< 小話まとめ >悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります

立風花

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四章

68話 コーエンのすれ違い 3 / 聖女ディアナ

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更新が遅れ続けて、すみません。
年内終了の為にも、次回は11月中が目標です。
あと2日ですね。最近のペースだと厳しいですが、目標は高くですね。

<小さな設定>
私兵団は、各領主の私物です。
それぞれに名を連ねる下級貴族の次男や三男が、リーダーを務めて騎士と同じような体制をとっています。
末端の兵は庶民が務めます。魔法は対して使えません。代わりに魔法弾を所持します。
ヴァセランやオーリック等の武門の私兵団は、魔法は使えなくても兵の練度は騎士団に劣りません。
アングラード、ベッケル、バスティアは当主によって、その練度は大きく変動します。
シュレッサーの私兵団は、練度は低いです。でも、魔法弾の保持量がとんでもないのでそれなりに強いです。


<小話>

――コーエンのすれ違い 3 (聖女ディアナ)

 愛しい方の色は、濡れた黒石の色。でも、柔らかで優しい人には、白の混じった穏やかな色の方が似合う。出来上がった薄墨のハンカチに散る水色の小花をそっと撫でる。
 他の誰かが恐怖の対象である精霊の子にとって、恋は叶わぬ夢。物語を読んで恋に憧れても、現実にはとても難しい。

 でも、私はカミュ様に恋に堕ちた。

 黒い瞳が私を捉えても怖いと思わない。ずっと映り続けたいと思う。何故、彼なら大丈夫なのか。理由が数えきれないぐらい見つかる。
 好きを数えて刺繍の小花を撫でながら、そっと溜息をつく。

 愛しい人の願いは、聖女である私が殿下を愛して、愛されること。
 一生に一度であろう私の恋は、決して叶う事はない。このまま恋が消えるのが悲しくて、二度目の移動の最後の時間に思いを告げた。

 ドアをノックする音が響いて慌てて、ハンカチを畳んで棚の上に置く。ドアを開けたお母様の後ろに見知らぬ男の人がいた。

「ディアナ。国政管理室の副室長様が貴方とお話がしたいと……」

 国政管理室の名に身が竦む。国の全てを主導する文官である彼らは、聖女になった私に辛い知らせばかりを運んでくる。
 返事が喉でつかえてしまって、大きく頷いてお母様に承諾を示す。
 大きく開いたドアから姿を見せたのは、父上よりも年配の穏やかそうな人だった。私の前でゆっくりと立礼を取る。

「はじめまして。コーエンの聖女。国政管理室で副室長を務めているジャン・ビハンと申します」

 ぎこちない令嬢の立礼を返すと、私の代わりにお母様が副室長様に席を進める。
 礼を言って席に着いた副室長様は、何度もここに足を運んでいた国政管理室の人より優し気な空気を纏っていた。

「二度目の移動のお疲れは取れましたか?」

 外の空気は色々な属性が混じって苦しい。でも、コーエンの空気はとても心地よい。家族がいて、昔から馴染んだ使用人がいて、私の部屋、私の屋敷、小さな塀に囲まれたバルコニー、小さな世界は私を安らがせる。火の魔力も溢れていて、回復薬がなくても私は元気になる事ができた。
 笑顔を浮かべて頷こうとした私を、副室長様の言葉が凍り付かせる。

「カミュ様の我儘で、聖女様が王都に入る機会が潰れたと申す者がおります。本当でしょうか?」

 その言葉に必死に首を振る。私の為の決断で、カミュ様が責められるのは辛い。あれはカミュ様の所為じゃない、全部私の所為。
  
「しかし、帯同した者は魔力の推移から、王都には辿り着けたと主張しております」

 辿り着けたか、辿り着けなかったか。自分の体だからちゃんと分る。苦しい事に耐えれば、ぎりぎりの魔力でなら辿り着けた。
 でも、カミュ様や周囲の多くの人の目には、辿り着けない様に見えてしまった。

