ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第四章 全ての想いの行く末

53話 やりたいこと

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「あんたらの一族って、神と手を組んでんの?」


冷たい声が耳元で聞こえ、アルスは背筋に悪寒を感じた。そして、いつの間にか自分の後ろにいるイノチから、慌てて距離を取る。


「お前…今の動きは…」


離れたところに立ち、イノチへ視線を向けるが…
止まらない冷や汗とざわつく肌。初めて…いや、神を名乗る彼らと相対した時以来の感覚に、アルスは目の前の男の力を測り兼ねていた。

ーーー突然消えて、突然現れた…?僕ですら視認できないスピードで…?

イノチの、あり得るはずのない動きに驚きを隠せないアルス。そんな彼に対して、イノチはゆっくりと振り向いてこう告げる。


「で…どうなの?あんたたちってさ、神さまと何か関係があるわけ?」

「そ…それを、お…お前に…話す必要はない…」


その言葉に、イノチは「ふ~ん…」とだけ呟いた。が…


「別に俺にはどっちでもいいんだけどね。あんたたちが神と繋がってようが繋がってまいが…」

「なっ!?」


イノチは再びアルスの後ろに立ち、小さくボソリとそう告げる。それに驚いて振り向くアルスだが、すでにイノチの姿はそこになく、再び声が後ろから聞こえてきてビクリと体が反応した。


「俺は…ムカついてるんだよ。神だか何だか知らないけど、自分たちの好き勝手しやがってさ。俺らのことを駒みたいに使ってるのも気に食わない…」


ゆっくりとそう話すイノチに、アルスは恐る恐る振り返る。なぜ捉えることができないのか…すでにアルスの中でイノチに対する恐怖が生まれていた。


「お前は…本当に何者なんだ…。人間に…何でそんな動きができる!」

「だから、それを話す気はないって言っただろ。それよりもさ、その部屋にエレナがいるんだよな。そろそろ俺の仲間を返してもらってもいいか?」


あるドアを指差しながらそう告げるイノチの表情が、突然険しくなり、その視線にアルスは後ずさる。


「俺はさ、あんたらも気にいらないんだよ。家族を…妹をなんだと思ってるんだ。物みたいに扱いやがって…一族のためとか、本当にくだらない…お前も、エレナの父親も…エレナの家族失格だよ…。」


イノチはそう吐き捨てるように告げた。頭には再び自分の妹の顔が浮かんでいる。だが、アルスもそこまで言われて黙ってはいなかった。恐怖の中に感じた怒りに声を上げる。


「言わせておけば…僕らにも僕らなりの生き方があるんだ!それをお前に否定される筋合いはない!こっちだって、いきなり妹を連れ去られたんだ!黙っているはずがないだろう!」

「確かにそうだな。俺があんたらを否定するのは筋違いかもしれないな…」


怒るアルスに対してイノチはフッと鼻で笑い、「全部奴らの仕業なんだけどね…」と、アルスには聞こえないくらい小さな声で呟いた。

アルス自身、イノチが何かを呟いたことには気づいたが、なんと言ったかはわからず、唇の動きを思い出して確認しようとするが、イノチの言葉に遮られてしまう。


「世の中ってのはさぁ、力ある者が全てを決めるんだよなぁ。この世界に来て、俺は改めてそれを実感したよ。あんたらだって、暗殺一家としてずっとそうしてきたんだろ?力を持つ者として、好きなようにやってきた訳だ。」

「違う…我がランドール家はノルデン国の繁栄のために尽くして…!決して好き勝手してきた訳では…」

「ランドール家…確か"暗殺を生業とする一族"で、主に国の不利益となる要素を排除する目的で"暗殺"という手段を使い、国に忠義を尽くしてきた一族…だったかな。だが、根本的な目的は一族の繁栄だろ?だって、暗殺に関する依頼は国だけじゃなく、自国の公爵家から他国の貴族などさまざまな範囲に渡り、その名を世界中に知らしめている訳だし…」


