ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

文字の大きさ
46 / 290
第一章 アクセルオンライン

45話 鑑定…いや違う

しおりを挟む

「待て待て待て!!勝手に話を進めるなよ!なんで俺らが野盗の討伐をしなきゃならないんだ!」


イノチは慌てて、アクアドラゴンの発言を撤回する。しかし、彼はそんなことはお構いなしに話を進めていく。


「それくらいよかろう。困っとる相手が目の前にいるのだから、手伝ってやるのは人間ならば普通のことではないのか?」

「くっ…正論だ…くそっ…だけど俺らにだって他にやることがあるし…」

「ほう…それはなんだ?言ってみろ。」

「…ゔ…それは…俺のランク上げ…とか…」

「お主のランク上げ…?あぁ、ギルドランクのことか!それならば、尚のこと野盗討伐を受けるべきだろう。討伐クエストはランクが上がりやすいからな!」

「いや…そのランクのことでは…」


墓穴を掘ったと後悔するイノチの前でアクアドラゴンの言葉は止まらない。どうやら不満があったらしく、イノチの肩の上で唾を飛ばしている。


「そもそもだ!我を仲間にしたというのに、貴様らはいっこうに驚きもせん。竜種だぞ、竜種!この世界で最強の一角を誇る我を仲間にして、未だ平然としておるお主らに、我は意義ありじゃ!!」


そう可愛らしく吠えるアクアドラゴンに、エレナとフレデリカが愛くるしい視線を向けているが、それすら気に食わないと言ったようにキャンキャン言っているのだ。

そんな中、今度はこの男が口を開く。


「イノチ殿…先ほどからウォタさまがおっしゃっている話は…一緒に行動されているとのことですが、いったいどういうことでしょう…?」

「え…あ、いや…実はですね…」


イノチは『アソカ・ルデラ山』の坑道で起きたことの顛末を、タケルの存在を隠しつつ、アキルドたちへ説明する。


「なっ…なんと…竜種であるウォタさまを従えたと言うのですか…」


アキルドは、開いた口がふさがらないといった様子でイノチを見ている。それに対して、シャシイは驚きつつも、別のことが気になる様子だ。

口をパクパクしているアキルドをよそに、シャシイがイノチへと問いかける。


「私はその『リュカオーン』というモンスターのことが気にかかります。討伐したという事ですが、その証拠となるものはお持ちでしょうか?」

「それならキバがドロップしたから、それがありますよ。」


イノチはアイテムボックスから『リュカオーンのキバ』を取り出した。


「…たしかに、この辺に生息するモンスターではあり得ない大きさだ。少し見てもよろしいか?」

「どうぞどうぞ。」


シャシイはイノチからキバを受け取る。そして、魔法を唱えた。


「鑑定…」

「そっ…それは…アキンドさんも使っていたやつ!?」


シャシイの瞳の前に小さな魔法陣が現れ、手に持つキバを見定めるように、大きさを変えながら動き出す。

それを見て興奮するイノチに、アクアドラゴンが話しかけてくる。


「なんだ、お主。鑑定魔法が珍しいのか?」

「そっ…そりゃあ、鑑定魔法はファンタジーの定番だからな!」

「ふむ…目に魔力を通せば使えないこともないぞ。まぁ得手不得手はあるがな。どれ…やってみろ。我を鑑定してみるのだ。」

「…え?ウォタを…?まぁ、やってみるか。えっと…こうかな?」


ガチャ魔法を使う時と同様に、目に魔力を集中させてみる。すると、自分の瞳の前に小さな魔法陣が現れ、アクアドラゴンの周りにいくつかの情報が現れたのだ。


(なんだこれ…アクアドラゴンの周りに…なになに…)


【名 前】ウォタ(レアリティ不明)
【種族名】ドラゴン(アクア系)
【属 性】水
【タイプ】大賢者
【備 考】竜種、世界最強の一角


(おっ…見えた。これが鑑定か…タイプ『大賢者』ってなんだろう…他には…)


【加 護】神の生命
【スキル】水系魔法(全級)、氷魔法、聖魔法(回復系)、アクアブレス
【ウィークポイント】雷系、土系魔法
……


(加護にスキル…弱点まで!すげぇな、鑑定!…ん?まだあるな…おぉ!アクアドラゴンの攻撃パターンや回避行動、その挙動までしっかりと書いてある!!リュカオーンの時もこれが使えてたらもっと楽だったよなぁ…)

「どうだ…?見えたか?」

「え…あ、うん。見えた。」

「…お主は戦いよりも、そういったことの方にセンスがあるようだな。我の属性やタイプが確認できたであろう?そこから相手の弱点を洗い出すなどすれば、戦闘にも役に立つ魔法だな。」

(ん…?弱点を洗い出すって…弱点はもう見えてるけど…どういうことだ?)


