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三章
49話 初めてのケンカ / クロード
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< 小さな設定 >
クロードの屋敷の敷地には、色々な果物や木の実がなる木が生えています。
鍛錬の後に、とって食べたり、拾って帰ってくるのが小さな楽しみです。
< 小話 >
――マロネの実を拾う午後
一体どうしてこうなった。木の陰から銀の髪が覗いたと思ったら、マロネの実が投げつけられた。
応戦して俺も投げると、痛いって聞こえて慌てて顔を覗かせたら俺の額にもマロネの硬い実が当たった。
「卑怯だぞ!」
「卑怯なのはそっちです!」
紫色の瞳がまっすぐ睨みつけてくる。真っ赤な顔で怒っている顔は初めて見た。
「お前が先にやったんだろ?!」
「そっちです!」
声と同時にまとめて十個ぐらいのマロネの実が飛んできた。この勝負じゃあスピードのある、あいつの方が有利だ。マロネの実の中を駆け抜けて飛びつく。既に三つはおでこに当たった。
細い友の腕を掴んで倒そうとした瞬間、足を払われる。女みたいな細い腕のくせに本当にこいつは厄介だ。腕を放さないで、友も一緒に道連れにする。
倒れ込んだ後は葉の中で取っ組み合いのケンカだ。腕力は俺の方があるから今度は俺が有利で、両手を捕まえて上から覗き込む。
友の額の真ん中がマロネで赤くなっていて、いつも綺麗にしてる銀の髪は枯葉だらけだ。
「ははっ! ノエル、酷いな!」
「ふっふふ。クロード、酷いです!」
二人そろって吹き出す。手を放して枯葉の上にあおむけに転がって二人で笑い続ける。
ずっと笑い続けていた俺たちの上に、マロネの木から実が降ってきた。なんだ、そうゆう事か。
横を向いたら友が同じような顔でこちらを見ていて、また二人で笑いだす。
俺たちは似てないけど、よく似てる。笑いたい事とか怒りだしたい事がよく似てるんだ。
仲直りしたけど、ノエルは足をひねってた。
「すまない」
「お互い様です」
「乗れ」
背中を向けると友の体重がかかった。何を食べているのかと思うほどに軽い。負ぶったまま後ろにマロネを入れた籠を掴む。流石にちょっときつい体勢だ。見えない籠からマロネが零れ落ちないか心配で、ゆっくりしか進めない。
「クロード、籠は私が持ちます」
「ダメだ。俺が持つ」
「ダメです! 歩けない私をクロードが運んでくれてるなら、クロードが持ちにくい物は私が持ちます。私が手でクロードが足、互いに出来ることをするのは当然です!」
なんだか胸が熱い。籠を友に渡す。体の前で友の細腕がしっかりと籠を掴んだ。
「走ってもいいか?」
「いいです! 籠は任せて下さい!」
心配だったマロネの籠を友に渡せば、俺はなんの心配もなく駆けだせる。
駆けだせば、籠をしっかり握りしめて友が楽しそうに声を上げる。
手と足。ノエルと俺。一人より二人だからずっといい。
笑い声を上げながら全力で走る。マロネは一つも籠から落ちない。
もっと、もっと、もっと! こいつとなら、何があっても大丈夫だ!
最初の大喧嘩で俺は生涯の友を手に入れた。
クロードの屋敷の敷地には、色々な果物や木の実がなる木が生えています。
鍛錬の後に、とって食べたり、拾って帰ってくるのが小さな楽しみです。
< 小話 >
――マロネの実を拾う午後
一体どうしてこうなった。木の陰から銀の髪が覗いたと思ったら、マロネの実が投げつけられた。
応戦して俺も投げると、痛いって聞こえて慌てて顔を覗かせたら俺の額にもマロネの硬い実が当たった。
「卑怯だぞ!」
「卑怯なのはそっちです!」
紫色の瞳がまっすぐ睨みつけてくる。真っ赤な顔で怒っている顔は初めて見た。
「お前が先にやったんだろ?!」
「そっちです!」
声と同時にまとめて十個ぐらいのマロネの実が飛んできた。この勝負じゃあスピードのある、あいつの方が有利だ。マロネの実の中を駆け抜けて飛びつく。既に三つはおでこに当たった。
細い友の腕を掴んで倒そうとした瞬間、足を払われる。女みたいな細い腕のくせに本当にこいつは厄介だ。腕を放さないで、友も一緒に道連れにする。
倒れ込んだ後は葉の中で取っ組み合いのケンカだ。腕力は俺の方があるから今度は俺が有利で、両手を捕まえて上から覗き込む。
友の額の真ん中がマロネで赤くなっていて、いつも綺麗にしてる銀の髪は枯葉だらけだ。
「ははっ! ノエル、酷いな!」
「ふっふふ。クロード、酷いです!」
二人そろって吹き出す。手を放して枯葉の上にあおむけに転がって二人で笑い続ける。
ずっと笑い続けていた俺たちの上に、マロネの木から実が降ってきた。なんだ、そうゆう事か。
横を向いたら友が同じような顔でこちらを見ていて、また二人で笑いだす。
俺たちは似てないけど、よく似てる。笑いたい事とか怒りだしたい事がよく似てるんだ。
仲直りしたけど、ノエルは足をひねってた。
「すまない」
「お互い様です」
「乗れ」
背中を向けると友の体重がかかった。何を食べているのかと思うほどに軽い。負ぶったまま後ろにマロネを入れた籠を掴む。流石にちょっときつい体勢だ。見えない籠からマロネが零れ落ちないか心配で、ゆっくりしか進めない。
「クロード、籠は私が持ちます」
「ダメだ。俺が持つ」
「ダメです! 歩けない私をクロードが運んでくれてるなら、クロードが持ちにくい物は私が持ちます。私が手でクロードが足、互いに出来ることをするのは当然です!」
なんだか胸が熱い。籠を友に渡す。体の前で友の細腕がしっかりと籠を掴んだ。
「走ってもいいか?」
「いいです! 籠は任せて下さい!」
心配だったマロネの籠を友に渡せば、俺はなんの心配もなく駆けだせる。
駆けだせば、籠をしっかり握りしめて友が楽しそうに声を上げる。
手と足。ノエルと俺。一人より二人だからずっといい。
笑い声を上げながら全力で走る。マロネは一つも籠から落ちない。
もっと、もっと、もっと! こいつとなら、何があっても大丈夫だ!
最初の大喧嘩で俺は生涯の友を手に入れた。
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