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待ち合わせ
しおりを挟むそして、アインは3人の前に立った。
「とても久しぶり!」
アインがそういったのにはわけがあった。
アインは一応、高校のほうに進学はしているが、まったく授業には出ていなかった。
そのため、高校になってからはアインは一回も学校に来ていなかったのだった。
しかし、3人に関しては違う。
アインとは違って、まだ学生のみだということで仕事などは基本的に入ってこない。
もしも、仕事が入ってきたとしても、それは1日くらいで終わる、簡単な仕事だろう。
アインも3人も16歳にはなっている。
仕事のない彼女らが、進学するのは至極当然だろう。
よって、アインとは卒業式も一緒に出来ず、入学式なども、一緒には出来ていなかったのだった。
そんな彼が久しぶりというのは何も間違ってはいないだろう。
「アイン君……?」
「ああ、久しぶりに休暇が出来たし、それに今回は大事な話があるから、その相談でね。」
今思えば、この発言は最低とも取れるだろう。
婚約者の下に、暇がなければ行かないというのはひどいし、しかも帰ってきた将来のだんなからの相談というのは新たに婚約者を作っても良いかというものだったからだ。
しかし、今の3人はそんなこと知らないし、それに今はアインが帰ってきたという事実のほうが大事だったのだ。
「アイン君…本物なの…?」
「ああ、本物だよ。それに、僕の偽者になって何の得があるのさ。」
結構得はある。
しかし、アインの周りのものに対して、変装なんか使ってもすぐにばれてしまうので、その分リスクが大きすぎる。
「本当に申し訳ない。
学校に今まで来てなかったのもそうだけど、正式にやめることにもしたんだ。
さすがに、貴族のときのような時間の余裕は無くなってしまった。
いや、正確には王族としての仕事に関しては暇が結構あるんだろうが、他の仕事を入れてしまったので、結局時間が無いんだ。」
「そうなんだ。やっぱり正式に学校を辞めちゃったんだね。」
「うん。まぁ、今までも結局殆ど来ていなかったしね。」
「そうだね。それで、アイン君は何で久しぶりに帰ってきたの。」
「ああ、それは…この場ではいえないから、移動しない?」
婚約者が増えるなんて発言を、学校の前の校門で出来る訳も無いので、アインは移動がしたかった。
「そうなんだ…良いけど、場所はどうするの?後、お父様にも報告をしたいのだけど。」
王族や公爵令嬢である3人がいつもの時間に帰らなければ、国を挙げて捜索しなくてはいけなくなってしまうので、報告はしておかなくちゃいけなかった。
「分かった。それじゃあ、場所のほうは僕のほうで用意をしておくから、3人は家族のほうに連絡を入れておいて、その後は、僕が家まで迎えに行くよ。
さすがに夜の街を歩かせる訳にも行かないからね。」
夜の街を3人が歩いていたら、おそらくだがつかまるだろう。
そして、彼女たちを捕まえた店は王のほうから処分されてしまうだろう。
そんな犠牲を生まないためにも、アインが直接迎えに行くのが良かったのだった。
「それじゃあ、また後で。」
「「「う、うん。」」」
こうして、彼女たちは一回帰って行ったのだった。
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