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排除できない脅威
しおりを挟むそして、4人は、王の私室にやってきた。
「今日は誰も来客がないの?」
「そう言っていたわ。」
何も、王というのは常に玉座の間にいるわけではない。
もちろん休みがあって、自室もあるのだ。
「それじゃあ、中に入ろうか。」
そういったアインは、深呼吸をした後に、扉をノックした。
「誰だ?」
「アインです。久しぶりです。」
「おお、アイン君か。
中に入って良いぞ。」
そういわれたので、アインは扉を開け、中に入っていった。
「ん?何だ?3人も一緒なのか?」
アインの声しかしていなかったので、王は、アインしかいないと思っていたので、少しだけ驚いていた。
「ええ、まぁ、今回は大事な話があるので。」
アインのその言葉を聞いて、王は、真顔に戻った。
「どんな話だ?」
「重大な話なんですが、そんなに深刻にはならなくて良いです。
ただ、重大な話です。」
「そうか…それじゃあ、一旦座りたまえ。」
そして、4人は私室にあった、ソファーに座った。
「それで、どんな話だ?」
「実は…娘さんとの結婚を早めていただきたいのです。」
「何だと?それはまた何故?」
「私は、今まで、いろいろな大陸に行って、さまざまな問題を解決してきました。
しかし、これからは、その問題を解決した国の先を見届けなければいけません。
そのため、これから先、僕にはさまざまな責任という問題が来るでしょう。
その時に、支えてくれるものが近くにいたほうが良いのです。
それに、なるべく早く、こちらの生活にも慣れてもらいたいのです。」
「しかし、こんなに早い結婚、世間が認めるか分からないし、それに、わが国の貴族にも、どう説明したほうが良いか…」
「それに関しては、私の国のほうは大丈夫です。
私に反抗するものはいないので。」
これだけ聞くと、大粛清でもしたかのようだが、そうではなく、基本的に、バルバロット帝国民に関しては、殆どの人がアインに国の行く末をゆだねているのだ。
「そうか…それでは、この国の貴族に関してはどうするのだ?
実を言うと、この国には、リリスは婚約しているといっているのに、それでも狙ってくるやからがいる。」
「そうなんですか…それは厄介な…」
「まぁ、そんな事いってきている貴族は大体、この国以外のことをあまり知らない貴族だがな。」
「どんな紹介をしているんですか?」
「隣国の王とだけ伝えている。
まぁ、それ以前に隣国とは仲が良いことだけ入っているがな。」
「それなのにリリスを狙うか…」
当の本人に関しては、自分の責任ではないはずなのに、どこかばつの悪そうな顔をしていた。
「う~ん。それほどまでにこの国に自信があるのか…」
「まぁ、この国の王としての責任として、例の国力ランキングみたいなものの、自国の順位を後悔することになっているのだが、それで、今回は3位だったので、この大陸では、無敵だと思っているのだろう。」
「それ以前に、前まではこの大陸以外のことを知りませんでしたからね。」
元々、他の大陸に関しては、確認されていなかったが、アインの力によって、他の大陸に行くことができ、そして、例の世界会議の人に見つかって、参加しているのだった。
しかし、それでも、世界で3位の国の貴族といえば、驕ってしまうのも仕方ないのかもしれない。
「まぁ、それでも地道に説得させて見せますよ。」
「そうか…がんばれよ。全ての貴族が穏やかな訳ではないからな。」
「はい。」
そう。何も全ての貴族が穏やかな訳ではない。
問題だと分かっていても、排除できないのが貴族なのだから・・・
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