午後11時、娘、雨

にしめ

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ようやく

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「今日はこんなお便りが来ています。」
ラジオから流れる前田の声。私は今「恋のお話」を聞いている。今は恋愛をしていないのに聞いてしまうこの症状は「恋のお話」依存症だろう。この日何気なく聞いていたラジオから聞き馴染みのある名前が聞こえてきた。
ラジオネームことりさんからのお便り。前田さん!左衛門さん!こんばんは!私は、ある商社で働いているサラリーマンです。私はある人に恋をしました。その人は雲の上の存在で、私には届きそうもありません。彼女がよく聞いているというこの番組にメールを送ったのは彼女に気づいてもらいたいからです。
「ということでね!お便りが届いてきていますけれども…お相手の方は今聞いているのでしょうか?聞いているといいですね…」
と前田がサラッと話す。私は、ラジオネームことりさんを知っている。よく、私の番組にお便りを送ってくれる人だ。まさか、男の人だったとは驚きだった。いや、待てよ私の知ることりさんではないかもしれない…
でも、「恋のお話」をよく聞いているのは私ぐらいではないだろうか…
まさかね…
この時は深く考えることを放棄しただ放送を聞くことにした。
次の日私は自分の番組の放送を始めた。そして、私は驚くべき内容のお便りを貰うことになる。
ラジオネームことりさんからのお便り。レイニーさんこんにちは!レイニーさん、前回の「恋のお話」は聞かれましたか?あれは私です。レイニーさんに届けと思い書きました。今日はレイニーさんにリクエスト曲があります。前田ウタウタイさんの「真愛」をリクエストします。この曲は私の大好きな曲です。良かったら聞いてみてください。
「ことりさんありがとうございます!ラジオ聞きましたよ。今日はことりさんのリクエストにお応えします。それではどうぞお聞きください…」
私は、高まる心臓を押さえつける。ことりさんは私のヘビーリスナーだと思っていたがまさか好意を持たれているとは気づかなかった。なんだか、ことりさんのことをよく知らないけれど嬉しくて泣き出しそうだった。
放送を終えた私に上司が
「今日合コン行ける?」
と聞いてくる。私は行くことにした。
居酒屋に入ると3人の男性が先に座っていた。私は真ん中に座っていた男性に妙に惹かれる。彼が自己紹介をする。
「小鳥慎二です。サラリーマンをしています。趣味はラジオを聞くことです。」
私は彼に惹かれだす。親が運命で結婚したのなら私にだって素質があるはずだ。小鳥さんとの恋愛が上手く行きますように。お母さんの好きな占いにでも行こうかな。
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