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わたし、乙女ゲームのヒロインなの!
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わたし。
わたしが選んだんだ。こちら側を。
あの時、ただ好奇心に動かされるままに。
あの手を離しちゃった。
隣に居られなくしたの、わたし自身だ。
◇
「わたし、乙女ゲームのヒロインなの!
昨日思い出したんだ~」
目の前のピンク頭がなんか言った。
頭の中がピンクじゃなくて、……ピンクかもしれないけど、まあ色がピンク。
で、なんて言ったっけ、ワタシオトメゲームノヒロインナノ。
ゲーム……なんか新しい遊戯盤でたのか?
ワタシオトメ、ゲーム。
綿? 塩?
駄目だわからん。
「はあ。で?」
「でね、もうすぐ男爵さまの執事さんが来て、
わたしを娘だってつれてくの!」
執事の娘だったのかこいつ。
執事ってもなあ。平民と変わらなくねえか。
ガキの頃から頭おかしかったけど、成長しねえな。
「執事の娘になってどうすんの?」
「え!? 執事さんの娘になるの?」
「いや、お前が言ったんじゃん」
剥き終わったミッカンを一粒口に入れてやる。
うまそうに食うなあ。
俺も一房食べる。
甘い。よく出来てる。
ミッカンの出来良し。出荷までにもう少し甘くなりそうだ。
「クロー、わたし、学園でお金持ちの人と仲良くなって、絶対幸せな結婚するよ」
……学園。
「その学園って何歳まで通うんだ?」
「? 知らない。貴族さんたちがお外に出るの何歳かクロー知ってる?」
「俺が知ってるわけないから聞いてんの」
口の端についた汁を拭ってやりながら、
もう一房を口に入れてやる。
小さい口がモゴモゴしてる。ちょっと粒が大きかったか。俺が食えば良かったな。
手に残ってる粒を選り分けて、大きいものを先に食べることにした。
「ニーナが学園に通うとするじゃん? 何を学ぶんだ?」
ニーナがまた首を傾げる。
髪が地面につかないようにおさげを背中から肩のほうにかけてやる。
ピンク色の髪はやっぱり珍しいよな。
こいつの頭で学園でやっていけるかどうか知らないけど、見そめられる確率は高いかもしれない。
「お行儀作法かな! お茶会とかするかも!」
「ふーん。ほら、コー茶ならここにある」
謎技術で作られてる水筒から、温かい紅い色のお茶を入れて渡す。
このお茶好きだよなこいつ。
渋くて俺は好きじゃない。砂糖入れてるけど飲めない。むしろ砂糖入れないほうがマシ。
「お行儀作法なあ。ニーナはそれ習いたいのか?」
それより今から身につくのか?
目の前の収穫籠からミッカンを選別機にかけていく。
この国、謎技術多いんだよな。
売ってたからって親が買ったこの機械もどういう理屈で選り分けてるのか俺にはさっぱりわからん。
でもちゃんと分けられてる。ほんとに謎。
100年前ぐらいに何か革新があったらしい。
見るからに傷がついてるのはジャム加工するから無駄にならない。
皮も家畜の餌に回せる。
こういうのを考えた人は天才なんだろうな。
俺だったら捨ててる。
「うーん、でもわたしヒロインだし、身に付けないといじめられるよね。でも難しいの苦手だな」
「は? いじめられるのに学園行くのか?」
ニーナはカゴの前でしゃがんだままだ。
選別が終わったミッカンのカゴを荷台に運ぶ。
ジャム用のほうだ。
カゴ四つ分になった。そこそこあるな。
先に工場に運んでしまおう。
「ニーナ、こっち。工場持って行くから、手伝って」
「うん! 今日はジャムが先なの?」
「あっちのミッカン、もうあと一日置いたら良さそうだから明日出荷する」
「美味しかったよ~。ミカン大好き」
ミッカンなのに、ニーナはミカンと呼ぶ。
まあ意味はわかるし呼び方は自由か。
「学園、行かなきゃ駄目かなあ。貴族さん怖そうだよね」
荷台からニーナの呟きが聞こえた。
「ニーナがさ、執事の娘になるとかそういうの、全部嫌って言ったらどうなるんだろうな」
素朴な疑問。
「あー、執事さんじゃないよー。男爵さんの娘!」
「えー、ニーナが男爵令嬢? じゃあ嫌だとか言えないな。逆らったらどうなるか」
男爵と平民の差は天地ほどある。
男爵となると資産は平民の30倍という。
うちみたいな売れてるミッカン農家はまだ裕福な部類だ。
それでも足元にも及ばない。
足元の蟻ぐらいだろうか。
羽振りの良い商人が準男爵になれたとして、爵位を維持するのは相当大変らしい。
そこまでいくと想像すら出来ないな。
「え、拒否しちゃ駄目なの?」
びっくりした声。ニーナの顔は見えない。
水色の瞳は何を見てるんだろう。
荷物を運ぶ荷台を付けてるゲンチャーリーは一人乗りだ。
そんなに速度は出ない。
荷台外せば乗せてやれるけど、そうすると荷物運べないからニーナは荷台に乗る。
荷台のニーナが転がらないようにゆっくり進んでるとはいえ、よそ見運転は危険だ。
工場はそれほど遠くない。慎重に進む。
「男爵様なんて、俺らから見たらすげえ、上の人だろ。
嫌ですなんて通じないぞ。平民は貴族に声なんて掛けられない。
ニーナが男爵令嬢になったら⋯⋯ここにも来れないな」
例え来ることが出来ても、言葉なんて交わせない。
身分制度ってそういうもんだろ。
「え、やだ。クローとなんで話せないの?」
ゆったり停車する。
ゲンチャーリーの駆動を止めて、ニーナの顔を見る。
やっと見られたのに、眉が下がってる。
眉間を揉んでやる。ちょっとマシになったか。
荷台のカゴを下ろす前にニーナの手を引く。
「身分ってそんなもんだよ。貴族さんはさ、平民のことなんて知らない。
その辺の石ころと変わらない」
「同じ人間なのに?」
「人間なのが同じなだけで、他は同じじゃないみたいだな」
ニーナのエプロンドレスについている葉っぱを取る。
さっきしゃがんでたから結構付いてた。
ニーナが幸せになれるなら、学園とやらに通って見初められるのも良いんだろう。
こいつ頭おかしいから、金があれば誤魔化せるかもしれん。
いや、でも19歳って、貴族からしたらどうなんだ?
