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お買い物
しおりを挟む「リナちゃん、俺疲れた...」
朝ごはんを食べにリナに連れ出されてから、服を買うためにかなりの店をつれ回されて、もうヘトヘトになっていた。
「ちょっとぉ、女子会にはパワーがいるのよっ」
「いや、まず俺女子じゃないから」
「大体一着も服持ってないあんたが悪い」
それはまぁその通りなんだけど。昨日破かれた服しかなかったため、買いに来たのだが、リナがこだわるからなかなか決まらない。
「朝陽、これ着てみて」
「リナちゃんっ、これで最後がいい...」
「わかったわよ。あ、待って。だったら、これも着てきなさい」
結局リナが選んだ三セット分の服を買った。お金ないからそんなにいらないと言ったのだが、楓が出すからと訳のわからない論理で押しきられてしまった。
「んー、まだ時間あるわね」
「寄るとこあるの?」
「用事はないけど、二人だからちょっと贅沢してこっ」
なんでこんなに元気なのか不思議で仕方がない。手を引かれるままにリナのあとをついていくと、オシャレなカフェに連れていかれた。
「ここのケーキおいしいの。ここ来たの、皓大と楓にはナイショね」
にやっと笑ってウインクするリナを見て、こんなにウインクが様になる人がいるんだなぁとちょっとだけ感動した。
空いている席に座ると、すぐにケーキと紅茶が二つずつテーブルに置かれる。リナは一気に三分の一ほどの大きさに切ったケーキを頬張り、幸せそうに笑った。
「んん~、おいし。ほら、朝陽も食べて」
たぶんこれも楓が払うのだろう。もうどうお礼すればよいのかわからなくなってきた。
「いただきます.........おいしいっ」
「でしょう?」
「うん!」
「ひとの奢りだと思うと余計においしい」
「リナちゃん......」
リナと目があって笑った。
買い物長くて疲れたし、そもそも男なのに女子会だし、楓にどうお返しすればいいかわかんなくなるし、リナに散々振り回された日だった。
だけど、たった半日でリナがすごく好きになった。自由で、天真爛漫で、面倒見がよくて、とてもいい人。
「なあに、じっと見て」
「いや、リナちゃん好きだなぁと思って」
リナの表情がパァッと明るくなる。
「あたしも朝陽好きよっ」
そう言ってテーブル越しに抱き締められた。周りの注目を集めたことに気がついて、慌ててリナから離れようとするが、それを面白がっているのかリナはしばらくくっついていた。
ようやく帰路についたころには、日が傾き始めていた。
「ねえ」
「んー?」
「三人ともあの店みたいなとこに住んでるの?」
「あぁ、昨日のとこ?あそこはね、元々バーだったとこで、あたしたちの溜まり場みたいな感じ。楓はほぼ住み着いてるけど、あたしと皓大はアパートにちゃんと帰ってるよ」
「そうなんだ」
元バーの店の近くまで来ると、明かりがついているのが見えた。もう帰ってきているようだ。
ただいまと大声で言うリナの後に続いて中へ入った。
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