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あ、私の人生オワタ・・・・・・
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私は衝撃的な昼休みを終えた後気付いたら放課後になっていた
周りには誰も居らず、皆帰ったか部活に行ったかで教室には私一人が居るだけだった
「帰らなきゃ・・・」
そう呟いたが一向に私の体は行動を起こそうとはしなかった
ただ、ため息だけは自然と出てばかりだった
私はどうしたらいいのか分からないため思わず、泣き出したい気持ちを抑えるように顔を手で覆った
そんな時、椅子に座って顔を手で覆いこれからのことに頭を悩ませていた私の上に影が射した
もちろん私はその影には気づかずに、顔を手で覆い、ひたすらこれからのことに思いを馳せていた
「桜」
その一言だけで私は誰の声か一発で分かってしまい、ビクッと肩を跳ね上げさせて少し固まった後、恐る恐る手を顔から外し、顔を上げた
目の前では、それはもうきらきらと眩しいほどの笑顔が浮かべられた美しくも冷たいご尊顔が至近距離に在らせられた
何故笑顔なのに冷たいかって?
そんなの目がブリザードの如く凍って表情と真逆だからだよ
なのに顔が整ってるせいでそれでもその表情は人を惹き付けるものがあった
そして、私は今まで忘れていたのだ彼の事を───そう煉君の存在を───
それから私は心の中でまず思ったことがある
『あ、私の人生オワタ・・・・・・』
とりあえず、いい人間関係は挨拶からであると考えたこの時の私はきっと色々な事が有りすぎて頭がおかしくなっていたのだろう
そして私は目の前の彼に最もしてはいけない事をしてしまった
「れ、煉君、こんにちは!ご機嫌いかが?」
声が裏返りながらも元気よく挨拶出来た私は達成感と共に期待を込めて彼を見つめた
当然、彼は更にブリザードを展開し今にも私の体を凍りつかせるようなオーラを醸し出した
私は恐怖のあまり歯の根をカチカチと震わせ、彼からの反応を待った
「ほう、ご機嫌ね・・・すこぶる悪いですよ、誰かさんのせいでねっ・・・・」
さっきの笑顔のまま地獄の番人も泣く程のドスのきいた声でしかもいつもは使わないだろう言葉使いで言われたため、私は恐怖の中で自分の選択ミスを悟った
「ちっ、違うんです!ただ色々ありすぎて煉君のこと忘れてたんです!!」
『あっ、つい心の声が出てしまった!ヤバイ!』
何が違うのかも分からず私は更に特大の地雷を踏んでしまったことに愕然とし、恐怖で彼の事を見ることが出来なかった
「忘れられてたのか・・・そうか、そうか・・・」
そうやって彼は一人納得してから私の頬に手をやって、再度私と目線を合わせた
その手は容易く振りほどくことができたが、彼の全てが私にそれをさせなかった
それと同時に彼の次の反応が分からないため、私は息を詰めて待った
「なぁ、桜、俺今凄く機嫌が悪いんだ、それで桜にどうにかしてもらいたいと思ってる、だから・・・・俺とデートしてくれるよな?」
「えっ、それは・・・」
私が言いよどむとさっきと同じ笑顔で再度迫られた
「してくれるよな?」
「・・・はい、喜んで」
私は当然そう答えるしか道は無かった
「後で日時と場所メールするから」
「・・・はい」
しかし、これはまだ不幸の始まりだった
その夜、携帯には幼馴染みの彼からメールが届いていた
『今日は色々とゴメン
それで今度の日曜日なんだけどあいてる?
あいてるんだったらどこか一緒に遊びに行かないか?
二人っきりで
拓海』
「どうしよう、気まずい!でも、拓海君とデートはしたい!」
一人あわあわしていると新しく新着のメールが来た
それを見ると煉君からだった
『今度の日曜日、駅前、10時集合
冠婚葬祭以外は拒否権なしだから
デート楽しみにしてるぜ』
「えぇ、ど、どうしよう!何でよりにもよって二人とも今度の日曜なの!どっちと行けば・・・」
私はしばらく携帯を握りしめながら頭を抱えた
そして、出した答えは─────
________________________________
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
またまた更新が遅れてしまって申し訳ありませんでした(>_<)
いつもいつも見放さずに読んでくださる皆様に感謝いたします!
