21 / 49
三章
45話 酒席レポ 中編 / カミュ
しおりを挟む
< 小さい設定 >
ノエルの歌声について、下手ではありません!!!
歌詞も音も怪しくてもちゃんと歌えている……はず?
芸術方面だってやればできる子です。ジルの評価。
< 小話 >
――宴の席で 中編
お酒を飲んだら体の芯がほかほかしてまいりました。
おっと、ラザールの従者とアーロン先生の組合せを通り過ぎてしまうところでした。
古老のお二人が少しずつお酒を飲みながら銘柄当てする様は、粋です。大人になったら嗜みたいですね。
「長年の生徒の心残りが一つ消えました」
「それは、おめでとうございます。私も先日、当家のお嬢様が嫁がれて一つ気がかりが消えました」
お互いに胸張って、笑い合います。笑うと皺が増える所為か、皺が幸せの跡に見える気がいたします。
胸を張って育てた者を送り出す。思いを残すものはない程に明るい未来へ。
良いお酒です。酒の肴は誇りでしょうか? 乱れることもなく理想の「大人酒」です。
さて、隣の席は再び賑やかで、大きな声の語らいは騎士の祝宴らしいです。クロードと護衛騎士とアレックスの従者の組み合わせは、なぜに上座に最年少のクロード?
「大丈夫だ! ノエルなら!!」
明るい笑顔でクロードが護衛騎士に言い切ります。ノエル? まあ、卒のない子ですから大概は大丈夫でしょう。
「そ、そうか! こないだも顔が近くて、思い人かと気を揉んだが、美人だし仕方ないな!! うん。クロードが言うなら、いいんだよな!!!」
「ノエルならどんなことも任せられる!!! 気も回るし、器用だ。何よりも人の心を大事にする奴だ!!」
お酒が入った友は饒舌です。次の質問と、アレックスの従者が勢いよく手を上げます。友は色々な方に頼りにされていますね。
「ユーグ様はいっぱいだし、ノエル様はミンゼアのご令嬢、ドニ様は男爵令嬢と噂がある。なのに、うちの殿下に一つも噂が立たない……あんなに美男子なのに!」
「大丈夫!! 俺もない!! ディエリもない!! ラザールもない!! カミュ様もない!! 恋より楽しい事はたくさんある! 俺は幸せだ!」
そう言って本当に満足そうに笑うので、こちらまで噂がなくてもいいかという気分になりました。まぁ、私も今、幸せですからね。
「そうだな、恋だけが人生じゃない! 俺も恋人いないけど問題ないな!」
「ああ! 殿下はまっすぐ進むことを知る方だ、いつか大切な方とも出会える! 俺も尽力していく!」
「次、相談! 今恋人とケンカしてるけど、どうしたらいい?」
「花束だ! 父上が母上に花束を買ってくと、母上は見るたびに幸せそうに微笑む! 出来るだけ大きな笑顔の為に大きな花束がいいだろう!」
大きな腕を広げて話します。そんな花束は運ぶのが大変ですよ? でも、クロードの恋人になる方は幸せでしょう。笑顔の為に腕に抱えきれない花束を彼なら本当に買うでしょうから。
「おお! エドガー団長は花束をかうのか! 大きな花束だな」
「クロードは頼りになるな!! 早く騎士になれよー! そして俺たちの悩みを聞いてくれ!」
年長者の相談先としては疑問しか浮かびませんが、肩を組んで陽気に笑っているので良いのでしょう。
私と目が合うと腕を掲げてクロードが白い歯を見せます。満面の笑顔は寡黙な彼にとても珍しい。
「カミュ様! 俺は、騎士になります! 剣となり、盾となって殿下と周囲の者を守ります!! 」
彼にアレックスへの忠誠を求めたのは11歳の時でした。困惑させるつもりで求めた、幼い忠誠は今も彼の中に生きる。
振り上げた腕の拳で胸を叩いた、良き笑顔の頼りになる友は「陽気酒」。
その言葉には嘘偽りなく、真摯。だから、誰からも頼られて笑顔を呼ぶ。
同じように拳で胸を叩いて返礼とします。胸が温かいのはお酒のせいではないでしょう。
私は剣と盾になることはできませんが、皆の影となり苦しい時に寄り添うと誓いましょう。
ノエルの歌声について、下手ではありません!!!
歌詞も音も怪しくてもちゃんと歌えている……はず?
芸術方面だってやればできる子です。ジルの評価。
< 小話 >
――宴の席で 中編
お酒を飲んだら体の芯がほかほかしてまいりました。
おっと、ラザールの従者とアーロン先生の組合せを通り過ぎてしまうところでした。
古老のお二人が少しずつお酒を飲みながら銘柄当てする様は、粋です。大人になったら嗜みたいですね。
「長年の生徒の心残りが一つ消えました」
「それは、おめでとうございます。私も先日、当家のお嬢様が嫁がれて一つ気がかりが消えました」
お互いに胸張って、笑い合います。笑うと皺が増える所為か、皺が幸せの跡に見える気がいたします。
胸を張って育てた者を送り出す。思いを残すものはない程に明るい未来へ。
良いお酒です。酒の肴は誇りでしょうか? 乱れることもなく理想の「大人酒」です。
さて、隣の席は再び賑やかで、大きな声の語らいは騎士の祝宴らしいです。クロードと護衛騎士とアレックスの従者の組み合わせは、なぜに上座に最年少のクロード?
「大丈夫だ! ノエルなら!!」
明るい笑顔でクロードが護衛騎士に言い切ります。ノエル? まあ、卒のない子ですから大概は大丈夫でしょう。
「そ、そうか! こないだも顔が近くて、思い人かと気を揉んだが、美人だし仕方ないな!! うん。クロードが言うなら、いいんだよな!!!」
「ノエルならどんなことも任せられる!!! 気も回るし、器用だ。何よりも人の心を大事にする奴だ!!」
お酒が入った友は饒舌です。次の質問と、アレックスの従者が勢いよく手を上げます。友は色々な方に頼りにされていますね。
「ユーグ様はいっぱいだし、ノエル様はミンゼアのご令嬢、ドニ様は男爵令嬢と噂がある。なのに、うちの殿下に一つも噂が立たない……あんなに美男子なのに!」
「大丈夫!! 俺もない!! ディエリもない!! ラザールもない!! カミュ様もない!! 恋より楽しい事はたくさんある! 俺は幸せだ!」
そう言って本当に満足そうに笑うので、こちらまで噂がなくてもいいかという気分になりました。まぁ、私も今、幸せですからね。
「そうだな、恋だけが人生じゃない! 俺も恋人いないけど問題ないな!」
「ああ! 殿下はまっすぐ進むことを知る方だ、いつか大切な方とも出会える! 俺も尽力していく!」
「次、相談! 今恋人とケンカしてるけど、どうしたらいい?」
「花束だ! 父上が母上に花束を買ってくと、母上は見るたびに幸せそうに微笑む! 出来るだけ大きな笑顔の為に大きな花束がいいだろう!」
大きな腕を広げて話します。そんな花束は運ぶのが大変ですよ? でも、クロードの恋人になる方は幸せでしょう。笑顔の為に腕に抱えきれない花束を彼なら本当に買うでしょうから。
「おお! エドガー団長は花束をかうのか! 大きな花束だな」
「クロードは頼りになるな!! 早く騎士になれよー! そして俺たちの悩みを聞いてくれ!」
年長者の相談先としては疑問しか浮かびませんが、肩を組んで陽気に笑っているので良いのでしょう。
私と目が合うと腕を掲げてクロードが白い歯を見せます。満面の笑顔は寡黙な彼にとても珍しい。
「カミュ様! 俺は、騎士になります! 剣となり、盾となって殿下と周囲の者を守ります!! 」
彼にアレックスへの忠誠を求めたのは11歳の時でした。困惑させるつもりで求めた、幼い忠誠は今も彼の中に生きる。
振り上げた腕の拳で胸を叩いた、良き笑顔の頼りになる友は「陽気酒」。
その言葉には嘘偽りなく、真摯。だから、誰からも頼られて笑顔を呼ぶ。
同じように拳で胸を叩いて返礼とします。胸が温かいのはお酒のせいではないでしょう。
私は剣と盾になることはできませんが、皆の影となり苦しい時に寄り添うと誓いましょう。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の大きな勘違い
神々廻
恋愛
この手紙を読んでらっしゃるという事は私は処刑されたと言う事でしょう。
もし......処刑されて居ないのなら、今はまだ見ないで下さいまし
封筒にそう書かれていた手紙は先日、処刑された悪女が書いたものだった。
お気に入り、感想お願いします!
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします
希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。
国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。
隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。
「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
悪役令嬢のビフォーアフター
すけさん
恋愛
婚約者に断罪され修道院に行く途中に山賊に襲われた悪役令嬢だが、何故か死ぬことはなく、気がつくと断罪から3年前の自分に逆行していた。
腹黒ヒロインと戦う逆行の転生悪役令嬢カナ!
とりあえずダイエットしなきゃ!
そんな中、
あれ?婚約者も何か昔と態度が違う気がするんだけど・・・
そんな私に新たに出会いが!!
婚約者さん何気に嫉妬してない?
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる