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序章
10話 娘 / レオナール
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< 小さな設定 >
別邸にはキャロルの部屋、書斎、書庫、両親の寝室、お母様のドレスルーム、客間が二つ、ダイニングが二つ、厨房などがあります。
――別邸でのある夜の話
「レオナール、なんだかとても楽しそうね」
私の女神がベットの端に腰掛けて笑う。下ろした銀の髪がベットに横たわる私の鼻先をくすぐるから掬ってそっと口づける。愛しい人の香りはいつも甘い。
「うちの娘もなかなかの怪物で面白いなと思って」
出されたレポートの内容は小さな子供が書くには出来過ぎだった。
咄嗟に思いついた事は押し込めた。きっと、女神は泣いて怒るだろうから。
「あら、貴方の子だもの。とってもよく似ているわ。思慮深くて、時々少しズルをする」
含むように笑う。ズルをした覚えはないが、私の女神さまはよく狡いと顔を赤くして呟く。
「私に似てるけどソレーヌにもよく似てる。無茶なところと可愛い所が……」
腕を伸ばして頬を撫でて首筋をくすぐる。すくめた頭を抱えるように抱き寄せて口づける。
「やっぱり、レオナールは狡い」
無防備に愛らしさを振りまく女神の方が悪い。
別邸にはキャロルの部屋、書斎、書庫、両親の寝室、お母様のドレスルーム、客間が二つ、ダイニングが二つ、厨房などがあります。
――別邸でのある夜の話
「レオナール、なんだかとても楽しそうね」
私の女神がベットの端に腰掛けて笑う。下ろした銀の髪がベットに横たわる私の鼻先をくすぐるから掬ってそっと口づける。愛しい人の香りはいつも甘い。
「うちの娘もなかなかの怪物で面白いなと思って」
出されたレポートの内容は小さな子供が書くには出来過ぎだった。
咄嗟に思いついた事は押し込めた。きっと、女神は泣いて怒るだろうから。
「あら、貴方の子だもの。とってもよく似ているわ。思慮深くて、時々少しズルをする」
含むように笑う。ズルをした覚えはないが、私の女神さまはよく狡いと顔を赤くして呟く。
「私に似てるけどソレーヌにもよく似てる。無茶なところと可愛い所が……」
腕を伸ばして頬を撫でて首筋をくすぐる。すくめた頭を抱えるように抱き寄せて口づける。
「やっぱり、レオナールは狡い」
無防備に愛らしさを振りまく女神の方が悪い。
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