228 / 290
第三章 ランク戦開催
101話 幕間 〜思惑〜
しおりを挟む
「おい!聞いたか!?」
運営スタッフの一人が、食事をとっているもう一人に駆け寄ってきた。
テラスのように広がったスペース。
そこに並べられた簡易的なテーブルとイスたち。
ここはバシレイアを運営するための一画に設けられた休憩スペースである。
バシレイアは、"ウンエイ"ことヘルメスの部下たちが交代制でその運営を管理しており、交代時には皆ここでゆっくりとした時間を過ごすのだ。
ちなみに、この二人はイノチのことを初期から見守ってきた者たちである。
「あぁ、天運だろ?」
男はそううなずいて、目の前のオムライスを食べようとスプーンで人掬いする。
「もうあいつ、ヤバいを通り越してすげぇよ!」
「あむ…。たひか…UR一つに、SRを三つ…たった一回でゲットしたんだってな…んぐんぐ。」
オムライスを頬張り、満足げに咀嚼する男に対し、もう一人の男は立ったままテーブルに手をついて声を上げる。
「それだけじゃない!そのURはなんと『ハッカーの極意』らしい!!」
「ぶっ!?」
それを聞いた瞬間、男は食べていたオムライスを吹き出した。
「まっ…まじかよ!!『ハッカーの極意』って言ったら、俺らの教本と同等レベルのアイテムじゃないか!普通、ガチャ魔法の設定じゃ出ることなんてない伝説級のアイテムだぞ!?まさか、本当に引くやつがいるとは…」
「だろ。あいつのLUCK値…一体どうなってんだ、まったく。」
「し…しかしまぁ、だからこその"天運"か…。はぁ…最近は奴のことで驚いても、すぐ納得して落ち着いてしまう自分が怖い…。」
男は汚れた口を拭いながら、水が入ったコップを手に取り、そのまま、水を飲み干したところであることに気づいた。
しかし、もう一人はそれには気づいておらず、そのまま話し続ける。
「あいつだけ、引けば必ずSR以上が出てるんだ。ただ、あの世界じゃ、絶対不正はできないからな。最近じゃ、奴に対して意図的な何かが働いているんじゃないかって…そんなことを考えちまう。」
「お…おい…」
「だって、そうだろ?バシレイアは神が管理する世界だぜ?プレイヤーたちはただの人間…なのに、あいつは何度もレアなアイテムを手に入れてる。これは何かの陰謀が…」
「そ…それくらいで、や…やめとけって…!」
「いーや!俺はそこんところが知りたくて、"天運"の動向を追うことにしたんだ!まぁ、こっそりとだがな!止めないでくれよ?」
「ほう…それは熱心なことですね。」
「っ!?」
突然、後ろから見知った声が聞こえ、男の背筋が瞬時にピンと張った。
食事をしていた男も、近づいてきたヘルメスの姿を見て、すぐさまイスから立ち上がり背筋を伸ばす。
「じょ…上官…ご…ご休憩ですか?」
「ええ。少し時間が取れましたので。あなた方も休憩中ですか?」
食事をしていた男の質問にヘルメスが返す。
「は…はいっ!先ほど、勤務交代となりましたので。」
「そうですか。ゆっくり休まれてくださいね。仕事は体が資本ですから…」
ヘルメスの言葉は、本当に労っているのかわからないほど単調だった。
彼女はイスの一つにゆっくりと腰掛ける。
そして、両肘をつき、両手の指同士を合わせながら、単調なリズムでそれを繰り返した。
周りでゆっくりとしていた者たちも静まり返り、その視線をヘルメスたちに向けている。
「時に…何やら面白そうなお話をしていましたね?どうかしたのですか?」
沈黙を切り裂くようなヘルメスの言葉に、意気込んでいた男は唾を飲み込んだ。
まるで、蛇に睨まれたカエルのように、大量の汗を流して小さく震えている。
しかし、食事をしていた方の男が勇気を振り絞り、動揺しながらも口を開いた。
「じ…実は…"天運"のことを話しておりまして…」
「ほう…あのプレイヤーのことを…なかなか面白いところに目をつけたのですね。」