 私が自分の苦しさを利用して、結ばれることのない人に縋った所為だ。

 狭い馬車の中で苦しいと呟けば、カミュ様を独占する事ができた。
 女性の様に綺麗な手が私の髪を撫でて、背を叩いてくれる。黒い瞳が間近に私を覗き込んで、優しい言葉を紡いでくれる。
 普段なら我慢出来る苦しみも、その優しさに甘えるように全て口にした。
 たくさんの人に心配を掛けて、叶わない恋に許される偽りの恋人時間を私は得た。

 国政管理室の副室長が再び口を開く。

「我々にも計算の間違いは稀にあります。既に二度の失敗ですからね。大きな間違いを犯しているのなら、修正が必要なので来た次第です。聖女様が私達の計算以上に状況が厳しく、王都に辿り着けないのであれば、次の策を動かさなくてはなりません」

 軽い調子で言われた言葉に目を瞬く。次の策。それは一体どのようなものなのだろうか。
 そっと棚の上に置いたハンカチ見る。次の策には、渡せるような未来があるのか。

「つ、つぎ、とは?」

 私の言葉にっこり微笑んで副室長様が首を傾げる。

「殿下を愛すことはできますか?」

 その言葉に、少し迷うそぶりを見せてから首を振る。
 物語の王子様そのままの素晴らしい方は、私を愛する努力を重ねて下さった。でも、カミュ様に思いを寄せる私の心は動く事はなかった。それに、あの方にも本当は別に愛する方がいる。

「王都に来るのは厳しいですか?」

 その言葉には、すぐに頷く。王都には行きたくない。知らない土地は怖いし、馴染まない家も嫌だ。
 何より魔力を求める貴族がコーエンより多くいる土地で、人に怯えて暮らすなんて怖い。

「やはり、貴方に聖女を求めるのは荷が重いでしょう。三度目の移動は諦めるように致しましょう」

 意外な言葉に呆然とする。
 最初に彼らは、エトワールの泉の絵本を携えてきた。大好きな物語の中で、愛する王の為に祈りを捧げる聖女シーナ。同じ事が出来るのは、精霊の子しかいないと彼らは私に言った。
 この国でただ一人の精霊の子、だから私は聖女になった。

 私の視線の先で副室長様が優し気に微笑む。

「ディアナ嬢には、厳しい要求を重ねて申し訳ありませんでした。私にも子がおりますので、ご両親の苦しい胸のうちにも頭を下げるしかございません。我々はこれ以上、ディアナ様に聖女を求める事は終わりに出来るよう検討いたします」

 役目を解放する言葉。突然の言葉が飲み込めない私の隣で、お母様が震えた声を上げる。

「もう、ディアナは聖女にならなくても良いと言う事ですか?」

 副室長様が頷くと、お母様が顔を覆ってすすり泣く。私の事を両親は生まれてから、ずっと心配していた。聖女になってからは、ずっと今まで以上に辛そうな表情をした。だから、お母様の涙は安堵の涙だ。でも、私の心にあったのは、安堵ではなく混乱だった。

 エトワールの泉の物語が本当ならば、聖女がいないこの国は魔物の王に負けてしまうのではないだろうか。だから、国政管理室の人達は私を聖女にしようとした。

「ほ、ほ、ほかの、聖女が……」

 私の聞き取りずらい問いかけに、副室長様が残念そうな表情で首を振る。
 
「他に聖女は見つかっておりません。殿下の名で、王家が精霊の子を求めている公布を出します。それなりの謝礼も用意致します。カミュ様にまとめ役をお任せするので、心を砕いて歴史の汚点になるような事態は避けて下さるでしょう」

 その言葉にお母様の顔から手が滑り落ちる。安堵で泣いた顔が、苦痛の表情に変わって副室長様に恨むような声を上げる。

「歴史の汚点。その言葉を使われるなら、精霊の子を持つ家族を追い込むと理解されての事ですね。なんて酷い選択をされるのですか……」

 お母様の言葉に息を飲む。謝礼に目が眩んで精霊の子を探す者が出始めれば、暴かれる者が出る可能性は高まる。一人なら私の代わりに聖女に納まる。でも二人、三人なら、聖女になれない精霊の子はどうなるのか。そこには私も含まれる。
 
 震える指先を握りしめる。
 小さい頃から誰にも見つかってはいけないと言われてきた。幼い私に、両親は捕まったら食べられてしまうと教えてきた。大人になった今、魔力を増やす道具として攫われたら、自分がどのような扱いをうける理解している。
 
 眩暈がするような心臓の音に、呼吸が浅くなる。胸の中でせめぎ合うのは怒り。だけど、向けた先は国政管理室ではなく、自分自身にだった。

 精霊の子に降り注ぐ災禍の始まりは、甘く弱い聖女を失格した私。

「精霊の子を家族に持つ奥さまのお怒りは理解します」

「何がです! ここまで、どれ程の注意を払って娘を守ってきたか? どれだけ、人の目に怯えてきたか? 当たり前のように過ごす事が出来る人たちに、何かわかるのですか?」

 お母様の叫びに、副室長様が笑顔を消して目を細める。

「精霊の子に配慮する声に、ここまで公にせず秘密裏に動いてまいりました。しかし、ディアナ嬢では役目を果たせない。ならば、聖女いない国は滅ぶ可能性の方が高い。最期は誰にも等しく訪れます」

「国の滅亡が皆の最期なら、少し先に精霊の子に苦難を迎えろとおっしゃるのですか?」

 色を失った唇でお母様が更に言葉を重ねる。穏やか笑顔を消した副室長様は、以前ここに来た文官の方と同じ厳しい決断を下す瞳に変っていた。

 聖女であったのに、私の中の未来はずっとぼんやりとしていた。大崩落が起こる。大きな争いがある。負けてはいけない。分かっていたのに、捉えら方はどこか遠く浅かった事を突き付けられる。
 
 副室長様が厳しい眼差しのまま穏やかに口の端を上げる。

「境遇や立場に関係なく、多くの親が自分の子を守りたい。百の民と一人の民。百一が選べなければ、百を決断するのが私達の仕事です。正式な聖女の役目終了のご連絡は、書状にてお伝えいたします。ご苦労に対する謝礼も十分ご用意させて頂きます」

 怒りで口を開いたり閉じたりするお母様の横で、副室長様の言葉を噛み締める様に何度も反芻する。

 公布がされたなら。平穏なコーエンのこの屋敷も、安全とはいえなくなる。
 精霊の子が見つかったら。一人は聖女になれるけど、私を含めた多くが魔力を増やす道具として晒される。
 私以外の誰かが聖女になったなら。私の愛しい人は私にくれた優しさを新しい聖女に向ける。
 新しい聖女が殿下を愛したら。私はカミュ様にハンカチと共に思いを伝える事が許される。でも、殿下はついに愛を失う。
 殿下の愛しい人が愛を失ったら、殿下の愛とその他の精霊の子の犠牲でこの国が救われる。

 私が聖女でなかったら起こる事に、もう「だろう」という不確かな言葉をつける事はできなかった。
 誰かが幸せになって、誰かが不幸になる。たくさんが救われて、少しの不幸が生まれる。

 瞳を上げると、副室長様と眼差しが重なった。
 最も優秀な人たちが秘密裏で探しているのに、私以外の精霊の子はまだいない。見つからなかったら、私は聖女にならなかった自分をきっと許せない。

