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いざ安住の地へ
<家> フィンにやれることをさせる
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『わかった。ではまず魔道具について考えよう』
「うん」
振出しに戻る……だが、少しすっきりした顔のフィンに私は話す。
『お前の祖父が魔道具職人だったか……」
「そうだよ」
『そのお祖父さんに手伝ってもらうとか、アドバイスしてもらうことはできるか?』
私は魔道具は詳しくない。
ある程度設計してもらえれば作れると思うが……。
「それは大丈夫だと思う。お祖父さまは領地にいるけど、王都からそんなに遠くないし、魔道具職人だから魔道具を使ってきてくれると思う」
ん?
『お祖父さんが魔道具を使うのはいいんだな?』
「うん。お祖父さまが魔道具職人なのはみんな知ってるから」
そうなのか。
区分けが難しい……。
『ちなみにどんな魔道具を作ってるんだ?』
「それこそ送風機とか、コンロとかだね」
『なるほど、家庭用、居住用だから魔導騎士団が反対しないのか』
「そう」
その方向から攻めて、コンロで火炎爆発とかやったら怒られるかな?
『治療の魔道具もその理論でありにならないか?』
「魔導騎士団は治療術師も抱えてるんだ」
『なるほど。治療院やもしかしたら神殿もか?』
「神殿はないと思う。神殿は国とは別だし、魔道具を使ってると思う。ただ、この国ではあまり活用されない」
神殿については私はよくわからない。
昔は私が星の加護を持ってることを嗅ぎつけて何か言ってきたことがあるけど喋れないふりをしてやり過ごした。
200年くらい。
『では、設計をお祖父さんに手伝ってもらうとして、魔力病について説明するぞ?』
「うん!」
顔が明るくなったな。
やはり考えるべきではないことは考えないことが重要だ。
『まず魔力病についての説明だ。そもそも正常な生命体の場合、魔力が全身を循環していることは知っているな?』
「うん。家さんはどうなってるの?」
『私のことはいい』
なぜ急に私の話になるんだ?
私は生命なのだ。巡回しているに決まっているだろう。
……いや、生命なのか?
長い年月の中で何回も思い出そうとしたけど、やっぱり召喚前のことはよく思い出せない。
美しい景色の湖畔のほとりに建っていたということくらいだ。
そもそも私は家なのにどうやって景色を見ていた?
「家さん?」
『あぁ、悪い。続けるぞ。体のどこかに問題が生じてこの循環を止めてしまうのが魔力病の発端だ』
「すみません、口をはさんでしまいますが、体のどこかなのですか?魔力的な問題で発生するわけではないのでしょうか?」
『あぁ、違う。口ははさんでくれていいぞ?なぁフィン』
「もちろんだよ。ローザも気になったことがあったら教えてほしい」
「わかりました」
こういうところは王……かどうかは置いておいて、施政者向きな気はする。
アホな高位貴族だったら下位のものに口を挟まれるのを嫌う場合が多い。
『昔は魔力の問題だと考えられていた。だから様々な魔法が試された。けど、ダメだった。魔力の問題だと思われたのは、この病気が発症すると回復魔法が効かなくなるからだな』
フィンとローザは黙って聞いている。
うずうず……。
『だが、解明されて見ればなんてことはない。不調を生じた体の部位で魔力がうまく循環できなくなり溜まってしまう。その溜まった魔力によって不調が増強されてしまい、その部分の機能が死んでしまう。また、魔力が溜まったことによって、回復魔法を弾くようになる。魔力病の魔力溜まりは密度が濃いから回復魔法が回復魔法のまま患部に届かないためと言われている。これによって、患者は死に向かっていくんだ』
「そうだったのか……」
ダメだ、なにも思いつかない。
嘘だよ~んとか言える雰囲気じゃない。
『あとはこれらの機能を備えた魔道具を作ればいいんだと思うが』
「わかった。ありがとう家さん。調べてみるよ。お祖父さまにも聞いてみる」
それが良いと思う。
明るくなったフィンに昼食を出してやると美味しそうに食べていった。
ローザは驚愕していたが……早く慣れろ。
とりあえずフィンたちの様子を探っている感じだった怪しい男たちを全員眠らせる。なんてできる家なんだ。
私の手にあるときにフィンの邪魔はさせないよ。
少し王城にも探りを入れておくか……。
「うん」
振出しに戻る……だが、少しすっきりした顔のフィンに私は話す。
『お前の祖父が魔道具職人だったか……」
「そうだよ」
『そのお祖父さんに手伝ってもらうとか、アドバイスしてもらうことはできるか?』
私は魔道具は詳しくない。
ある程度設計してもらえれば作れると思うが……。
「それは大丈夫だと思う。お祖父さまは領地にいるけど、王都からそんなに遠くないし、魔道具職人だから魔道具を使ってきてくれると思う」
ん?