ヘルメスは無表情のまま、そうつぶやく。
その視線に冷や汗をかきながら、男はなおも説明を続けた。
「わ…我々も、バシレイアを長きに渡って運営管理してきた者たちです。ですから、さすがにあれだけレアリティの高いアイテムを何度も引くようなプレイヤーには興味が湧くのも必然かと…しかも、最近では『ハッカーの極意』まで引いたとか…」
男の言葉を聞いた周りの者たちに、どよめきが起きた。
近くにいる者同士で小さくやりとりを行い、あれやこれやと推測を飛ばし合っているようだ。
それだけ、『ハッカーの極意』というアイテムが重要なものだということなのだろう。
周りがざわつきを見せる中、ヘルメスと対峙する二人は冷や汗をかきながらも、彼女の様子を固唾を飲んで見守っていた。
しかし、当のヘルメスはというと、特に気にした様子もなく、小さく息を吐くと周りにも聞こえるような声で話し出した。
「彼は自らの運でそれを引いたのですよ。そこに不正も何もありません。あなた方が考えるようなこともあり得ない。それは私が保証します。」
「し…しかし、あれだけ低い排出率の中、この短期間であれほどの戦力を手に入れるというのは…」
今度はもう一人の意気込んでいた方の男が、ヘルメスの言葉に反論する。
しかし…
「私の言葉が信用できないと?」
その言葉は、全てを黙らせるのに十分な一言であった。
ーーーこれは触れてはいけないことなのだ
男たちも周りの者たちも、皆それを即座に理解したのである。
「皆さんは、バシレイアの運営担当としての本分を弁えること。それだけ理解していただければ良いのですよ。」
ヘルメスはそう言うと静かに立ち上がり、「休憩の邪魔をして申し訳ありませんでした。」と、一言だけ告げてその場を後にした。
「お前…さっき言ったことはやめとけよ?」
「あぁ…こっそり動向を、なんて言ったが、あの上官を出し抜く自信は今この瞬間に全部なくなったわ。」
二人は互いに視線を合わせることなく、去っていくヘルメスの背中を見つめていた。
一方で、ヘルメス自身も本当は少し動揺していた。
それを態度には出さず、乱れつつあった部下たちの統制を見事に整え直した彼女は、さすがと言うべきだろう。
そんな彼女の中にある懸念は、先ほど話題に上がった『ハッカーの極意』のことではなく…
(まったく…ゼウスさまは何をお考えなのでしょう。いちプレイヤーごときに『Special Athy code』を付与するなんて。)
そう…彼女の懸念はイノチが手にした『Special Athy code(※※※※)』についてであったのだ。
(このことがバレでもすれば、私だけでなくご自分の立場も危うくなると言うのに…)
ヘルメスはそんなことを頭の中で巡らせながら、通路を早足で駆け抜けていく。
(まぁ…その辺りは、私に"うまく立ち回れ"と言うことなのでしょう。幸い、あれの使い方はまだ彼には伝わっていないですし…)
小さくため息をつくヘルメス。
しかし、次の瞬間にはその顔に愉悦の笑みが浮かんでいた。
(まずは当面のリシア…ランク戦前の生誕祭で彼らには退場してもらいましょう。フフフ…)
まもなく、イノチたちのリシアでの作戦が始まる。
運営スタッフの一人が、食事をとっているもう一人に駆け寄ってきた。
テラスのように広がったスペース。
そこに並べられた簡易的なテーブルとイスたち。
ここはバシレイアを運営するための一画に設けられた休憩スペースである。
バシレイアは、"ウンエイ"ことヘルメスの部下たちが交代制でその運営を管理しており、交代時には皆ここでゆっくりとした時間を過ごすのだ。
ちなみに、この二人はイノチのことを初期から見守ってきた者たちである。
「あぁ、天運だろ?」
男はそううなずいて、目の前のオムライスを食べようとスプーンで人掬いする。
「もうあいつ、ヤバいを通り越してすげぇよ!」
