3人の攻撃をくらってしまった。
3人も苦しみに耐えきれず死ぬ気で私に向かってきているのがのがわかる。
だからいつも以上の力を出せているのだろう。
流石の私も身体が言う事をきかないので何度も攻撃を受けてるうちに致命傷をおってしまった。
弱いくせに……
1人では何もできない愛し子どもが……
私は苦しみの中、今出せる限りの力を愛し子達に放出した。
すると苦しみに弱りかけていた愛し子達は全員宙を舞う様に吹き飛ばされた。
きっとこいつらはこれで死んだだろう……
念のため確認をしたいけど、身体が動かせない。
あぁ。苦しい。
あぁ。寒い……
私はこれで死ぬの?
なんて惨めな人生。
私をこのようにしたイルもリアも許さない。
呪ってやる。
絶対お前達は幸せになんかさせない。
この魂が朽ちるまでお前達は私を置いて幸せになんかさせない。
未来永劫怨み呪ってやる。
未来永劫復讐してやる。
そして、私の記憶は一度途切れた。
何年経っただろうか……
私は死んだ後、憎しみを残した魂だけの存在となった。
人々は何度となく転生を繰り返している。
でも私の憎き2人は中々現れない。
個々には転生しているようだが、私の呪いの力は強いらしくそれぞれ幸せな最後は迎えられてはいない。
でも、2人揃わなければ意味がない。
2人揃って復讐しなければ私の気持ちが晴れない。
リアには前世以上の苦しみを与えたい。
イルには……まぁ逢ってから決めようか。
過去を反省しているようなら許してあげてもいい。
ん……?
現世に2人の魂の鼓動を感じる。
やっと……やっと復讐の時が来た。
ああ。同じ憎しみを匂いを感じる。
この子がいい。この子ならきっと上手くやれる。
さて、それでは復讐のゲームを始めましょうか。
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