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怖いか *
しおりを挟む「はっ......いッ......ぁ...」
「痛ぇの」
「いた、く、ない...ンン...」
楓の立てた左足にもたれて、横抱きにされていた。疲れないように力を抜いていろと言う。
あんなに脅したくせに、触れてくる楓の手は優しい。それでも、たった一本指が身体の中に入れられたというだけで、ものすごい違和感と耐えられるギリギリの痛みを感じる。
大してきれいでもない身体を楓に晒していること、普通触られることなどない場所を弄られていることが恥ずかしくてほんの少しだけ怖い。
「指増やすよ」
「ぅん......んン゛....っ..」
痛みのわりに、ローションでぬめった指はするりと内側に入ってきた。
「ゆっくり息吐け」
「ひっ......ふぅー...ハッ......」
「もうちょっと力抜けるか」
そう言われてもどうしていいかわからない。引きつけをがまんして息を吐こうと無様な努力をするが上手くいかない。
「ぁっ......ヤッ......あッ...」
後ろを弄っていない方の手でユルユルと前を揉まれる。それに気をとられて力が緩んだのか、後ろに入れられた指が動き出した。
「......ッ!??ぁぁああっ」
「ここ感じんの」
楓の指が掠めたところからビリビリとなんとも形容し難い刺激が昇ってきた。楓の指はそこを捉えて、何度も小刻みに擦っていく。
「ぁああっ...わか、んぅ...ないっ」
自分の口から漏れる高い声に驚いて、唇を噛み締める。こんな恥ずかしい声をあげたくない。
「噛んじゃだめ。血でるだろ...」
口全体を包むようなキスをされる。誘い出された舌を吸われ、瞼が震える。怖かったこととか痛みとか、そういうもの全てを吸いとっていくみたいなキスだった。
口のなかを動き回る楓の舌と流れ込んでくるだ液に夢中になっているうちに、指が増やされる。バラバラと動く指が先程の弱いところに触れ、口の中では舌のつけ根あたりを丁寧に愛撫され、痛みだけではない感覚が沸き上がってくるのがわかる。
やばい、出そう......
全身に痺れが広がったところで、楓の手が俺のものの根本をきゅっと締めた。
「っきゃうッ......」
「まだ出さない方がいい。後で辛いから」
そっとおでこにキスをされる。
「身体の向き変えるぞ」
「ぁ...あ......あぅぅ...」
後ろに指を入れられたまま、クルッと身体を返してうつ伏せにベッドの上に寝かされる。
「膝曲げて」
ぎこちなく言われるままに膝を曲げ腰を上げた体勢になると、楓の指が抜かれた。入り口に熱いものが触れ、それが楓のであると気がつく。
この体勢だとなにも見れない。楓がどこにいるかも、何を見ているのかも。そのことに緊張して震えた背中に楓の手が触れた。
「怖いか...?」
触れたところから伝わってくる熱に、身体にこもった変な力が抜けていく。楓に触れるだけでこんなにも安心できるんだ。
首を横に振ると、安心したような吐息が聞こえた。いれるぞ、という楓の小さな声が耳に響いた。
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