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2つ目の格差
しおりを挟むもうひとつの格差は、同盟国と、それ以外の国との格差だった。
アインも、この格差は最初からおきると思っていたが、それでもひどいくらいの格差が出てきてしまっていた。
現状、同盟国は、アインがちょうど、各国の成長に力を入れ始めたときだったので、アインの国に大量の借金をしているような状態だったが、それでも国々は発展して行った。
結果としては、各国はアインへの借金を恐れず、アインの力を借りていって、今では、大陸の大国に少し劣るくらいの力を各国が保持するような形になった。
なので、今、この同盟と、大陸の中心のほうにいる大国が争った場合、同盟国が勝つのは明らかだった。
(それでも、負けてしまったら困る。だから極限まで強くなってから行くんだ!)
今でも、各国は成長を続けて行っている。
その上、他の小中国からも難民が来るようになったので、人口も増えていっている。
なので、これから先も、数年は成長を続けていける見込みがあった。
そして、各国がこれから成長を続けていくということは、同盟は、同盟国の数だけ、成長を続けていけるということ。
今、戦っても勝てると言うのに、これから先、各国がさらに強くなって、大国と戦ったら、一方的な戦いになってしまう。
しかし、アインはそれで良いと思っていた。
油断して負けてしまうくらいだったら、相手が少しかわいそうだが、それでも、強化してから攻め込んだほうが良いと思っていた。
そして、この数ヶ月で分かったこともあるのだが、この同盟に加盟している国に対して、不満を持っている国があった。
しかも、その国はこの同盟の大きさを知らなく、大陸の小中国の中では結構大きいほうの国だったので、もしかしたら、攻めてくるかもしれない。
最近、同盟国の中でも、力をつけてきたので、その力を試してみたいという国もあった。
彼らには、そこで自分たちの強さを再確認してもらおう。そして、同盟に加盟していない国で、その戦いの情報を知った国々は、入りたいと思うだろう。
しかし、アインが最初に作った条件、一回拒否した場合、それ以降2年は入れないという条件があるので、入れない。
そこでアインはそれを利用して、ひどいことだが、アインの行動原理、『味方にやさしく、敵には厳しく』のことを実行するように、アインは、この後、大きな戦争を始めようとしていた。
(まぁ、これはそのときが来るまで待っていよう。しかし、今のうちに同盟国には戦争の準備を始めていよう。)
とにかく、2つ目の格差というのは、同盟国と非同盟国の経済的な格差。
この差はこれからも広まっていくばかりで、これから先、埋まることは無いだろう。
しかし、これはアインの招待を受けなかったという、アインのある意味自己中心的な考えによって、生まれてしまった、この大陸の大きな問題だった。
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