周りには誰も居らず、皆帰ったか部活に行ったかで教室には私一人が居るだけだった
「帰らなきゃ・・・」
そう呟いたが一向に私の体は行動を起こそうとはしなかった
ただ、ため息だけは自然と出てばかりだった
私はどうしたらいいのか分からないため思わず、泣き出したい気持ちを抑えるように顔を手で覆った
そんな時、椅子に座って顔を手で覆いこれからのことに頭を悩ませていた私の上に影が射した
もちろん私はその影には気づかずに、顔を手で覆い、ひたすらこれからのことに思いを馳せていた
「桜」
その一言だけで私は誰の声か一発で分かってしまい、ビクッと肩を跳ね上げさせて少し固まった後、恐る恐る手を顔から外し、顔を上げた
目の前では、それはもうきらきらと眩しいほどの笑顔が浮かべられた美しくも冷たいご尊顔が至近距離に在らせられた
何故笑顔なのに冷たいかって?
そんなの目がブリザードの如く凍って表情と真逆だからだよ
なのに顔が整ってるせいでそれでもその表情は人を惹き付けるものがあった
そして、私は今まで忘れていたのだ彼の事を───そう煉君の存在を───
それから私は心の中でまず思ったことがある
『あ、私の人生オワタ・・・・・・』
とりあえず、いい人間関係は挨拶からであると考えたこの時の私はきっと色々な事が有りすぎて頭がおかしくなっていたのだろう
そして私は目の前の彼に最もしてはいけない事をしてしまった
「れ、煉君、こんにちは!ご機嫌いかが?」
声が裏返りながらも元気よく挨拶出来た私は達成感と共に期待を込めて彼を見つめた
当然、彼は更にブリザードを展開し今にも私の体を凍りつかせるようなオーラを醸し出した
私は恐怖のあまり歯の根をカチカチと震わせ、彼からの反応を待った
「ほう、ご機嫌ね・・・すこぶる悪いですよ、誰かさんのせいでねっ・・・・」
さっきの笑顔のまま地獄の番人も泣く程のドスのきいた声でしかもいつもは使わないだろう言葉使いで言われたため、私は恐怖の中で自分の選択ミスを悟った
「ちっ、違うんです!ただ色々ありすぎて煉君のこと忘れてたんです!!」
『あっ、つい心の声が出てしまった!ヤバイ!』
何が違うのかも分からず私は更に特大の地雷を踏んでしまったことに愕然とし、恐怖で彼の事を見ることが出来なかった
「忘れられてたのか・・・そうか、そうか・・・」
そうやって彼は一人納得してから私の頬に手をやって、再度私と目線を合わせた
その手は容易く振りほどくことができたが、彼の全てが私にそれをさせなかった
それと同時に彼の次の反応が分からないため、私は息を詰めて待った
「なぁ、桜、俺今凄く機嫌が悪いんだ、それで桜にどうにかしてもらいたいと思ってる、だから・・・・俺とデートしてくれるよな?」
「えっ、それは・・・」
私が言いよどむとさっきと同じ笑顔で再度迫られた
「してくれるよな?」
「・・・はい、喜んで」
私は当然そう答えるしか道は無かった
「後で日時と場所メールするから」
「・・・はい」
しかし、これはまだ不幸の始まりだった
その夜、携帯には幼馴染みの彼からメールが届いていた
『今日は色々とゴメン
それで今度の日曜日なんだけどあいてる?
あいてるんだったらどこか一緒に遊びに行かないか?
二人っきりで
拓海』
「どうしよう、気まずい!でも、拓海君とデートはしたい!」
一人あわあわしていると新しく新着のメールが来た
それを見ると煉君からだった
『今度の日曜日、駅前、10時集合
冠婚葬祭以外は拒否権なしだから
デート楽しみにしてるぜ』
「えぇ、ど、どうしよう!何でよりにもよって二人とも今度の日曜なの!どっちと行けば・・・」
私はしばらく携帯を握りしめながら頭を抱えた
そして、出した答えは─────
________________________________
最後まで読んで頂きありがとうございました!!
またまた更新が遅れてしまって申し訳ありませんでした(>_<)
いつもいつも見放さずに読んでくださる皆様に感謝いたします!
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