『お祖父さんが魔道具を使うのはいいんだな?』
「うん。お祖父さまが魔道具職人なのはみんな知ってるから」
そうなのか。
区分けが難しい……。
『ちなみにどんな魔道具を作ってるんだ?』
「それこそ送風機とか、コンロとかだね」
『なるほど、家庭用、居住用だから魔導騎士団が反対しないのか』
「そう」
その方向から攻めて、コンロで火炎爆発とかやったら怒られるかな?
『治療の魔道具もその理論でありにならないか?』
「魔導騎士団は治療術師も抱えてるんだ」
『なるほど。治療院やもしかしたら神殿もか?』
「神殿はないと思う。神殿は国とは別だし、魔道具を使ってると思う。ただ、この国ではあまり活用されない」
神殿については私はよくわからない。
昔は私が星の加護を持ってることを嗅ぎつけて何か言ってきたことがあるけど喋れないふりをしてやり過ごした。
200年くらい。
『では、設計をお祖父さんに手伝ってもらうとして、魔力病について説明するぞ?』
「うん!」
顔が明るくなったな。
やはり考えるべきではないことは考えないことが重要だ。
『まず魔力病についての説明だ。そもそも正常な生命体の場合、魔力が全身を循環していることは知っているな?』
「うん。家さんはどうなってるの?」
『私のことはいい』
なぜ急に私の話になるんだ?
私は生命なのだ。巡回しているに決まっているだろう。
……いや、生命なのか?
長い年月の中で何回も思い出そうとしたけど、やっぱり召喚前のことはよく思い出せない。
美しい景色の湖畔のほとりに建っていたということくらいだ。
そもそも私は家なのにどうやって景色を見ていた?
「家さん?」
『あぁ、悪い。続けるぞ。体のどこかに問題が生じてこの循環を止めてしまうのが魔力病の発端だ』
「すみません、口をはさんでしまいますが、体のどこかなのですか?魔力的な問題で発生するわけではないのでしょうか?」
『あぁ、違う。口ははさんでくれていいぞ?なぁフィン』
「もちろんだよ。ローザも気になったことがあったら教えてほしい」
「わかりました」
こういうところは王……かどうかは置いておいて、施政者向きな気はする。
アホな高位貴族だったら下位のものに口を挟まれるのを嫌う場合が多い。
『昔は魔力の問題だと考えられていた。だから様々な魔法が試された。けど、ダメだった。魔力の問題だと思われたのは、この病気が発症すると回復魔法が効かなくなるからだな』
フィンとローザは黙って聞いている。
うずうず……。
『だが、解明されて見ればなんてことはない。不調を生じた体の部位で魔力がうまく循環できなくなり溜まってしまう。その溜まった魔力によって不調が増強されてしまい、その部分の機能が死んでしまう。また、魔力が溜まったことによって、回復魔法を弾くようになる。魔力病の魔力溜まりは密度が濃いから回復魔法が回復魔法のまま患部に届かないためと言われている。これによって、患者は死に向かっていくんだ』
「そうだったのか……」
ダメだ、なにも思いつかない。
嘘だよ~んとか言える雰囲気じゃない。
『あとはこれらの機能を備えた魔道具を作ればいいんだと思うが』
「わかった。ありがとう家さん。調べてみるよ。お祖父さまにも聞いてみる」
それが良いと思う。
明るくなったフィンに昼食を出してやると美味しそうに食べていった。
ローザは驚愕していたが……早く慣れろ。
とりあえずフィンたちの様子を探っている感じだった怪しい男たちを全員眠らせる。なんてできる家なんだ。
私の手にあるときにフィンの邪魔はさせないよ。
少し王城にも探りを入れておくか……。
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