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いざ安住の地へ
<家> 魔力病
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「簡単に言うけど、魔法使いも神殿も治療術師もみんな無理だって言った病気だよ?僕に何ができる」
『私がいる。少なくともお前やこの国の人間よりも……いや、よりというか、違う知識を持った私がな』
そもそもどんな病気なんだ?
「魔力病は不死の病だよ?そんな簡単に……」
『魔力病だと?』
「そうだよ。魔力病だ。だから治せないんだ」
『なんで?』
「なんで?って?魔力病は治せないでしょ?」
『いや、治せるだろう』
「えっ?」
『え?』
「治せるの?」
『治せるというか……昔私に住んだ家族の子供が魔力病にかかったけど、治してたぞ?』
「えぇぇぇええぇえぇえええええええええ」
うるさいな。
「教えて!家さん。お願いだから!」
「家様」
『一応聞いておくが、ローザと言ったか。お前はどう思う?こいつの兄貴が治ることについて』
大反対とか言われたら難しいな。
この女は警備隊員とか言っていたな。ということはこいつは単独で動いていない。
おそらくフィンを守りたい人たち、フィンの派閥の意を汲んでいるはずだ。
どうか反対しませんように。
「もしミカエル様が治るのであれば、それが一番幸せな方法だと思います」
『そうか』
「ローザ……」
それなら話は早い。
『魔力病の治し方は……』
「治し方は?」
あれ?どうだったっけ?
確か……。
うん、魔道具を使ってたことくらいしかわからん。
「家さん?」
「家様?」
2人して玄関の壁に向かって喋ってる。
知らない人が見たら頭おかしくなったのかと思うだろう……。
『魔道具を使っていたのは覚えている』
「魔道具……かぁ」
がっくりとするフィン。
なんだ?魔道具はダメなのか?
『何か問題があるのか?』
「この国ではね、家さん。魔道具はかなり敬遠されているんだ」
『なぜ?』
「魔導騎士団長が嫌っていてね。自分たちの仕事が奪われると思ってるんじゃないかと」
『阿呆だな。今の世界でどれくらい魔道具が使われているのかは知らんが、その威力、効果は間違いなく大きいのに。そして魔導具の目的は使うものの補助だ。魔導騎士ならばより強力な魔導具が使えるだろうに』
「効果が大きいからこそだと思う」
しばらく話したが、この国の魔道具のレベルは相当低かった。
それなら魔力病が治らないのも納得だ。
あれは魔法をはじいてしまうから、普通に回復魔法をかけても絶対治らないんだったかな。思い出してきた。
そして、魔力が意図せず溜まってしまって、それが溜まってしまった臓器を殺してしまう病気だから治療や手術も魔力なしではできないってことだったな。
だから魔道具が必要なのに。
「結局ここに戻るね。魔道具を何とか認めさせないと。そうしないと例え兄上を治しても兄上にとっての障壁ができてしまう」
『魔道具で助けられたものの命に従わない奴が出る?』
「かもしれない。何かと足を引っ張るくらいかもしれないけど」
『それでも邪魔だな』
「うん」
『今考えてもしょうがないな』
「えっ?」
『考えてもしょうがないって言ったんだ。何を考えたってどうせ進まない。なら何かを進めてみるしかない』
「……」
ここまで言ってもまだフィンは及び腰だ。
『もし魔道具が認められたと仮定して進めるのはどうだ?仮に認められたときに治療の魔道具がないのでは話にならない』
「……わかったよ、家さん」
乗ってきた。
フィンもわかってるんだろう。
他に方法がないことが。
このまま上手く転がせればいいんだが、職業を奪われるかもしれない恐怖を持ってる騎士団長とか面倒なことこの上ないな。
『そして私がその魔導騎士団長をぶっ飛ばすから……』
「なんで!?」
なにを驚いているんだ?
『襲撃者を送られてるんだ。やり返すだけだろう?』
「それはダメだよ」
『なぜだ』
「父上が認めない」
なぜそこで出てくるのだ国王よ。
まぁ襲撃者を送り込んでるのは魔導騎士団ではないだろうがな。
『何か言われているのか?』
「彼らもまた民だって。『常時強権によって押さえつければ、その国は腐敗する。王が凡庸な時、王の目が届かない時。様々な場面で行き詰まる。それは避けねばならぬ。国は一代で滅んではならんのだ。それこそ民が倒れる』って」
ド正論だがな……。
しかも国王のセリフ……。
無視はさせられんな、私の家主には。
選定会議で選ぶとはいえ、現国王の意見は強いはずだ。
ここでフィン(の勢力)が魔導騎士団長を誅殺したりしたらそもそも国王に見放されそうだし。
『わかった。ではまず魔道具について考えよう』
今考えてもしょうがないことは捨てておけ。
『私がいる。少なくともお前やこの国の人間よりも……いや、よりというか、違う知識を持った私がな』
そもそもどんな病気なんだ?
