ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第三章 ランク戦開催

44話 ガチャの巻②

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「ねぇ、BOSS見なかった?」


レンジに与えてもらったアジトの自室。
その真ん中でテーブルに座って紅茶を嗜むフレデリカとアレックスに、エレナがそう尋ねる。


「見てないですわ。」

「僕も見てないよぉ♪」


お菓子を食べながらそう告げる二人を見て、腕を組んで大きくため息をつくエレナ。


「なにか…におうわね…」

「…と言うと、もしや…」

「えぇ、おそらくは『ガチャ』よ。」

「わぁ~♪BOSS、またエッチなこと考えてるんだね♪」


アレックスの言葉にエレナは鼻息を荒くする。


「どこかで隠れてこそこそガチャをやってるはずよ!見つけださなきゃ!メイとも約束してるしね!」

「まぁ、わたくしはどちらでもいいのですけれど…エレナがそこまで言うなら手伝いましょう、ですわ。」

「僕も手伝うよぉ♪BOSSには健全でいてもらわなきゃ♪」

「それなら決まりね!さっさとBOSSを見つけて問い詰めてやるわよぉ!!」


二人の同意を得て、エレナはよりはりきった表情を浮かべると右手に拳をつくり高く掲げた。





「まさかまさかのヒーローコレクションコンプリートとは。これで運を使い果たしてないと良いんだけど…」


イノチはそうつぶやきながら、ガチャウィンドウの画面を巧みに操作して、『通常ガチャ』の画面に切り替える。


「ノーマルの方は特にキャンペーンは無しか…まぁ、そりゃそうだよね。」


そうこぼしながら、ふと画面の横にある一つのアイコンが目についた。


『お知らせ:武器ガチャの排出率について』


無意識にそれをタップしてみると、腕を組む白髪白ひげの老人の後ろにたくさんの武器が並ぶバナーと、長い説明書きが現れる。


「またこの人か…ほんとどこにでも現れるよな。普通のソシャゲなら各種ページの背景とかには別キャラを設定して彩りをつけるのに、このガチャはこの人ばっかりが顔を出すな…」


ぶつぶつとぼやきながら説明書きに目を通していくイノチ。

そこには、対象範囲内の武器について排出率を変更するという通知が書かれているようだ。


「…なるほどな。『SR』系の武器の排出率を上げたのか。だからさっきも簡単に『SR』が出たんだな。」


簡単にそう言うイノチだが、この世界の排出率は以前話した通りで鬼畜レベルな設定が為されているため、本来『SR』以上がそう簡単に出ることはない。

理由は不明だが、"イノチ自身"がおかしいのである。


「そういえば武器専用ガチャって引いたことないかも。たまには趣向を変えてみるのも悪くないか。」


イノチは一人そうつぶやくと、画面を切り替えて武器専用ガチャページへと移動した。

キャラガチャとは比べると雰囲気が少し異なるが、デザインなどはおおよそ同じであり、一番上に大きく『武器専用ガチャ』という文字が書かれている。


「1回か…2回くらい引いてもいいか。」


イノチは10連ガチャのアイコンを迷うことなくタップした。

暗転した画面がゆっくり明るくなると、鍛治屋の工房のような風景が現れて、上半身裸で大量の汗を流して大槌を振るう白髪の男の背中が見えてくる。

男は振り向くこともなく、何度も何度も大槌を振り下ろし、その度に手元で火花が舞い散っている。

そして、その下には『Touch me』と指示があった。


「もうこの人が誰なのか、見なくてもわかってしまう自分が嫌だ…」


そうあきれながら、イノチが画面をタップすると白髪の男が振り返り、白いひげの中で真っ白な歯を光らせて笑顔を浮かべて嬉しそうにサムズアップしたのだ。


「ほらね、やっぱりだ…笑顔は爽やかだけど、画面が顔に寄りすぎだろ…これは暑苦しいわ!」


そんなイノチを気にすることもなく画面が切り替わると、目の前にある炉の中の火が揺れ始め、白い球が続々と姿を現していく。


「白、白、白、白、白、白…やっぱり1回目で当たりはこないかぁ…」


ため息をついていたイノチだが、最後の一つになった瞬間に再び白髪白ひげの男が現れて驚いた。


「おっ!?マジか、確定演出っぽいな!」


イノチが眺める中、彼は武器棚に置いてあるさまざまな武器を手に取り始める。

最初は剣。
だが一振りすると気に食わなかったのか、すぐに放り投げてしまう。

次は槍だ。
方天戟のような巨大な槍を手に取ると筋肉を見せつけるようにグルグルと回し始めたが、これも気に食わなかったのか、首を傾げて放り投げてしまった。

その後も、盾や短剣、杖などを確かめるように使っていくがどれも彼のお眼鏡には敵わなかったようで、放り投げると腕を組んで悩み始めてしまった。


「おいおい、いつまでやるんだよ…この演出。相変わらず長いなぁ…」


イノチがそうあきれていると、男は何かに気づいたように手をポンと叩く。

そして、後ろの箱の中に顔を突っ込むと、あれでもないこれでもないといろんなものを放り投げ始め、最後に光り輝く何かを嬉しそうに取り出した。

そこで画面が切り替わり、男がカウントをし始める。

画面の上から顔を出して『3』。
右斜め下から『2』。
左斜め下から『1』。


「くどい…演出がくどすぎる…」


そうつぶやくイノチの目の前で、最後に真下から顔を出した男が『Open!』と声を上げると最後の結果が示されたのだ。

あきれ顔のイノチはそれを見て驚きの表情を浮かべる。


「くっ…黒球…まさかの…『UR』…!!?」


驚きで言葉が出てこない。
しかし、胸の底から嬉しさが込み上げてくるのを感じる。


(これこれこれこれ!!足りてなかったのはこの高揚感だよ!!高レアリティを引いた時のこの心が震える感じ!!やっぱりガチャは最高だよなぁ!!)


イノチは天を仰いで大きく息を吸い込んだ。
そして、それを大きく吐き出すと、再び画面に目を向ける。

白球が並ぶ中で、ひとつだけ異彩を放っている黒い球体をニヤニヤと見るイノチ。


「『武器専用ガチャ』だからな…アレックスの時のようなこともないだろう。あとはフレデリカの専用武器だったらいいけど…」


そう独り言をつぶやきながら、『Result(結果)』と表示されている画面をタップし、9個目までの結果をイノチはスキップしていく。


「よし!じゃあ、さっそく『UR』の結果を開いてみますかね!」


手の平を擦り合わせて舌なめずりをすると、イノチは人差し指を黒球に当てた。

すると、突然先程の男が現れて黒球を空高く投げ上げた。


「げっ!また演出か…!?」


イノチはそう思ったが、結果の開示はすぐに訪れた。

投げ上げた黒球が落ちてきたかと思えば、男がそれをキャッチすると、大きなエフェクトとともに画面いっぱいに見せつけてきたのだ。

そしてそれは、予想していない種類の武器であり、イノチは感嘆の声を上げるのだった。
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