「せ、せ、聖女を、務めます。エ、エトワールの泉で、国の為に、わ、わた、私が祈ります。その為に、つ、つぎは、必ず王都に、参ります」

 副室長様がわざとらしく両手を上げて驚いて見せる。

「突然のご覚悟は、大変うれしく存じます。でも、貴方に成せますでしょうか?」

「できます!」

 生まれて初めて知らない人の前で大きな声を上げていた。私の肩をお母様が慌てて引く。

「ディアナ! 貴方が無理をしなくても良いと言われたのに」
 
 お母様の肩に掛けられた手を、ゆっくりと外して握る。年齢を感じさせない美しい白い花弁のような手に頬ずる。
 コーエンでも有名な美女だったお母様は、王都の舞踏会に誘われても一度も参加した事がない。それは、私を守る為に外との繋がりを断つ為だった。

「お母様。私、初めて自分の意志で頑張りたいと思いました。最期になるなら、私は出来る事をしたい。お母様、お父様の事も、大切な人たちの事も私が祈って、守れる可能性があるならやりたいです」

 甘くて守られてばかりの私は、自分の境遇を何度も嘆いてきた。でも、私の為に影で無理をする家族の境遇を嘆いた事はずっと少なかった。私に返せる事があるとすれば、きっとこの選択しかない。

「奥さま。ディアナ様。お茶が冷めてしまいました。入れ替えながら、落ち着いては如何ですか?」

 副室長様の提案に母上が渋々と頷いて席を立つ。廊下に控える使用人にお茶の指示をする為に母上が出て、ドアが閉まる音がした。

「ディアナ様は、エトワールの泉の物語の最後はご存知ですか? 聖女は戻ってこない。魔力を持たなかった為に、その身の全てを捧げたと言われております。貴方の魔力は、上位に近い中位。エトワールの泉では魔力の溶解もおこるでしょう。決断は慎重になさい。自分の娘になら、そう言います」

 副室長様の眼差しには、父上と同じ慈愛があった。国政管理室としてではなく、娘を持つ父親としての言葉に小さく頭を下げる。

「で、でも、やめろ、とはおっしゃらない」

 私の言葉に、何とも言えない悲し気な笑顔を副室長様が浮かべる。

「私達は言葉の先の未来を予測しております。どちらも最悪なら、希望が残る言葉を打ち消す事はしません」

「希望……」

 私にとって希望とは何だろう。胸に手を当てて、目を閉じる。

 幾つも幾つも、大切な場所や大切な人たちが思い浮かんだ。全てが変わらないままで居て欲しい。

 そして、私が告げた想いを受け入れられないと言った人の、苦し気な顔が浮かぶ。
 カミュ様には花が綻ぶような笑顔が一番よく似合う。知る事がなかった筈の幸せを、私に教えてくれた人。王家の一人である彼は、きっと魔物と戦うだろう。彼を私の祈りが救える可能性が少しでもあるなら、全てを捧げても構わない。

 想いを伝える為に、大きく一度息を吸う。
 
「副室長様。殿下を愛する事はできません。でも、殿下のご無事と、愛しい人の無事を私の身の全てで祈ります。私に聖女の役目を、最後まで務めさせてください」

 言い淀むことなく決意の言葉を述べた私に、副室長様がはっきりと頷く。

「わかりました。言葉を持ち帰って、再検討するよう働きかけます。だが、貴方に対する失望の声がございます。まずは、次の移動を成功させて、熱意をお見せください」

 次は必ず王都へ。怯えて暮らしていた私の中で、初めて何かに立ち向かおうとする意志が生まれた。

 もしも未来が続くなら、愛しい貴方に薄墨のハンカチを渡す。それが私の小さな希望。
  

―――――

コーエンの裏話はこれにて終了です。
ノエルには明るく優しい国政管理室は、今回は嫌われ役での登場でした。
ディアナは本編では無事に王都に到着して、ノエルとカリーナとも出会えました。少しだけ精霊の子の彼女にも王都での安らぎができたはずです。
 薄墨のハンカチはまだディアナの手元にあります。
 
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