「魔力病は不死の病だよ?そんな簡単に……」
『魔力病だと?』
「そうだよ。魔力病だ。だから治せないんだ」
『なんで?』
「なんで?って?魔力病は治せないでしょ?」
『いや、治せるだろう』
「えっ?」
『え?』
「治せるの?」
『治せるというか……昔私に住んだ家族の子供が魔力病にかかったけど、治してたぞ?』
「えぇぇぇええぇえぇえええええええええ」
うるさいな。
「教えて!家さん。お願いだから!」
「家様」
『一応聞いておくが、ローザと言ったか。お前はどう思う?こいつの兄貴が治ることについて』
大反対とか言われたら難しいな。
この女は警備隊員とか言っていたな。ということはこいつは単独で動いていない。
おそらくフィンを守りたい人たち、フィンの派閥の意を汲んでいるはずだ。
どうか反対しませんように。
「もしミカエル様が治るのであれば、それが一番幸せな方法だと思います」
『そうか』
「ローザ……」
それなら話は早い。
『魔力病の治し方は……』
「治し方は?」
あれ?どうだったっけ?
確か……。
うん、魔道具を使ってたことくらいしかわからん。
「家さん?」
「家様?」
2人して玄関の壁に向かって喋ってる。
知らない人が見たら頭おかしくなったのかと思うだろう……。
『魔道具を使っていたのは覚えている』
「魔道具……かぁ」
がっくりとするフィン。
なんだ?魔道具はダメなのか?
『何か問題があるのか?』
「この国ではね、家さん。魔道具はかなり敬遠されているんだ」
『なぜ?』
「魔導騎士団長が嫌っていてね。自分たちの仕事が奪われると思ってるんじゃないかと」
『阿呆だな。今の世界でどれくらい魔道具が使われているのかは知らんが、その威力、効果は間違いなく大きいのに。そして魔導具の目的は使うものの補助だ。魔導騎士ならばより強力な魔導具が使えるだろうに』
「効果が大きいからこそだと思う」
しばらく話したが、この国の魔道具のレベルは相当低かった。
それなら魔力病が治らないのも納得だ。
あれは魔法をはじいてしまうから、普通に回復魔法をかけても絶対治らないんだったかな。思い出してきた。
そして、魔力が意図せず溜まってしまって、それが溜まってしまった臓器を殺してしまう病気だから治療や手術も魔力なしではできないってことだったな。
だから魔道具が必要なのに。
「結局ここに戻るね。魔道具を何とか認めさせないと。そうしないと例え兄上を治しても兄上にとっての障壁ができてしまう」
『魔道具で助けられたものの命に従わない奴が出る?』
「かもしれない。何かと足を引っ張るくらいかもしれないけど」
『それでも邪魔だな』
「うん」
『今考えてもしょうがないな』
「えっ?」
『考えてもしょうがないって言ったんだ。何を考えたってどうせ進まない。なら何かを進めてみるしかない』
「……」
ここまで言ってもまだフィンは及び腰だ。
『もし魔道具が認められたと仮定して進めるのはどうだ?仮に認められたときに治療の魔道具がないのでは話にならない』
「……わかったよ、家さん」
乗ってきた。
フィンもわかってるんだろう。
他に方法がないことが。
このまま上手く転がせればいいんだが、職業を奪われるかもしれない恐怖を持ってる騎士団長とか面倒なことこの上ないな。
『そして私がその魔導騎士団長をぶっ飛ばすから……』
「なんで!?」
なにを驚いているんだ?
『襲撃者を送られてるんだ。やり返すだけだろう?』
「それはダメだよ」
『なぜだ』
「父上が認めない」
なぜそこで出てくるのだ国王よ。
まぁ襲撃者を送り込んでるのは魔導騎士団ではないだろうがな。
『何か言われているのか?』
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しかも国王のセリフ……。
無視はさせられんな、私の家主には。
選定会議で選ぶとはいえ、現国王の意見は強いはずだ。
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