「あむ…。たひか…UR一つに、SRを三つ…たった一回でゲットしたんだってな…んぐんぐ。」
オムライスを頬張り、満足げに咀嚼する男に対し、もう一人の男は立ったままテーブルに手をついて声を上げる。
「それだけじゃない!そのURはなんと『ハッカーの極意』らしい!!」
「ぶっ!?」
それを聞いた瞬間、男は食べていたオムライスを吹き出した。
「まっ…まじかよ!!『ハッカーの極意』って言ったら、俺らの教本と同等レベルのアイテムじゃないか!普通、ガチャ魔法の設定じゃ出ることなんてない伝説級のアイテムだぞ!?まさか、本当に引くやつがいるとは…」
「だろ。あいつのLUCK値…一体どうなってんだ、まったく。」
「し…しかしまぁ、だからこその"天運"か…。はぁ…最近は奴のことで驚いても、すぐ納得して落ち着いてしまう自分が怖い…。」
男は汚れた口を拭いながら、水が入ったコップを手に取り、そのまま、水を飲み干したところであることに気づいた。
しかし、もう一人はそれには気づいておらず、そのまま話し続ける。
「あいつだけ、引けば必ずSR以上が出てるんだ。ただ、あの世界じゃ、絶対不正はできないからな。最近じゃ、奴に対して意図的な何かが働いているんじゃないかって…そんなことを考えちまう。」
「お…おい…」
「だって、そうだろ?バシレイアは神が管理する世界だぜ?プレイヤーたちはただの人間…なのに、あいつは何度もレアなアイテムを手に入れてる。これは何かの陰謀が…」
「そ…それくらいで、や…やめとけって…!」
「いーや!俺はそこんところが知りたくて、"天運"の動向を追うことにしたんだ!まぁ、こっそりとだがな!止めないでくれよ?」
「ほう…それは熱心なことですね。」
「っ!?」
突然、後ろから見知った声が聞こえ、男の背筋が瞬時にピンと張った。
食事をしていた男も、近づいてきたヘルメスの姿を見て、すぐさまイスから立ち上がり背筋を伸ばす。
「じょ…上官…ご…ご休憩ですか?」
「ええ。少し時間が取れましたので。あなた方も休憩中ですか?」
食事をしていた男の質問にヘルメスが返す。
「は…はいっ!先ほど、勤務交代となりましたので。」
「そうですか。ゆっくり休まれてくださいね。仕事は体が資本ですから…」
ヘルメスの言葉は、本当に労っているのかわからないほど単調だった。
彼女はイスの一つにゆっくりと腰掛ける。
そして、両肘をつき、両手の指同士を合わせながら、単調なリズムでそれを繰り返した。
周りでゆっくりとしていた者たちも静まり返り、その視線をヘルメスたちに向けている。
「時に…何やら面白そうなお話をしていましたね?どうかしたのですか?」
沈黙を切り裂くようなヘルメスの言葉に、意気込んでいた男は唾を飲み込んだ。
まるで、蛇に睨まれたカエルのように、大量の汗を流して小さく震えている。
しかし、食事をしていた方の男が勇気を振り絞り、動揺しながらも口を開いた。
「じ…実は…"天運"のことを話しておりまして…」
「ほう…あのプレイヤーのことを…なかなか面白いところに目をつけたのですね。」
ヘルメスは無表情のまま、そうつぶやく。
その視線に冷や汗をかきながら、男はなおも説明を続けた。
「わ…我々も、バシレイアを長きに渡って運営管理してきた者たちです。ですから、さすがにあれだけレアリティの高いアイテムを何度も引くようなプレイヤーには興味が湧くのも必然かと…しかも、最近では『ハッカーの極意』まで引いたとか…」
男の言葉を聞いた周りの者たちに、どよめきが起きた。
近くにいる者同士で小さくやりとりを行い、あれやこれやと推測を飛ばし合っているようだ。
それだけ、『ハッカーの極意』というアイテムが重要なものだということなのだろう。
周りがざわつきを見せる中、ヘルメスと対峙する二人は冷や汗をかきながらも、彼女の様子を固唾を飲んで見守っていた。
