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第9話 ダンジョン探索
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□???
もぞもぞ……もぞもぞ……
仄暗い場所で蠢く何か。
よく見ればそれは無数に存在している。
何かはわからない。
黒い虫のようでもあり、石のようでもある。
モンスターなのかもしれない?
もし人が見れば疑問を感じるだろう。
いや、疑問を感じる前に精神が汚染されて発狂するかもしれない。
それらは一様に同じ方向に向いて蠢いている。
ただ、彼らの進む先もまた仄暗く、なにがあるのかはわからない。
□パルメアの探索者ギルド
「いい?アッシュ、絶対に黙っていてね。そして口を挟まないで。これが守れないならあなたは拠点で待機よ」
「あぁ」
私はきっちりとアッシュに注意する。
これから探索者ギルドで新しくできたダンジョンの調査を行うのだ。
もちろん事前にダリウスたちが調査をしてくれているが、ありきたりな情報ばかりだった。
本当にその通りなら楽な指令で良いのだが、どうにも不安感というか違和感を消せなかった私は自分で調査に赴いたのよ。
どうしてもアッシュが離れてくれないから連れて来てしまったけどね。
「いらっしゃいませ。当ギルドになにか御用でしょうか?」
「こんにちは。私はエルトリア・ハーメット。このパルメアに新しくできたダンジョンについて教えてほしいのよ」
私はルイン伯爵であることは隠しつつ、家名を名乗ることで貴族の子弟を装っている。
この方が話を聞きやすいことが多いためよ。要は舐められないの。
「そうでしたか。ただ、新しいダンジョンということで期待されているのかもしれませんが、神託においても、初期の調査においても低ランクダンジョンですので、あまり調べるようなことはないかと」
しかし、当然かもしれないが予想通りの陳腐な回答しか返ってこない。
まぁこれは表向きどう言われているかの確認でしかないからいいんだけど、情報を持っている人の紹介くらいはお願いしたいわね。
「やはりそうですか。ただ、もしよければ既に探索を行った方などご紹介願えないでしょうか?」
「探索者ですか。それなら……」
「俺が教えてやろうか?」
あまりにもちょろいけど釣れたわね。
後ろから声をかけられたので振り向くと、禿頭で筋肉質でお世辞にもインテリとは言い難い男性が立っていた。
その視線は清清しいほど下卑たもので、顔と胸とお尻とをきっちり順番に凝視した後にもう一度胸に戻った。
あぁ、殴り飛ばしたい。
でも我慢我慢。
私はアッシュが暴走しないように彼の腕を取っておきます。
「お願いしたいわね。そっちの酒場でどう?奢るわ」
「話が早ぇな。そのボンクラ男がいなきゃもっといいんだがな。なぁ姉ちゃん。ステキな夜をお返しするぜ?」
私が全力で抑えているのがわからないのかしら?瞬殺されるからやめてほしい。
ほら、明らかに怒ってる。抑えなさい。
私の頭の中を覗くの禁止しなきゃよかったわ。今こそ覗くときよ!
そんな私の心配をよそに、アッシュは黙々とついてきた。
「なんだよ」
禿頭が訝しんでいるがもう突っかからないでほしい。
「で、なにが聞きたいんだ?」
なぜか急に親切になる禿頭。なぜ?
「今回できたダンジョンに潜ったんでしょ?なにか違和感を感じたりしなかった?」
「あぁ……特に何の特徴もないダンジョンだったぞ?5層まで行って、ボス部屋でボスとして出てきたワイルドボアを倒して戻ってきた」
ふむ……既にクリア済みなのか。
これはもしかしてダンジョン自体の調査が目的じゃなくて、例えばダンジョン探索中に強襲して私たちを捕えたいとかそう言う企みなのかしら?
それとも……?
「そう言えば、パーティーメンバーの斥候がボスを倒した後でも何か気配がするとか言ってたけど、それでもアナウンスとしてクリアしましたっていうのが頭の中に響いたからなぁ。特に低ランクダンジョンとしておかしなことはないと思うんだが」
ボスを倒した後に気配?
通常ダンジョンではボスを倒したからと言って他のモンスターが全部消えるとかそういうことはない。
ボス部屋の前で放置したモンスターがいれば、ボスを倒してボス部屋を出たときに再度戦闘になるようなことは日常茶飯事だ。
「もしボス部屋の中で気配を感じたのなら、それはおかしいわね。でも、アナウンスがあったということはクリア扱いなんだろうし……妙ね」
ボスの仲間が残っているならクリア扱いにはならないが、ボス部屋にボス以外の存在がいることは普通ない。
特定の状況下においてだけ出現するエクストラステージも存在するとは聞いたことがあるけど、高ランクのダンジョン限定の話のはずよね?
