ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第三章 ランク戦開催

78話 遅ればせながら登場

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大気を震わせるほど強力な咆哮に耐え切れず、思わず耳をふさぐタケルとミコト。

そんな二人の前で、天を仰ぐ八岐大蛇の体は少しずつ変化していった。

黒く吐かれた息に包まれて8本あった首はまとまり、大きな一つの顔となる。

大きく裂けてばっくりと開いた大きな口、その中には鋭い牙がびっしり詰まっている。

巨大な体は全体的に少し細く小さくなったようにも見えるが、皮膚や鱗は黒い光沢を輝かせ、背中からは大きく禍々しい翼が生えている。

そして、ひと度その翼を羽ばたかせれば、その周りには強風が吹き荒れた。


「いったい奴に何が…!?」

「わからないよ!光の粒が降ってきたら突然…」


強い風に耐えながら、変化したその姿を見つめる二人にゆっくりと八岐大蛇が振り向いた。


《ハァハァ…なんだか清々しい気分だぜ…しかしあいつら、余計なことをしやがって。》

「あいつら…?誰のことだ!」

《お前らに言う必要はねぇよ。今から死ぬ奴らに言っても意味ねぇだろ?》


いつの間にか落ち着きを取り戻している八岐大蛇は、そう小さくつぶやいた。

しかし、タケルはその紫に塗りつぶされた瞳から今まで以上の殺気を感じ取る。


「ミコト…気をつけて。奴の雰囲気はさっきとは全然違う…」

「う…うん…」


タケルの言葉に、ミコトは持っている杖をギュッと握る。
冷や汗が背中を伝うのがわかる。

タケルに言うとおり…
八岐大蛇はさっきと全然違う…
うまくは言えないが、たぶん"あれ"はさっきよりも強い…

そして、危ない…

ミコトにもそれが直感的にわかったのだ。


《ククク…てめぇら、いろいろとやってくれたからなぁ。俺の自尊心はズタボロだ。その借りは今から返すぜ!》


八岐大蛇はそう言うと大きく翼を広げ、再び大きな咆哮をあげた。

ビリビリと大気を震わせる衝撃波のような咆哮が、タケルとミコトへと襲いかかる。

そして、そのまま翼を羽ばたかせ、大きく空へと舞い上がった。


《まずはお試しだ…》


八岐大蛇がニヤリと笑う。

そして、口を大きく開けると、何かを収束させるような高い音とともに紫色の光の球体がその口元に現れた。


《ファントム・ブレイク…》


八岐大蛇がそうつぶやいた瞬間…


「ミコト!!危ない!!」


口元の大きな球体から、小さな紫光の弾が無数に放たれた。
それらは不規則にタケルたちに襲いかかる。


「はぁぁぁ!!」


タケルはミコトの前に立ち、刀を回してそれらを弾き返していく。

その周りでは、着弾した紫光の弾が大きな音を立てて爆発し、地面を大きく抉っていった。


「ミコト!バフを頼む!」

「う…うん!大地を照らす聖なる光よ。災厄に立ち向かう勇敢なる者に、光の加護を与えたまえ…ウォール!!」


その瞬間、タケルの体が光の壁に包まれる。
それを見下ろす八岐大蛇はニヤリと笑った。


《いいねぇ…なら次はこれだ。》


口を閉じて攻撃を止めると、八岐大蛇は宙に浮いたまま紫の瞳を光らせる。

その瞬間、タケルの足元で紫の光が収束し、野球ボールほどの玉が作り出された。

そして…


「攻撃は終わりか……ん?なんだ…?」


タケルが気づいた瞬間、足元のそれが大きく弾け、轟音とともに紫色の大きな炎と爆発がタケルを包み込だのだ。


「し…しまっ…ぐぁぁぁぁ!」

「タケルくん…!!」


ミコトは驚いてタケルの元へ駆け寄ろうとするが、吹きつける爆風や飛んでくる砂や石に阻まれてしまう。

逆らうように必死に広げた手の指の間から、大きく舞い上がる砂ほこりが見えた。


「タケルくぅぅぅん!!」


ミコトの叫びが響き渡る。

ゆっくりと晴れていく砂ほこりの中にタケルの姿が見えた。

体中に火傷や擦り傷を負い、そのまま膝から崩れ落ちるタケルの元へミコトは急いで駆け寄った。


「タケルくん!しっかり…!」

「ミッ…ミコト…ハァハァ…奴の攻撃に…気をつけろ。今までとは…ハァハァ…比べものにならない…ぐはぁっ…」


膝をつき、地面に突き立てた刀でなんとか体を支えているタケルは、息も切れ切れにミコトにそう告げた。


《やるじゃねぇか!殺すつもりでやったんだがなぁ…その防御魔法もなかなかなもんだな、グハハハハハ。》

「『光の壁』が意味をなさないなんて…」


空の上で大きく笑っている八岐大蛇の言葉に、ミコトは驚きを隠せなかった。

しかし、すぐに切り替えて八岐大蛇を睨みつける。


「タケルくんは少し休んでいて…私が!」


杖を強く握りしめ、詠唱をし始めるミコト。
言葉とともに体と杖を赤く輝かせていく。


「紅き炎を司りし豪炎の主よ、その力を持って、我らに仇なすものを灰塵に帰せ!」


そして、真っ赤なオーラをまとう杖を八岐大蛇へと向け、大きく叫ぶように魔法を唱える。


「インフェルノフレア!!」


その瞬間、杖から大きな炎の渦が八岐大蛇へと放たれた。
ミコトの体よりも数倍も大きいその渦は、轟音とともに八岐大蛇めがけて駆けていく。


《さっきの魔法か…やはり、なかなかの威力だなぁ。しかし、今の俺には効かねぇよ!》


八岐大蛇は向かってくる炎を見つめながらそうつぶやくと、大きく開く口元に黒い球体を収束させた。

そして…


《ファントム・バースト!》


そう告げた瞬間、八岐大蛇の口から黒い炎のブレスが放たれる。

それは一直線にミコトの魔法とぶつかり合い、大きな衝撃波を起こして二人の中心で大きく膨れ上がった。

せめぎ合う二つの炎の渦は、あたりの草木や地面を焦がし吹き飛ばしていく。


「ぐぐぐ…」

《グハハハハハ!》


杖を構えたまま必死に耐えるミコトとは対照的に、余裕の表情を見せる八岐大蛇。

その二人の表情に比例して、少しずつミコトの炎は押し込まれていった。


《どうしたぁ?そんなもんかぁ?さっきの勢いはどこへいったのかなぁ?》


必死に耐えるミコトの姿を見て、憎たらしく笑う八岐大蛇。


「ぐぐぐぐ…うぅ…」

「ミコト…無理はしないで…」

「大丈夫…!」

「しかし…このままだと君が…」

「大丈夫だって…!!だって、このままじゃ…ハァハァ…負けちゃうんだ!そんなの…うぅ…嫌なんだよぉぉぉ!!」

「ミコト…」


必死にそう言葉を吐き出したミコト。
彼女の決意を感じ取ったタケルは、それ以上は何も言えなかった。

しかし、そんなことはお構いなしに八岐大蛇の言葉が無情にも響き渡る。


《ガァッハハハハハハ!!めんどくせぇから一気にいくぜぇぇぇ!!ハァァァァ!!》


その言葉とともに、黒い炎の勢いが突如として増し、ミコトの炎を一気に押し込んでいく。


「ミコト…あぶな…」


異変を察知したタケルは、満身創痍の体に鞭を打ってミコトに思いきり飛びついてかばう。

その瞬間、全てを飲み込んだ黒い炎がミコトがいた場所にぶつかって強大な爆風が巻き起こした。


「きゃあぁぁぁぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ!!」


辛うじて直撃を免れた二人だが、その爆発に巻き込まれて吹き飛ばされてしまう。

八岐大蛇がニヤニヤと笑みをこぼす中、爆発とともに巻き上がった砂ほこりが収まっていく。
そして、ゆっくりと視界が晴れると、そこにはブレスの威力を象徴するほど巨大な穴がぽっかりと空いていたのである。


《死んじまったかぁ?》


八岐大蛇がキョロキョロとあたりを見回していると、離れたところに倒れ込むミコトとタケルの姿が映る。


《ククク…まだ生きているとはな。まぁいいが、先に厄介な小娘を殺すか…》


ニヤリと醜悪な笑みを浮かべ、八岐大蛇はミコトの元へと降り立った。

目の前で仰向けに倒れる少女は、気を失っているようだ。 表情を歪ませつつ、小さく呻き声をあげている。


《お前の未知なる力は脅威になり得る。気を失っているのは残念だ…恐怖にひきつる顔が見れないからな。しかし、油断はできんからなぁ。》


八岐大蛇はぶつぶつと言いながら、爪を立てた腕を振り上げだ。

そして…


《んじゃあな!!》


振り下ろされた凶爪がミコトに襲いかかる。

しかし、その大きな爪がミコトの胸を貫こうと至る寸前で、彼女の胸元にある首飾りが大きく光を発したのだ。


《ぐわぁっ!なっ…なんだこの光は!》


振り下ろした爪を止め、眩しそうに目を背ける八岐大蛇。
そんな彼に対して、その光の中からある声が向けられる。


「我が娘には手出しはさせんぞ!オロチ!」

《な…!そっ…その声は…!?》


その瞬間、怯んでいた八岐大蛇の顔面に黒い拳が飛んできたのだった。
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