カレンダーの復讐

クリオネ

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第四章 動く歯車

あの方

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朝になり、手早く支度を済ませ、ガウルを連れて宿を出た。
………だけどもう気づいたら日が沈み始めていた。手がかりも見つからないまま、
街の中を歩いていたら地下に続く階段があった。私はなにかにつられて中入った。
中に入るとパーティー会場とはまた違った熱気が立ち込めていた。

「はい!あなたの心にいたずらしちゃうよ‼悪戯好きが集まった8人グループ‼まずは私達
ケイパーとピチィです‼あなたのハートにお邪魔します♡次は私達ミスチーとシャーロとピカロです‼ちゃんと応援しないと悪戯するよ♡最後は私達‼ローシと?ウームと?もちろんこの私‼リーダーのチスターです‼私達から離れていっちゃあダメだよ♡悪戯好きが集まったグループ‼これからもどうぞフォーチューンをよろしくお願いしま~す‼」

私は何もこの人たちのことを知らなかったので近くの人に聞いてみた。

「いいか?よく聞けよ?この小悪魔達はな?ディアドルっていうディアだけの限定アイドルグループだ!!特に今紹介していたフォーチューンはな、ディアドルの中でもトップのアイドルグループなんだよ!!それぐらいは知っておかなきゃダメだよ‼」

私は教えてくれた人にお礼を言い、そのフォーチューンの顔をよく見た。そしたらカレンダーの顔写真と一致した。

「....見つけた、待っててね、ちゃんと殺してあげるから。」

私は高揚して笑いが止まらなかった。ニヤニヤしながら急いで宿に戻る。

「次が決まったのはいいのですが、いつ殺すおつもりで?」

「もちろん今夜だ。ガウル、後をつけて殺す、資料に書いてないからつけるしか無い。」

「わかりました。何かあったらお呼び下さい。」

後をつけるからもちろん暗殺になるしかも素早く、静かに殺す。完璧な暗殺だった。
私は殺しに必要な荷物を持って普通の服装で宿を出た。私はさっきのライブ会場に戻ったら、ちょうどライブが終わったときだった、私は隠密効果のある薬を飲み、後をつけた。
あとをつけていくとどうやらフォーチューンはシェアハウスをしているらしい。中に入ると八人部屋になっていた。私はシェアハウスを出て、寝静まるまでガウルと一緒に作戦を立てた。作戦は、まずリーダーと名乗っていたチスターを殺す。その後、チスターの隣のやつから殺していくという作戦だった。作戦を立てて居たら明かりが消えていた。私はちゃんと寝てから殺したほうがいいと思ったので30分後にシェアハウスの中へ入った。だが、中に入るとまず最初に目に飛び込んできたのは私の剣と奴らの剣がぶつかってるのが目に入った。

「あんたのことはもうここに来るってのは把握済みだっての‼逆に思わないの?こんなに私達の知り合いの中で人がバンバン殺されて私達があなたの存在に気づかないとでも?ねぇ?
私達、貴方の正体知っているのよ?」

私は不覚だったことに気づいた。そりゃそうだ私の家族を殺すための仲間が死んだのに異変に気づかないわけがない。それに自分の正体について知ってるってどういうことだ。自分はアネモネ・アリウムじゃないロークに生まれ変わったんだ。焦りながらも冷静に考え、目の前の敵を倒すことに集中した。よく見ると剣の筋も荒く、型も整ってなかった。所詮はアイドルたちだ。そう安々と勝たせるわけにはいかない、私はすぐに体制を整えて反撃に出た。次々と相手を切っていく、1人、2人、3人、4人・・・と切っていく、奴らが言っていることも気になったがそれよりも今、この感覚のほうが楽しかった。剣が相手に通る感覚が堪らなかった。........そして1人を残して楽しみが終わった。情報を聞き出すために。

「よくも殺してくれたわね‼許さないんだから‼…でも私じゃかなわないわね、けどいいのよ‼あの方が‼全部終わらしてくれるんだから‼あんたの人生を‼壊してくれるから‼殺しなさいよ‼もう私も仲間達がいるところへ行きたいわ‼」

その女の人は怖がりながら発狂し、私が【あの方】について聞こうとする前に自分でナイフを持ち、首を刺した。.....もう死んでしまった。自害なんてしなきゃいいのに、けど私は情報を聞きだしたら殺すと思っていたので殺す手間が省けたと思えば、まあいいと思う。
あの方とは一体どういうことだ?誰だそいつは?....知りたいことはたくさんあるけど一旦宿に戻ろう。私はもしかしたらこの家になにか情報があるのではと思ったけどなにか嫌な予感がするからやめた。宿に戻って余韻に浸っていたけどなにか引っかかる感じがした。【あの方】のことも気にはなるがもっと、それ以前になにか大事なことを忘れているのではないかと。今日は案外すぐに片付けられたけどなにか釈然としなかった。

「.......たくさん知りたいことはあるけどとりあえずここを出ようなにか嫌な予感がする。」

「.......そうですね、分かりました我が主、今日は明日に向けてしっかりと休んで下さい。」

いつもはスッキリと眠れるのになかなか今日は寝付けなかった。
朝起きると今までなかった重だるさを感じた。
人は不安などを感じるとこんなにも体に影響が出るんだ。....私は朝イチに街を出て森の中を走った。

「何処に行きますか?我が主」

「.....何処か遠いところに行こう。」

そう言うとガウルはゆっくりと走り始めた。遠くと言っただけだから何処に行くかわからないけど様子を見よう。
…走っていったら森を抜けた。森を抜けたらあたり一面に海が見える。海はとてもきれいで青々としていた。

「森を抜けたらこんなにもきれいな場所があるんだ..」

「ここはコースト海といいって透明なのに青々としていている秘境の海です。」

「秘境?」

「はい、秘境です。なにせ魔物がたくさんある森を抜けなければつかない、ということですので。」

なるほど、確かに魔物がたくさん湧いている森だったから納得した。人が居なくて良かったと心底安心する。
しばらく足を伸ばしてからまた森へ入った。そうすると森を抜け、村が見えた。そろそろ日も落ちたので村の宿に入ることにした。宿をとって早々に布団に入った。

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