年齢詐称もお手のものなのか?
貴族の娘は十四歳とかそのぐらいで婚約も珍しくないって、
仕入れにくる商人から聞いたことあるけど。
カゴを両手で持って工場の扉の前に立つと、ニーナが扉を開けながら中に声を掛ける。
「こんにちはー! こーじょーちょー!ミッカン持ってきましたあ」
奥から返事が返ってくる。
「あいよー。いつもありがとねえ」
作業着に黒いエプロンを付けたおばさんがのんびり歩いてくる。
「ホーゾンさん、こんにちは。今日は四カゴです」
一つ目のカゴを下ろす。
ポケットの伝票をニーナに渡して、残りのカゴを取りに行く。
「いいね、ミッカンは人気だからなんぼあってもいいよ」
ホーゾンさんは上機嫌でニーナと伝票の確認をしている。
「あんたたちいつ結婚するんだい? 」
「ええ? わたしは学園に行って……「ニーナ、悪い扉閉めて。虫入りそう」
「わ! 大変、すぐ閉めるね」
ホーゾンさんが可哀想なものを見るような目でこっちを見てくる。
やめてくれませんかね。
「ホーゾンさん、明日は来れないんで、また二日後に次の収穫分持ってきます」
「クロー。あんた苦労するね」
頼むからそれ以上言わないでくれ。
わたしが選んだんだ。こちら側を。
あの時、ただ好奇心に動かされるままに。
あの手を離しちゃった。
隣に居られなくしたの、わたし自身だ。
◇
「わたし、乙女ゲームのヒロインなの!
昨日思い出したんだ~」
目の前のピンク頭がなんか言った。
頭の中がピンクじゃなくて、……ピンクかもしれないけど、まあ色がピンク。
で、なんて言ったっけ、ワタシオトメゲームノヒロインナノ。
ゲーム……なんか新しい遊戯盤でたのか?
ワタシオトメ、ゲーム。
綿? 塩?
駄目だわからん。
「はあ。で?」
「でね、もうすぐ男爵さまの執事さんが来て、
わたしを娘だってつれてくの!」
執事の娘だったのかこいつ。
執事ってもなあ。平民と変わらなくねえか。
ガキの頃から頭おかしかったけど、成長しねえな。
「執事の娘になってどうすんの?」
「え!? 執事さんの娘になるの?」
「いや、お前が言ったんじゃん」
剥き終わったミッカンを一粒口に入れてやる。
うまそうに食うなあ。
俺も一房食べる。
甘い。よく出来てる。
ミッカンの出来良し。出荷までにもう少し甘くなりそうだ。
「クロー、わたし、学園でお金持ちの人と仲良くなって、絶対幸せな結婚するよ」
……学園。
「その学園って何歳まで通うんだ?」
「? 知らない。貴族さんたちがお外に出るの何歳かクロー知ってる?」
「俺が知ってるわけないから聞いてんの」
口の端についた汁を拭ってやりながら、
もう一房を口に入れてやる。
小さい口がモゴモゴしてる。ちょっと粒が大きかったか。俺が食えば良かったな。
手に残ってる粒を選り分けて、大きいものを先に食べることにした。
「ニーナが学園に通うとするじゃん? 何を学ぶんだ?」
ニーナがまた首を傾げる。
髪が地面につかないようにおさげを背中から肩のほうにかけてやる。
ピンク色の髪はやっぱり珍しいよな。
こいつの頭で学園でやっていけるかどうか知らないけど、見そめられる確率は高いかもしれない。
「お行儀作法かな! お茶会とかするかも!」
「ふーん。ほら、コー茶ならここにある」
謎技術で作られてる水筒から、温かい紅い色のお茶を入れて渡す。
このお茶好きだよなこいつ。
渋くて俺は好きじゃない。砂糖入れてるけど飲めない。むしろ砂糖入れないほうがマシ。
「お行儀作法なあ。ニーナはそれ習いたいのか?」
それより今から身につくのか?