しかし、当のヘルメスはというと、特に気にした様子もなく、小さく息を吐くと周りにも聞こえるような声で話し出した。
「彼は自らの運でそれを引いたのですよ。そこに不正も何もありません。あなた方が考えるようなこともあり得ない。それは私が保証します。」
「し…しかし、あれだけ低い排出率の中、この短期間であれほどの戦力を手に入れるというのは…」
今度はもう一人の意気込んでいた方の男が、ヘルメスの言葉に反論する。
しかし…
「私の言葉が信用できないと?」
その言葉は、全てを黙らせるのに十分な一言であった。
ーーーこれは触れてはいけないことなのだ
男たちも周りの者たちも、皆それを即座に理解したのである。
「皆さんは、バシレイアの運営担当としての本分を弁えること。それだけ理解していただければ良いのですよ。」
ヘルメスはそう言うと静かに立ち上がり、「休憩の邪魔をして申し訳ありませんでした。」と、一言だけ告げてその場を後にした。
「お前…さっき言ったことはやめとけよ?」
「あぁ…こっそり動向を、なんて言ったが、あの上官を出し抜く自信は今この瞬間に全部なくなったわ。」
二人は互いに視線を合わせることなく、去っていくヘルメスの背中を見つめていた。
一方で、ヘルメス自身も本当は少し動揺していた。
それを態度には出さず、乱れつつあった部下たちの統制を見事に整え直した彼女は、さすがと言うべきだろう。
そんな彼女の中にある懸念は、先ほど話題に上がった『ハッカーの極意』のことではなく…
(まったく…ゼウスさまは何をお考えなのでしょう。いちプレイヤーごときに『Special Athy code』を付与するなんて。)
そう…彼女の懸念はイノチが手にした『Special Athy code(※※※※)』についてであったのだ。
(このことがバレでもすれば、私だけでなくご自分の立場も危うくなると言うのに…)
ヘルメスはそんなことを頭の中で巡らせながら、通路を早足で駆け抜けていく。
(まぁ…その辺りは、私に"うまく立ち回れ"と言うことなのでしょう。幸い、あれの使い方はまだ彼には伝わっていないですし…)
小さくため息をつくヘルメス。
しかし、次の瞬間にはその顔に愉悦の笑みが浮かんでいた。
(まずは当面のリシア…ランク戦前の生誕祭で彼らには退場してもらいましょう。フフフ…)
まもなく、イノチたちのリシアでの作戦が始まる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強スライムはぺットであって従魔ではない。ご主人様に仇なす奴は万死に値する。
棚から現ナマ
ファンタジー
スーはペットとして飼われているレベル2のスライムだ。この世界のスライムはレベル2までしか存在しない。それなのにスーは偶然にもワイバーンを食べてレベルアップをしてしまう。スーはこの世界で唯一のレベル2を超えた存在となり、スライムではあり得ない能力を身に付けてしまう。体力や攻撃力は勿論、知能も高くなった。だから自我やプライドも出てきたのだが、自分がペットだということを嫌がるどころか誇りとしている。なんならご主人様LOVEが加速してしまった。そんなスーを飼っているティナは、ひょんなことから王立魔法学園に入学することになってしまう。『違いますっ。私は学園に入学するために来たんじゃありません。下働きとして働くために来たんです!』『はぁ? 俺が従魔だってぇ、馬鹿にするなっ! 俺はご主人様に愛されているペットなんだっ。そこいらの野良と一緒にするんじゃねぇ!』最高レベルのテイマーだと勘違いされてしまうティナと、自分の持てる全ての能力をもって、大好きなご主人様のために頑張る最強スライムスーの物語。他サイトにも投稿しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる