レンズに映る君の姿

夕悠

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二人とお出かけ

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春休み
「遅いぞ、伊織!」
「お前らが早いんだよ。15分前は遅くねぇだろ」
「でも待ち合わせって遅くても40分ぐらい前についてないと落ち着かなくない?」
「俺は30分ぐらい前ですかね」
「はいはい で、今日はなにすんの?」
なに?
「なにするの?」
「決めてないのかよ...」
「えっとこの間先輩たちが観たいと言ってた映画を観てお昼食べて後はゲーセンとかですかね」
「だって!」
「いつもありがとな風太...」
「いえ、俺は楽しいので大丈夫です。それよりそろそろ時間なので移動しましょうか」
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「やっぱ音楽系の映画は映画館で見るに限るねっ!」
「さすが映画館の音響設備だな。臨場感やばかったわ」
「重低音すごく響いてましたね」
映画観たあとにすぐ感想言い合えるのいいなぁ
「ただ一ついいか凪」
「どうしたの?なんかあった?」
「俺たち凄い見られてたよな」
そりゃぁ
「BL映画に男三人いたら珍しいでしょ」
「お前の好きな漫画原作とか言ってた時点で気づくべきだったわ」
「でも良かったでしょ!」
「そうだけどせめて風太には確認取れよ」
確認....
「あ゛っっ!!」
やばいやばいやばい
「えと...ふっ風太は大丈夫だった?というか僕はそのっ」
嫌われた!?
「落ち着いてください。確かに最初は驚きましたが凪さんの好きなものを知れて良かったですよ」
「嫌じゃない?」
「全然です」
よかったぁ~
「これに懲りたら反省しろよな」
「はい」
「よーし じゃあ昼食べてゲーセン行くぞ」
「うん」
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「楽しかった~」
「ですね」
「にしてもまさかレースゲーで逆走するとはね」
「あれは凄かったですね。逆走したまま終わっちゃいましたからね」
「初めの一回だけだったでしょ!それは!」
「初めてでもあんなにはならないだろw」
「そうですね」
うぬぬぬぬ
「もう解散!ほら帰るよ!」
「凪、忘れ物だぞ」
忘れ物?
「風太とお別れのハグしなくていいのか?」
「凪さん、準備できてますよ!」
「そんな両手広げて待機されたら断れないじゃん...」
別に嫌じゃないからいいんだけどさ

ギュッ

「風太、今日はごめんね。楽しかったよ」
「俺の方こそ楽しかったです。また新学期に」
「うん」

「わぁ~ けしかけといてなんだけど俺空気すぎない?」
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