ガチャガチャガチャ 〜職業「システムエンジニア」の僕は、ガチャで集めた仲間とガチャガチャやっていきます〜

noah太郎

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第四章 全ての想いの行く末

58話 エレナ+いじる=?

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「イノチよ!!なんであそこで止めるのだ!あれを受け切ってこそ、カッコいい竜種たる所以…みたいに締めくくるつもりだったのだぞ!」


ウォタは、せっかく良いところだったのに台無しにされたと喚いているが、イノチはそれに怒っている。


「あほか!!あんなん食らったら、お前死ぬわ!!!!!」


恨めしそうな視線を向けるウォタに対して、イノチは「せっかく生き返ったのに…これだから戦闘狂は…」などと、ブツクサと文句をこぼしている。

それを側から見ていたヴェーは、何が起きているのかすでに理解ができなかった。横にいるヴィリも、口をあんぐりと開けたまま驚きを隠さずにいるようだ。

オーディンだけが、表情を変えずにジッと一人の男を見据えているようだ。
その視線の先…仲間たちに囲まれて、笑い合っているイノチの姿を。

ふと、オーディンが口を開いた。


「今のを止めたのは…お前か?」


その言葉にイノチが振り向く。


「そうだ、と言ったら…?」


挑発か…探り合いか…その真意はわからないが、イノチの発言に対して、ヴェーが声を上げた。


「お前…!兄様の質問に…答えろ…失礼…だ!」


ヴィリも怒った表情を浮かべているが、イノチの方も黙ってはいない。


「いやいや…!失礼だと?何言ってんだよ!お前らだっていきなり襲ってきたんじゃないか!お互い様だし、俺は仲間を守っただけ…それに、得体の知れないやつに手の内なんか見せるわけないだろ!」

「言わせて…おけば…!我らを…なんだと心得る!」

「知らねぇし!たとえ神様だって言われても、もう何にも驚かねぇよ!」

「くっ…貴様…!」


だが、今にも飛び出しそうなヴェーを止めたのは、オーディンであった。前を向いたまま、手を差し出してヴェーの行く手を遮ったのだ。


「兄様…」

「よい…お前たちでは、奴には敵うまい。」


その言葉に二人は絶句した。
だが、冷静に考えてみれば、オーディンが本気でなかったとしても、あの人間はその攻撃を防いだのだ。しかも、おそらくは神の権限を使って、だ。

奴が開いているシステム画面がその証拠だ。

ヴェーがそれを伝えようとしたが、オーディンはわかっていると言うように振り向くことなく頷くと、その人間に問いかける。


「お前…その力をどこで?」


その言葉に、イノチは訝しげな顔を向けた。


「あん?どこでって…あんたら、知ってんじゃねぇの?」


意味深げに問い返すイノチに対して、オーディンは首を横に振る。それを見てイノチはため息をつくと、徐に話し始めた。


「あんたらが作ったガチャ魔法だよ。これで手に入れたんだ。これでいいか?」

「ガチャか…なるほどな。しかし、そこまで権限があるアイテムなど…一覧にあったか?」


オーディンはそうヴェーへ問いかけたが、彼女は首を横に振る。


「そんなもの…プレイヤーには…出さない…。あいつがなぜ持ってるか…不明…」


オーディンはその言葉に頷くと、再びイノチへと向き直った。


「…と言うことだが、本当にガチャ魔法で手に入れたのだな?」

「だからそう言っただろ?嘘なんかつかないさ。」


その言葉を聞いたオーディンは、小さく「ゼウスめ…」と呟いた。

だがここで、その問答に我慢ができない者が一人いた。


「あんた…さっきから偉そうなんですけど、一体何様なわけ!?」


ダガーの切っ先を向けて、オーディンに対してそう告げるのはエレナだ。その顔には苛立ちが募っているが、それを見たイノチは、完全に長い話に飽きたんだなと呆れてしまう。

反対に、オーディンに向かってそんな態度を取られたヴェーとヴィリは、完全に怒りを露わにした。


「おいおい!さっきから聞いてれば調子に乗りやがって!」

「お前たち…そろそろ…いい加減に…しろ。」


だが、イノチサイドも負けてはいない。
フレデリカやアレックスも参戦し、殺気を交えて言い返す。


「エレナの言う通りですわ。いきなり攻撃してきたのはそちらでしょう。お宅ら、まずは何者なのか名乗っては?」

「そうだよぉ♪ミコトさんにも謝れぇ♪」


イノチとオーディンはそうでもないが、周りの者たちが盛り上がっているこの状況で、笑っているのはウォタ一人だ。


「クハハハハ!お前たち、威勢が良くなったではないか!それでこそ、イノチの仲間である!御方たちよ、どうです?一つ、こやつらと手合わせしてみては…それとも、やめておきますかな?」


