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とある少年の物語9
しおりを挟むノエルはクランハウスに戻ってきた。
「みんな~」
「何だ?ノエル。」
「今回、僕はあるクランと戦うことになったんだけど、戦うのに協力してほしいんだ。」
「それは前にノエルが言っていたクラン潰しのクランか?」
「そうなんだけど、あのクランはAランクの冒険者が10人くらいいるから、協力してほしいんだ。」
「そうか…俺らはAランクだから良い勝負になると思うけど、勝敗は五分五分だな。」
「そうだね。クラン戦争は10人対10人の団体戦だから、僕たちがAランク冒険者を10人そろえても五分五分だね。」
「それじゃあどうする?先輩方を呼ぶか?」
「確かに先輩方を呼べば勝てるようになるけど、先輩でそう簡単に呼び出せる人がいないから…」
「俺が出てやろうか?」
そこにいたのはノエルのことをこのクランに入れてくれた初期メンバーの一人がいた。
「そんな先輩。あなたは初期メンバーで、ここの王都支部の中でも、最強に近いじゃないですか。」
「それでもお前をこのクランに入れたきっかけは、今回の敵のクランに対して仇を取るためだろう。」
「確かに僕がこのクランに入ったきっかけは強くなるためと、あのクランを倒して元クランの仇を取ることですけど…」
「それにお前をこのクランに入れたのは俺だ。自分で入れたやつの願いくらい自分でかなえてやろうと思ってな。」
「…分かりました。それじゃあ協力をお願いします。」
「任せておけ。」
「それじゃあ僕は本番に向けて修行をしておきます。」
そして戦争当日になった。
「ノエル。今回は逃げずに来たな。」
「うん。」
「それじゃあ、始めるか。」
『クラン戦争開始です。』
「先輩は待っていてください。あなたは最後の切り札として待っていてください。」
「分かった。」
そしてノエルとルートは戦い始めた。
「ルート君は何でここにいるの?君はBランクじゃなかったの?」
「それを言うならお前もだ。お前もCランクだろう、何でここにいるんだ?まぁ、今回は仇でも取りに来たんだろうけどな。」
「そうだ、僕は前のクランのみんなの仇を取るんだ。」
「できるもんならやってみな。」
そんなことを言っていたルートだったが、Aランクまで上がっているノエルを相手に勝てるわけもなく…
「何なんだお前は。Cランクじゃないのか。」
「一体いつの話をしているんだ!僕は今回のクランに入ってがんばって修行してAランクまで上がったんだ。」
「お前がか?お前ごときが俺様を抜いてAランクになったということか!?」
「そうだ。そして君は僕の手で倒す。」
「くそっ。ノエルごときに俺が負けるというのか!?ありえん。ありえん~~。」
そしてノエルはついにルートを倒した。
しかし、他のところでは実力が拮抗していて、人数の差で徐々に押され始めていた。
「みんな、退いて。先輩、お願いします。」
「分かった任せろ。」
クランメンバーのみんなが傷つき始めたため、ノエルは先輩に任せたほうがいいと考えたのだ。
そしてクランの初期メンバーということはハイヒューマンということだ。つまり、人間離れした強さなのだ。
「『真槍神武』これで一気に貫く。」
先輩がそういうと先輩の姿が一瞬消えて、その後先輩の姿が見えたと思ったらすでに敵の9人が倒れていた。
「こ、これは?」
「これは俺がこのクランの創設者にもらったスキルでな、超高速で相手を貫く技なんだが、今回はさすがに貫いてないな。」
「スキルを渡す!そんなことができるんですか?」
「創設者様は人間にはできないことを平然とやってのけるからな。」
「そんなすごい人がこのクランを立てたのですね。」
「そんなことはもう良いだろう。これで元クランメンバーの仇も取れただろう。」
「はい。」
「それじゃあ、これからは平穏にクランの活動をできるな。」
「そうですね。」
こうしてノエルの田舎からの因縁は終わるのだった。
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