初恋△(トライアングル)

存在感の薄い者

文字の大きさ
31 / 32
追究編

彼は、どう、なったのっ?

しおりを挟む
眩しさを感じ、私は目を開ける
目の前には真っ白な天井が広がり己がいまどこに居るのかが分からなかった
しかし、そんなことよりも自身の中に今まで知らなかった自分が居たことに衝撃と不安が渦巻く
悶々と考えていると、横から声をかけられた

「ユリ!良かった、目が覚めたのねっ・・・!」
「あ・・・・彩ちゃん。えっと、ここは・・・・?」
「病院よ。それにしても、もうっ!心配したんだからっ!あんなっ・・・」

言葉が続かないかのように息を詰まらせて親友は涙を流す
それを見て今までのモヤモヤは吹き飛び、すぐさま飛び起き彼女の肩に手をやる

「ごめんね」
「・・・・別に、あんたが謝ることじゃないでしょ」
「うん、まあそうなんだけど・・・あっ、そうだ。そういえば──如月君・・・彼は、どう、なったのっ?」
「あぁ、えっとそれが───」

最後に見た彼を思い出しながら最悪の事態が頭を過ったが、勇気を出して彼の安否を確認した。
すると、彼女が言いにくそうに言葉を続けた時、私達が居た部屋の扉からコンコンとノックの音がした

「はい、どうぞ」

誰か分からなかったが、とりあえず入るように返事をした
開いた扉の先に居たのは意外な人物だった

「えっと、あなたは・・・」

そこには意識を失う前に近くに居たあの美少女であった

「・・・・・・」
「・・・・・・」

開いた扉の前から動かずじっとこちらを見つめて、何も話さないためどうしたら良いのかわからずにお互いに見つめ合う不思議な空気となった

「・・・・あいつ、無事」
「えっ・・あ、あいつって、如月君のこと?」

その空気を破って突然言われたことが一瞬理解出来なかったが、すぐにそれは私が今一番欲しい情報だと解った
私の問いに彼女は首を縦に振るのを見て一気に力が抜けた

「そう、なんだ・・・そっか、良かったっ・・・本当に良かったっ・・・・!」

その知らせに私は顔を下に向けてベッドの布団を握りしめた
目には僅かに涙を浮かべてしまった

「教えてくれてありがとう」

泣き笑いのような表情で彼女にお礼を言った
すると、そんな私を見て彼女は一つ頷き、去って行った

「あっ、まっ───」

私が引き止めようとしたが使命は果たしたかのように黙々と立ち去る

「なによ、あれ」

そんな彼女の態度に親友は立腹した

「まあ、でも知りたいことはわかったんだし、いいじゃない」
「まあ、そうなんだけど・・・」

宥めるために前向きな言葉をかけたが、それでも未だ燻ってるようで彼女は椅子から立ち上がった

「やっぱり、一言言ってくる」
「えっ」

そうして彼女も私の制止の言葉を聞き入れず、部屋から立ち去っていった

「えー、まあ何とかなるか。相手は女の子だし、大丈夫でしょう」

最大の不安を取り除いた私は反動でもう一度ベッドに横になった
一人になると考えてしまうのは、もう一人の自分のことである

「あれは、一体なんなんの?私だよね・・・?」

しばらくウンウンと唸りながら考えていたが、最終的に堂々巡りとなるため思考を停止させた

「今考えてもしょうがない!」
「なにが、しょうがないんだい?」
「ひょっ!」

私の独り言に返答があり、ぎょっとして思わず女子として最低な奇声をあげてしまった
返答した声が聞こえた方に目を向けると、そこには今一番気にかけていた人物が立っていた
─────────────────────────────────────
一読ありがとうございました!

筆の神様が中々降りてこず、皆様お待たせ致しました。
やっとここまで来れました!

謎人格ユラちゃんとユリちゃんのちゃんとしたご対面シーンを世に出せて大変胸が一杯です!

では、またお会いしましょう~
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...