ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第二章 始まる争い

13話 厄災現る

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35階層。

ミコトたちは着実に最下層へと攻略を進めていた。


「エレナさん、右から来るトロール3体を!フレデリカさんは左のアイアンゴーレムをお願いします!!」

「「Yes ma'am!!」」


ミコトの指示で、エレナとフレデリカは散開する。

それを確認すると、ミコトは『エターナル・サンライズ』を握りしめ、小さく唱え始めた。


「大地を照らす聖なる光よ、災厄に立ち向かう勇敢なる者に、光の加護を与えたまえ。」


詠唱とともに、ミコトの周りには淡い蒼色のオーラが漂い始め、それに呼応するようにミコトが手に持つ『エターナル・サンライズ』も輝き始めた。


「ウォール!!」


ミコトがそう告げて『エターナル・サンライズ』を上に掲げた。

すると、エレナとフレデリカの体も同じように蒼く光り輝き始める。


「これ、ほんといいわね!」

「えぇ、攻撃受けてもほとんどダメージがないですわ!」


二人とも笑い合い、あいかわらず目をギラつかせながら、モンスターたちに突っ込んでいく。


「はぁぁぁぁぁ!!!」


トロールたちが振り下ろす棍棒を全てすり抜け、両刀のダガーで彼らの足を切り裂いていくエレナ。

そしてそのまま、バランスを崩して倒れ込んだトロールたちの首を、いとも簡単に切り飛ばし光の粒子へと変えていく。


フレデリカはというと…

アイアンゴーレムが振り下ろした拳に対し、両手をクロスさせて受け止める。

衝撃で地面が裂け、砕けた岩たちが盛り上がるが、フレデリカは楽しそうに笑っている。


「ハハハハハハハ!!!」


フレデリカは笑いながら自分の腕に力を入れ、アイアンゴーレムの腕を吹き飛ばす。

そして、バランスを崩したアイアンゴーレムの顔の前に飛び上がると、ありったけの力を込めた拳を撃ち抜いた。


「おりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


鈍い音と共に、粉々に砕けたアイアンゴーレムの破片が飛び散り、そのまま光の粒子となり霧散していった。


「あいかわらず馬鹿力ねぇ…」

「ふん、豆腐みたいに脆いですわ!」


ダガーをクルクルと回しながら声をかけてきたエレナに、フレデリカは腕を組んで高飛車に笑う。

二人の体をまとっていた蒼い輝きが消えると、ミコトが駆け寄ってきた。


「二人とも、やっぱすごいなぁ!」

「なに言ってんの!ミコトが掛けてくれた魔法のおかげじゃないの!」

「そうですわ!あれの効果がなければ、本来、攻撃を受け止めるなんて痛くてしないですもの。」


二人の言葉にミコトは笑う。

フレデリカに鼓舞された後、ミコトの心は少しずつだが変わりつつあった。

まずは出来ることからと考え、ミコトは自分から連携プランを皆に提案したのだ。

メイジのスキルには、直接攻撃するタイプの魔法も少なくない。

しかし、そもそもそれが苦手だったミコトは、仲間のサポートに比重を置いた。

仲間の能力を向上させるバフ系魔法と、モンスターの動きを抑制するデバフ系魔法を使い分け、エレナたちのサポートをすることで戦いに参戦していたのだった。

自信が強さに変わっていく。
ミコトはそれを実感していた。


(あとは…攻撃魔法だけ…)