イノチはランドール家に関する知識を淡々と告げていく。


「あんたらは国に仕える一族ではあるが、あくまでも"暗殺者"であって正義ではない。国の繁栄という大義名分を利用して、その力を奮い、世の中のルールを作ってきた訳だ…違うか?」

「ルールを作るなど…我らはそんな傲慢な一族ではない!あくまでも国のために尽くす!それが信条なんだ!」

「だけど、裏では神と繋がってんじゃん。周りにはそれを黙っているんだろ?」


その指摘には、アルスも言葉を詰まらせた。神との繋がりはランドール家の裏の歴史だ。他の誰にも知られてはいない…いや、知られてはならない秘密の歴史。この世界の人間にこの事を知る術はないはずなのに…。

アルスが得体の知れない恐怖をイノチに感じていると、イノチは楽しげに笑いながらこう告げた。


「まっ、あんたにこんな事話しても無駄なことはわかってるんだ。だからこの話は終わりにしよう。そろそろエレナを返してもらわないと…あまり時間もないし。」

「時間…がない?それはどういう…」


その瞬間、アルスは気づいた。今まで手に持っていた得物が無くなっていることに…


(な…なんだと?僕の…僕の武器がない…!?)


焦りながらも、手元からイノチヘと目を向ければ、手に取った武器を細部まで観察するように眺めている彼の姿がある。


「こんな重いもの、よく振れるよな…」

「お前…!いつの間に…!!」


驚くアルスに対して、イノチはその武器の観察を終えると、適当な方向へそれを投げ捨てた。カランッと金属音が響く中、アルスに向けて再び視線を向け、静かにこう告げる。


「俺はこれから、この世界を生きやすい世界に変えるために行動する。」

「世界を…変える?お前は…いったい何を言っているんだ。」


訳がわからずにそう問いかけるアルスに、イノチは肩をすくめた。


「まぁ理解はできないと思うよ。…そろそろ、あんたの親父さんも俺の仲間が倒してる頃だ。あとは来るならそろそろだろうけど…」

「なっ!どういう意味だ?!父が…やられるわけ…それに来るって…いったい誰が来るんだ!」


イノチはアルスの問いに何も言及はしなかった。その代わりに、右手のハンドコントローラーをカタカタと動かしながら、今なおいじけているウォタをチラリと見る。


(くそ…!奴は何をしているんだ…あんな武器見たことがない。奴の能力がわからない以上、仕掛けるのは無謀だ…だが、エレナは僕が守らなきゃ…!エレナは…妹だけは…!)


そう思い、意を決してイノチヘ飛びかかろうとしたその時、屋敷の西側から大きな爆発音が轟いた。


「なっ…なんだ!?」


地響きに大きく揺れる建物。
アルスは予想していなかった事態に驚きを隠せずにいるが、目の前の男はこれを予想していたのか、冷静に何かを考えているようだ。

そして、「やっぱ、あっちに来たか…」と小さく呟くと、細やかに動かしていた右手の指を止め、一つのボタンをタンッと打つ。

その瞬間…


「カッコよくてめちゃくちゃ強いウォタさん!出番ですよ!!お前が大好きなクライマックスにカッコよく登場ってやつが待ってるぞ!」


イノチがそう告げると、隅の方でいじけていた青い長髪の男が突然むくりと立ち上がり、嬉しそうな笑みを浮かべて駆け寄ってきたのだ。


「どこだ、イノチ!我に相応しいカッコいい登場の場と言うのは!」


今までいじけていたのは何だったのか。そう思わせるほどの豹変ぶりだが、イノチは気にすることなく爆発音のした西側を指差して「あっち。」と告げる。


「クハハハハ!ついに我の出番だな!イノチ、ここはお前に任せるぞ!」


ウォタは嬉しそうにそう告げると、近くの窓から飛び出して行ってしまった。それを手を振って見送るイノチに対して、アルスは問いかける。


「い…いったい…何が起きてるんだ!お前たちは何がしたいんだ!」


イノチはその問いに笑う。


「何って…今から神様たちをぶっ飛ばすんだよ。」
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