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三章
39話 お忍び / アレックス
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< 小さな設定 >
アレックス王子の知らないこと探しはどんどん広がります。
とはいえ、まだまだ興味がある事も優先します。
王都の美味しいお店にはお忍びで実地調査もいきます
< 小話 >
――日課のような移動中
「殿下着きました」
頭までマントを被ると、古い馬車から降りる。
食べ物香り、埃の香りが混じる下町の空気は嫌いじゃない。こうやって空気に触れているのは上から見下ろすよりずっと活気を身近に感じられる。
マントで姿を隠せる秋から春だけのささやかな楽しみ。
カミュの元に遊びに行く前のお忍びの買い物だ。
「いらっしゃーい」
明るい声に頷いて答えて、店先を見る。色とりどりの蜜をかためた菓子が並ぶ。
随分、可愛らしい菓子だ。まぁ、カミュは彩のあるものが好きだから喜ぶだろう。
「一つずつ入れたのを、二つくれ」
自分とカミュの分。この時期は私が買っていくのを知っていて、友はお茶を入れて待っててくれる。
小さな袋に、蜜玉が詰められていく。綺麗な虹色の塊がいつか見た花火を思い出させる。
「すまない。同じものをあと三つ頼む」
「そりゃどうも、家族の分ですか?」
店主に問われて、戸惑う。
繋いだ手で共有したあの気持ちの名を何と呼ぼうか。臣と呼ぶには、晴れやかな気持ちだった。
「友に」
滑り出た言葉に、僅かに頬が緩んだ。
アレックス王子の知らないこと探しはどんどん広がります。
とはいえ、まだまだ興味がある事も優先します。
王都の美味しいお店にはお忍びで実地調査もいきます
< 小話 >
――日課のような移動中
「殿下着きました」
頭までマントを被ると、古い馬車から降りる。
食べ物香り、埃の香りが混じる下町の空気は嫌いじゃない。こうやって空気に触れているのは上から見下ろすよりずっと活気を身近に感じられる。
マントで姿を隠せる秋から春だけのささやかな楽しみ。
カミュの元に遊びに行く前のお忍びの買い物だ。
「いらっしゃーい」
明るい声に頷いて答えて、店先を見る。色とりどりの蜜をかためた菓子が並ぶ。
随分、可愛らしい菓子だ。まぁ、カミュは彩のあるものが好きだから喜ぶだろう。
「一つずつ入れたのを、二つくれ」
自分とカミュの分。この時期は私が買っていくのを知っていて、友はお茶を入れて待っててくれる。
小さな袋に、蜜玉が詰められていく。綺麗な虹色の塊がいつか見た花火を思い出させる。
「すまない。同じものをあと三つ頼む」
「そりゃどうも、家族の分ですか?」
店主に問われて、戸惑う。
繋いだ手で共有したあの気持ちの名を何と呼ぼうか。臣と呼ぶには、晴れやかな気持ちだった。
「友に」
滑り出た言葉に、僅かに頬が緩んだ。
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