目の前の収穫籠からミッカンを選別機にかけていく。
この国、謎技術多いんだよな。
売ってたからって親が買ったこの機械もどういう理屈で選り分けてるのか俺にはさっぱりわからん。
でもちゃんと分けられてる。ほんとに謎。
100年前ぐらいに何か革新があったらしい。
見るからに傷がついてるのはジャム加工するから無駄にならない。
皮も家畜の餌に回せる。
こういうのを考えた人は天才なんだろうな。
俺だったら捨ててる。
「うーん、でもわたしヒロインだし、身に付けないといじめられるよね。でも難しいの苦手だな」
「は? いじめられるのに学園行くのか?」
ニーナはカゴの前でしゃがんだままだ。
選別が終わったミッカンのカゴを荷台に運ぶ。
ジャム用のほうだ。
カゴ四つ分になった。そこそこあるな。
先に工場に運んでしまおう。
「ニーナ、こっち。工場持って行くから、手伝って」
「うん! 今日はジャムが先なの?」
「あっちのミッカン、もうあと一日置いたら良さそうだから明日出荷する」
「美味しかったよ~。ミカン大好き」
ミッカンなのに、ニーナはミカンと呼ぶ。
まあ意味はわかるし呼び方は自由か。
「学園、行かなきゃ駄目かなあ。貴族さん怖そうだよね」
荷台からニーナの呟きが聞こえた。
「ニーナがさ、執事の娘になるとかそういうの、全部嫌って言ったらどうなるんだろうな」
素朴な疑問。
「あー、執事さんじゃないよー。男爵さんの娘!」
「えー、ニーナが男爵令嬢? じゃあ嫌だとか言えないな。逆らったらどうなるか」
男爵と平民の差は天地ほどある。
男爵となると資産は平民の30倍という。
うちみたいな売れてるミッカン農家はまだ裕福な部類だ。
それでも足元にも及ばない。
足元の蟻ぐらいだろうか。
羽振りの良い商人が準男爵になれたとして、爵位を維持するのは相当大変らしい。
そこまでいくと想像すら出来ないな。
「え、拒否しちゃ駄目なの?」
びっくりした声。ニーナの顔は見えない。
水色の瞳は何を見てるんだろう。
荷物を運ぶ荷台を付けてるゲンチャーリーは一人乗りだ。
そんなに速度は出ない。
荷台外せば乗せてやれるけど、そうすると荷物運べないからニーナは荷台に乗る。
荷台のニーナが転がらないようにゆっくり進んでるとはいえ、よそ見運転は危険だ。
工場はそれほど遠くない。慎重に進む。
「男爵様なんて、俺らから見たらすげえ、上の人だろ。
嫌ですなんて通じないぞ。平民は貴族に声なんて掛けられない。
ニーナが男爵令嬢になったら⋯⋯ここにも来れないな」
例え来ることが出来ても、言葉なんて交わせない。
身分制度ってそういうもんだろ。
「え、やだ。クローとなんで話せないの?」
ゆったり停車する。
ゲンチャーリーの駆動を止めて、ニーナの顔を見る。
やっと見られたのに、眉が下がってる。
眉間を揉んでやる。ちょっとマシになったか。
荷台のカゴを下ろす前にニーナの手を引く。
「身分ってそんなもんだよ。貴族さんはさ、平民のことなんて知らない。
その辺の石ころと変わらない」
「同じ人間なのに?」
「人間なのが同じなだけで、他は同じじゃないみたいだな」
ニーナのエプロンドレスについている葉っぱを取る。
さっきしゃがんでたから結構付いてた。
ニーナが幸せになれるなら、学園とやらに通って見初められるのも良いんだろう。
こいつ頭おかしいから、金があれば誤魔化せるかもしれん。
いや、でも19歳って、貴族からしたらどうなんだ?
年齢詐称もお手のものなのか?
貴族の娘は十四歳とかそのぐらいで婚約も珍しくないって、
仕入れにくる商人から聞いたことあるけど。
カゴを両手で持って工場の扉の前に立つと、ニーナが扉を開けながら中に声を掛ける。
「こんにちはー! こーじょーちょー!ミッカン持ってきましたあ」
奥から返事が返ってくる。
「あいよー。いつもありがとねえ」
作業着に黒いエプロンを付けたおばさんがのんびり歩いてくる。
「ホーゾンさん、こんにちは。今日は四カゴです」
一つ目のカゴを下ろす。
ポケットの伝票をニーナに渡して、残りのカゴを取りに行く。
「いいね、ミッカンは人気だからなんぼあってもいいよ」
ホーゾンさんは上機嫌でニーナと伝票の確認をしている。
「あんたたちいつ結婚するんだい? 」
「ええ? わたしは学園に行って……「ニーナ、悪い扉閉めて。虫入りそう」
「わ! 大変、すぐ閉めるね」
ホーゾンさんが可哀想なものを見るような目でこっちを見てくる。
やめてくれませんかね。
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