ウォタはそう言うと、笑みに鋭さを加えた。その問いかけに、オーディンは少し悩んだようだが、エレナを指差してこう告げる。


「女…お前の相手をしてやろう。」

「あ…兄貴…!?マジかよ…」

「そうです…兄様が…竜種ならまだしも…人間…などど…」


ヴェーもヴィリも兄の言葉に狼狽しているが、オーディンはどこか楽しげに見えた。


「あたしがご指名な訳ね!いいわよね、BOSS?」


そう問いながらも、すでにやる気満々のエレナ。
イノチは「はいはい、どうぞ。」と、あまり心配する様子もなく、ため息をつきながらそれに承諾した。

フレデリカとアレックスは少し不満げだったが、「攫われたエレナに花を持たせてあげますですわ。」とアレックスと頷いている。

そんな中、両手でダガーを回しながら前へと歩み出すエレナを見て、オーディンは口を開く。


「あの中では…お前が一番強いのか…どうなっているのだ。」

「お目が高いことね!今のあたしはウォタも超えてるって感じなの!痛い目見せてあげるわ!」


今度はそれを聞いたウォタが、後ろでイノチに駆け寄った。
「あれは本当か?!」とイノチの胸ぐらを掴んで振り回しているが、答えることなく、イノチ自身は達観した顔を浮かべて、ウォタにされるがままとなっている。

そんな戯れに気を取られることなく、エレナは2本のダガーを構えた。オーディンは、相変わらず無防備な体勢で真っ直ぐと立っている。

次の瞬間、エレナの姿が消えた。
開始の合図すらない奇襲攻撃だが、オーディンもそれに反応している。

突如、自身の右側に現れたエレナに対して、振り向くことなく右手だけを向けてオーラを放ったのだ。

だが、オーディンがその手応えのなさに疑問を浮かべ、右側に顔を向けた瞬間、反対側からエレナが現れて、オーディンへとダガーを振り抜いた。

それをしゃがんでかわしたオーディンは、真上にいるエレナに対して垂直に蹴りを放つ。だが、エレナはその蹴りを空中での前転でいなすと、蹴り上げられたオーディンの脚をタンッと踏みつけ、前方に飛び退ける。

そして、着地と同時にスキルを発動。
エレナが「影縫い…!」と叫んだ瞬間、オーディンの体を5度の斬撃が襲った。

が、オーディンはこれに反応しており、どこから出したのかわからないが、片手に携えた剣でその斬撃を全ていなしてしまう。

だが、斬撃と共に駆け抜けたエレナは、オーディンの動きに動揺することなく、楽しげに笑って再び飛びかかった。


「イノチ…あれは本当にエレナか?あの方と…あれだけの戦いを繰り広げるとは…」


ウォタが唖然とし、そうイノチに問いかける様子を見て、周りのメンバーも、エレナの強さの異常さに気づいたようだ。


「あ…うん、一応…エレナだよ。」

「なんだ!その一応というのは!お主、エレナに何をしたんだ?オーディン様と互角に戦えるのはあり得んぞ!?」

「あいつ、オーディンっていうの?てことは、北欧神話の方かよ…ギリシャ神話に古事記にエジプト神話…。世界中の神様が相手ってわけか…マジで勘弁だな。」


質問に答えず、ブツブツと独り言を呟くイノチに対して、ウォタが声を荒げる。


「一人でブツブツと…さっさとエレナに何をしたのか説明せんか!!」


すると、イノチはそれに気づいて「ごめんごめん。」と頭を掻いて苦笑いし、誰もが驚くべきことを言い放ったのだ。


「エレナの種族…『神様』にしちゃったんだよね。」
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