アクアドラゴンの言葉に疑問を感じるイノチ。エレナは首を傾げるイノチの様子を不思議そうに見つめていた。

しかし、シャシイの鑑定が終わったため、話はそこで途切れる。


「ふぅ、お待たせいたしました…」

「何かわかりましたか?」

「…はい。」

「…?シャシイ殿、いかがなされた?」


あぶら汗をかき、少し様子のおかしいシャシイに、アキルドが声をかける。


「いや…結果を話す前にイノチ殿にひとつ伺ってもよろしいか?」

「え…はっ…はい、なんですか?」

「このキバの持ち主は、本当にあなた方が倒したのですか?」

「…そうですけど。」

「間違いないのですね?」

「はっ…はい。えっと…なんかまずかったですか?」


それを聞くと、シャシイは大きくため息をつく。そして、驚くべき事実を話し始めたのだ。


「アキルド殿…驚かれずに聞いてください。あくまで私の推測ですが…このキバの持ち主は伝説級…それもアクアドラゴンさまと同等クラス…我が軍総出でも倒せないほど強力なモンスターの可能性が高い…」

「なっ…!?それは誠か…シャシイ殿!」

「はい…このキバの鑑定結果は一言でいうと不明…そんな結果がでるのは、私の知る限りではこの『ダリア』しか知りません。」

「なんと…」


かなり驚いているアキルド。目を見開いて、シャシイから受け取ったキバをマジマジと見つめている。


「イノチ殿、このモンスターと戦い、よくぞご無事でしたな。」

「そっ…そうですね、ハハハハハハ」

「そこは我の加護のおかげだな!」


笑ってごまかすイノチの肩で、アクアドラゴンがウンウンとうなずいている。

しかし、イノチとしてはこの件についてあまり詮索されたくないのだ。なんとかごまかそうと話を切り出す。


「まっ…まぁ、このモンスターのことは置いておくとして、まずは『ダリア』の話を進めません?」

「それはそうですが…しかしですね…」


シャシイが納得いかないといったようにイノチを問い詰めようとする。

が…


「イノチ様であれば、それくらいやってのけるでしょうな!」


突然、声がした方に皆が目を向けると、ドアの前にはアキルドと瓜二つの人物が立っていたのである。





「はぁ…」

「どうしたの、BOSS?元気ないわね。」


三人と一匹は、館への帰路の途中だ。


「あぁ…アキンドさんのおかげで、なんとか『リュカオーン』のことはごまかすことができたけどさぁ~。結局、野盗討伐を受けることになっちゃったからなぁと落ち込んでいるのです。」


ギルド総館では、アキルドの弟であるアキンドが突然現れ、シャシイたちを丸め込んでくれたのだ。しかし、話の流れから依頼を受けた方が切り抜けやすそうだったので、とっさに受けてしまったのだ。


「よいではないか。」

「よくねぇよ!!ウォタのせいで受けることになっちまったんだから!俺は早くプレイヤーランクを上げたいのに!」

「プレイヤーランク…?ギルドランクのことだろう?」

「違うってば!」

「はい!その話は終わりね!!」


ギャーギャーと言い合う二人に、エレナが割って入る。


「あたしもBOSSに聞きたいことがあるんだけど…」

「なんだよ…」

「さっき鑑定魔法の結果、ウォタの情報ってどこまで見れたの?」

「何を言っておるのだ?属性やタイプまでしか…」

「あなたは黙ってて。どうなの、BOSS?」


ウォタはエレナの凄みに気圧されてしまい、イノチの肩の上に戻ってブツブツと何か言っている。


「えぇ~と…やっぱり話した方がいいよね…」

エレナたちは頷いている。
イノチはため息をつくと、鑑定結果を皆に伝えた。


「属性とかの他に、弱点や戦いのパターンまで見れたよ…」

「え?!」
「なっ!?」
「やっぱりですわ!」


驚くエレナとウォタの後ろで、なぜかフレデリカはうなずいている。


「お主…鑑定魔法を使ったのではないのか!?」

「そっ…そうだよ!ウォタに言われたとおりにやったよ!」

「BOSS…全部説明してもらいましょうか…」

「そうだぞ!白状せい!!」


エレナとウォタに詰め寄られ、イノチは泣く泣く全てを話すのであった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆
恋愛
 一年にわたる長期出張から戻ると、愛する妻のシェルタが帰らぬ人になっていた。流行病に罹ったらしく、感染を避けるためにと火葬をされて骨になった妻は墓の下。  信じられなかった。  母を責め使用人を責めて暴れ回って、僕は自らの身に降りかかった突然の不幸を嘆いた。まだ、結婚して3年もたっていないというのに……。  そんな中。僕は遺品の整理中に隠すようにして仕舞われていた妻の日記帳を見つけてしまう。愛する妻が最後に何を考えていたのかを知る手段になるかもしれない。そんな軽い気持ちで日記を開いて戦慄した。  日記には妻がこの家に嫁いでから病に倒れるまでの――母や使用人からの壮絶な嫌がらせの数々が綴られていたのだ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...