ミコトの視線の先には、手に握った『エターナル・ササンライズ』が映し出される。


「さてと…次の階層へ向かいましょうか。」


エレナの言葉を聞くと、ミコトとフレデリカは無言でうなずいた。







「さて、やっと40階層ね!とりあえず順調ってとこかしら?」


イノチたちが『超上級ダンジョン』に潜り始めて15時間ほどが経過していた。

はぐれたイノチは別として、ミコトたちの攻略ペースはかなり早い。

各階層を、平均20分弱で無駄なく進んでおり、このまま行けば、最下層の50階層まで4時間足らずで到達できる計算になるが…


「ここからはそうもいかないようね…」


エレナは目の前に広がる光景にため息をついた。

今までとは違い、階段を降りた先は少し広いフロアとなっていて、通路の入口が3つ、口を開いて待ち構えている。

それぞれの先は、赤い松明で薄暗く灯されているが、その構造はよくわからなかった。


「しかし、BOSSはどこまで落ちたのか…心配ですわ。」

「そうだね…このままだと、最悪、一番下の50階層にいることもあり得るね。」

「単純にそれならいいけど…こんな迷路みたいなとこで中途半端に歩き回られてたら、合流するのも手間がかかりそうね。」


ミコトとフレデリカも確かにとうなずく。


「でも、どうする?どの入口からにしよう…」

「それを選ぶのは…ミコト、あなたよ。」

「そうですわ。わたくしたちはあなたの決定に従うのですわ!」

「あっ…そ…そうだね!でも…う~ん…」


ミコトは腕を組んで首を傾げた。

3つの入口は、これといった特徴はなく、ほぼ同じような形をしている。

ひとつが当たりで、残りはハズレか。
はたまた、全て当たりだけどどれも途中に試練が待っているとか?

考え出したらキリがない。

とりあえずと思い、臭いや吹き抜ける風、雰囲気などなど、ミコトはいろんなことを確認してみたが、結局どれも判断になりそうなものはなかった。


「いよいよ、困ってしまった…」


しゃがみ込み、頬杖をついて3つの入口を見つめるミコト。

エレナもフレデリカもその決定を待ち、武器の手入れなどをしながら、小休憩をとっている。


「ミコト!とりあえずこっちに来て食べなさい!」

「あっ…うん…」


フレデリカが大きく呼びかける。
ミコトはその声を聞くと腰を上げ、二人のところに歩み寄った。


「メイの料理は本当に美味しいですわ!」


ムシャムシャとサンドイッチを頬張るフレデリカから、差し出された"たまごサンド"を受け取るミコト。


「あんた、ほんとよく食べるわね。」

「腹が減ってはなんとかかんとか、ですわ!」

「はいはい…ハァ…」


そのやりとりを見て、ミコトは笑みをこぼした。

ゼンにも"たまごサンド"を分け与え、それを自分でも口にする。


「おっ…おいひ~!」


片手で頬を支え、至福の表情を浮かべるミコト。

時間が経っているにもかかわらずフワフワな状態のパンと、濃厚な甘味の中にある黒胡椒の仄かな香りが、鼻をゆっくりと抜けていく。

気づけば…待っていたサンドイッチは、消えてしまっていた。


「はぁ…おいしかった。メイさんの料理は世界一ですね!」

「本当ですわ…わたくし、メイの料理ならいつまででも食べていられますわ!」

「ちよっと、フレデリカ!BOSSの分もちゃんと残しておきなさいよ!」


ものすごい勢いでサンドイッチを頬張っていくフレデリカに、ツッコミを入れるエレナ。

ミコトは再び笑みを浮かべた。

しかし、そのタイミングで、食べかけのサンドイッチから口を外し、ゼンが入口の方に顔を向けた。


「…ミコト、談笑中にすまないが…何か…来るぞ。」

「えっ…?ゼンちゃん…?」

「ミコト!後ろに下がりなさい!」


ゼンの言葉とともに、近づき来る異様な気配に気づいたエレナとフレデリカ。

二人もいつのまにか臨戦体制をとっており、ミコトを後ろへと下がらせる。


「ゼン…これって…」

「あぁ…これは…」

「なに…?何が来るの!?」


通路の入口に顔を向けたまま、気配の正体について確認し合っているゼンとエレナにミコトが問いかけると、フレデリカが口を開いた。


「この気配は…『ドラゴンヘッド』…ですの!?」

「来るわよ!みんな、気をつけなさい!」
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