間違えましたっ!!

存在感の薄い者

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笑顔になるために

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彼からの告白の後、二人はしばらく完全に夕陽が沈むまで景色を眺めていた
でも、私の心はそこにはなく、ここ最近思い悩んでいた拓海君からの提案について思いを馳せていた
それからさっきの煉君から告げられた想いと行動を振り返ってみる

『私には、振られると分かっていてこんなにも自分の想いを相手に真っ直ぐ伝えることなんてできない・・・それまでの関係が壊れるぐらいならいっそこのままとどうしても思ってしまうよ、だけどそれがとても苦しいっ・・・・・・・!』

そう心で叫んでいると、隣からこちらを気遣うような声がした

「大丈夫か桜?」
「えっ?あ、うん、大丈夫」

心の叫びに一旦蓋をして、私は急いで彼に対して笑顔を張り付け気丈に振る舞おうとした
しかし、そんな私を見透かしたかのように彼は体ごとこちらに向き合い、私の顔に触れ親指で頬を撫でてきた

「本当か?だったらこの涙はなんだってんだよ・・・?」
「え・・・?」

そう指摘されて初めて私は自分の頬が濡れていることを自覚した

「これは・・・」

そう呟いたきり、私の口は言葉を忘れたかのように音を紡ぐことができなかった
それとは反対に私の瞳からは、次から次へと雫が地面へと滴っていく
せめて声だけは漏らすまいと下唇を噛み締めて懸命に涙を止めようとした
彼はそんな私をどうしていいのかわからずしばらくあわあわしていたが、突然私の肩に手を置き目線を合わせてきた

「そんな声を殺すような泣き方は余計に辛いだけだ・・・それに今ここには俺しかいねぇから思いっきり泣いたって誰にも何も言われない、だからーーーーー」

そう言って彼は肩に置いていた手を背中に回した
次の瞬間には、私は彼の腕の中に閉じ込められていた

「ーーーーーだから笑顔になるために今は泣けるだけ泣いとけ」

その言葉に私はついに涙腺が決壊し、それに加えて小さい子のように大声をあげて彼の背中に手を回してしがみついたまま泣き続けた

「うわぁぁぁぁぁ~!!」

その間彼は一言も声を出さず、ただひたすらに背中をトントンと子どもをあやすかのように優しく叩いてくれた

しばらくそのまま泣いた私は、彼の背中を軽く叩いてもう大丈夫なことを示した
すると、彼はすぐにその意図に気付き腕から私を離してくれた

「もう、いいのか?」

その問に今の私はさっきとは違い確かな思いで言葉を紡いだ

「うん、大丈夫!」

この時私は確かにスッキリした心で笑顔と共に目の前の彼に伝えた
それを聞いた彼も同様に笑顔を浮かべて私の頭を撫でながら返事をした

「そっか、なら良かった!」

彼は何も訊かずただ側に居てくれた、それだけで私はとても救われた
なぜならこんなこと彼には言えない
言ったらきっと真っ直ぐな煉君は、私を思って怒ってしまうだろう、慰めてくれるだろう、でもそれは私にとってはただの逃げに繋がるような気がした
ましてや私に好意を寄せてくれている人に恋愛相談などもってのほかである
つまり、あのとき彼が私に何か尋ねてきたら一も二もなく彼を置いてこの場を去っただろう
そして、たぶん心さえもーーー

「もう本当に大丈夫みたいだし、遅くなる前に家まで送ってくよ」
「・・・うん」

それから私達は、無言で家に着くまで歩いた
でも、それは息苦しいものではなかった
それに加え、私の右手と彼の左手が繋がってそこからじんわりと何か言い知れぬ温もりが心に流れてくる気がして、私は少しでも長く彼と居たくて家に着かないで欲しいと感じた
それでも、家には着いてしまう

「今日はありがとな、楽しかった」
「私も・・・じゃあ、また学校で」
「ああ、またな」

言葉が続かないため、想いと反して早々に私は家に入ることとなった
彼は私が家に入るのを見届ける
それからすぐに私は部屋に行き、窓を開けて彼の姿が見えなくなるまでその背中を見つめていた
私はその後今日一日を終える準備をして、ある決意をした後、目を閉じた

しかし、そんな私を嘲笑うかのように次の日学校で私はまたしても衝撃的なことに直面してしまったーーーーー
________________________________________________
読んで下さりありがとうございました!!

前回5ヶ月も更新が遅れていたのにも関わらず読者の皆様が待ってくださったことに大変嬉しく思いました(ノ_<。)

また、そんな皆様のお陰で今までの中では成し得なかった恋愛でのランキングが200位以内という快挙となりました!

驚きすぎて動悸が大変なことになりましたが、読者の皆様には感謝の念で一杯です!!

これからもどうかよろしくお願いします!
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