レンズに映る君の姿

夕悠

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些細な一言

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「ねぇ伊織、来週の部活紹介のことなんだけどさ」
「やだ。風太に頼め。もしくは女子」
答えるの早すぎるんだよ...もうちょっと考えてくれてもいいのに
「わかった、じゃあちょっと風太のところ行ってくるわ。何組だっけ」
「1」
「ありがと」
そういえば教室まで行くのは初めてだな
まぁ、いまさらそんな緊張するものでもないし....声かけるのは緊張するな。
いちくみ、いちくみ
深呼吸して....はぁ、よし!
「そういや日比谷は春休み中どっか行った?」
ん?
「あー 行ってねぇな。ずっと家にいたわ」
話し始まちゃった!割り込めないし終わるまで待ってるか
「出かけてねえぁの!?つまんな春休み送ってんなぁっw」
「別にいいだろ。あっ」
「どした。思い出あったか?」
「あぁ、一回部活の先輩たちと遊びに行ったな」
「部活のって言うとあの学ラン先輩か」
うわ!二年生にも浸透してるっ
「てかさ日比谷は学ラン先輩といて大丈夫か?」
「は?なんで」
「ここだけの話俺も部活の先輩から聞いた話なんだけどさ、学ラン先輩中学の時同級生の男を襲ったらしいぜ」
「襲った?」
「そう。喧嘩とかじゃなくて性的に。つまり学ラン先輩ってホモなんじゃねって」
「日比谷も襲われないように気をつけろよ~ 俺は気持ち悪くってムリだわ」
気持ち悪い....
やっぱ僕は気持ち悪んだ...おかしくなって思い続けてきたけど普通の人からみたら変で気持ち悪いんだ
戻ろ。今入ったら駄目な気がする
「あの」
「っはい!」
「誰かに用事ですか?呼びますよ」
「ありがと。でも大丈夫だよ」

タッタッタッ

そういえば風太はどんな顔して話してたのかな
「おかえりー 話できたか?」
「いなくて出来なかったから今度の部活の時に話すよ」
「そうか」
雨は降らなそうだな...
「伊織、この後の授業全部休みから先生に適当に言っといて」
「はぁ!?どうした、なんかあったのか?」
「別になんも。じゃ、よろしく」
大丈夫。雨が降らないなら心のもやもやごと音でかき消せばいいんだから
音で全部シャットアウトして寝てしまえば何も考えなくていいし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「んぅ...あれ?」
布団?ていうか保健室?屋上の踊り場で寝てたはずなのに
「今何時だ....ってヘッドフォンが無い!?」

シャアッ

「や~と起きたか...せめて行き先を言ってからどっか行けよな」
「そんなことよりヘッドフォンは!?」
「こっちに置いてあるよ」
よかった...
「とりあえず風太が戻ってきたらお礼言っとけよ」
「お礼?」
「放課後になっても戻ってこないお前を探してここまで連れてきたんだからな」

ガラッ

「伊織先輩、荷物持ってきました。凪さん起きたんですね」
「うっうん」
風太、いつもと変わらない?
「えと風太運んでくれてありがとね。重かったでしょ」
「いえ、全然重くなかったですよ。逆に軽すぎて心配になっちゃいました」
「それで何か話があるって伊織先輩から聞いたんですけど」
あー どうしよう...あんな話がまわってるなら離れたほうがいいよね
「ううん、もう解決したから大丈夫だよ。わざわざごめんね」
「は~ 凪が部活動紹介の時に一人で壇上に立つのがキツイから写真持つついでに一緒に立ってくれないかだってよ」
伊織!なんで言っちゃうのさ!
「わかりました。取り敢えず今日は遅いので細かい打ち合わせは明日でいいですか?」
「別に断ってもいいんだからね。嫌だったら嫌って言うんだよ?」
無理しなくてもいいのに
「何いってんですか俺が凪さんのお願いを断るわけ無いじゃないですか」
「そう...じゃあお願い。打ち合わせは明日のお昼にするから三年の教室まで来てくれる?」
「わかりました」
「そうだ風太、ちょっと話したいことがるんだけどいいか?」
「はい」
「伊織どうしたの?」
「凪は先帰ってろ」
「うん、わかったけど遅くならないようにね」
「ああ」
二人だけでなに話してるんだろ....
駄目だ、考えが悪い方にばっか寄ってる
こういうときは楽しいことを...親友部員来てくれるかな風太が寂しくないように男子もほしいなぁ
よし!部活動紹介がんばろっと!
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