うーん、わからないわね。
これ以上は行ってみるしかないかしら。
「エリー、もういいか?」
「ん?」
私が話しながらある程度考えをまとめると、アッシュが突然そんなことを言いだした。目の前にまだ禿頭がいるのに失礼すぎじゃない?怒らないかしら、と思って禿頭を見るが、まるでアッシュの言葉は聞こえていないかのようにそこにいた。
もぞもぞ……もぞもぞ……
仄暗い場所で蠢く何か。
よく見ればそれは無数に存在している。
何かはわからない。
黒い虫のようでもあり、石のようでもある。
モンスターなのかもしれない?
もし人が見れば疑問を感じるだろう。
いや、疑問を感じる前に精神が汚染されて発狂するかもしれない。
それらは一様に同じ方向に向いて蠢いている。
ただ、彼らの進む先もまた仄暗く、なにがあるのかはわからない。
□パルメアの探索者ギルド
「いい?アッシュ、絶対に黙っていてね。そして口を挟まないで。これが守れないならあなたは拠点で待機よ」
「あぁ」
私はきっちりとアッシュに注意する。
これから探索者ギルドで新しくできたダンジョンの調査を行うのだ。
もちろん事前にダリウスたちが調査をしてくれているが、ありきたりな情報ばかりだった。
本当にその通りなら楽な指令で良いのだが、どうにも不安感というか違和感を消せなかった私は自分で調査に赴いたのよ。
どうしてもアッシュが離れてくれないから連れて来てしまったけどね。
「いらっしゃいませ。当ギルドになにか御用でしょうか?」
「こんにちは。私はエルトリア・ハーメット。このパルメアに新しくできたダンジョンについて教えてほしいのよ」
私はルイン伯爵であることは隠しつつ、家名を名乗ることで貴族の子弟を装っている。
この方が話を聞きやすいことが多いためよ。要は舐められないの。
「そうでしたか。ただ、新しいダンジョンということで期待されているのかもしれませんが、神託においても、初期の調査においても低ランクダンジョンですので、あまり調べるようなことはないかと」
しかし、当然かもしれないが予想通りの陳腐な回答しか返ってこない。
まぁこれは表向きどう言われているかの確認でしかないからいいんだけど、情報を持っている人の紹介くらいはお願いしたいわね。
「やはりそうですか。ただ、もしよければ既に探索を行った方などご紹介願えないでしょうか?」
「探索者ですか。それなら……」
「俺が教えてやろうか?」
あまりにもちょろいけど釣れたわね。
後ろから声をかけられたので振り向くと、禿頭で筋肉質でお世辞にもインテリとは言い難い男性が立っていた。
その視線は清清しいほど下卑たもので、顔と胸とお尻とをきっちり順番に凝視した後にもう一度胸に戻った。
あぁ、殴り飛ばしたい。
でも我慢我慢。
私はアッシュが暴走しないように彼の腕を取っておきます。
「お願いしたいわね。そっちの酒場でどう?奢るわ」
「話が早ぇな。そのボンクラ男がいなきゃもっといいんだがな。なぁ姉ちゃん。ステキな夜をお返しするぜ?」
私が全力で抑えているのがわからないのかしら?瞬殺されるからやめてほしい。
ほら、明らかに怒ってる。抑えなさい。
私の頭の中を覗くの禁止しなきゃよかったわ。今こそ覗くときよ!
そんな私の心配をよそに、アッシュは黙々とついてきた。
「なんだよ」
禿頭が訝しんでいるがもう突っかからないでほしい。
「で、なにが聞きたいんだ?」
なぜか急に親切になる禿頭。なぜ?
「今回できたダンジョンに潜ったんでしょ?なにか違和感を感じたりしなかった?」
「あぁ……特に何の特徴もないダンジョンだったぞ?5層まで行って、ボス部屋でボスとして出てきたワイルドボアを倒して戻ってきた」
ふむ……既にクリア済みなのか。
これはもしかしてダンジョン自体の調査が目的じゃなくて、例えばダンジョン探索中に強襲して私たちを捕えたいとかそう言う企みなのかしら?
それとも……?
「そう言えば、パーティーメンバーの斥候がボスを倒した後でも何か気配がするとか言ってたけど、それでもアナウンスとしてクリアしましたっていうのが頭の中に響いたからなぁ。特に低ランクダンジョンとしておかしなことはないと思うんだが」
ボスを倒した後に気配?
通常ダンジョンではボスを倒したからと言って他のモンスターが全部消えるとかそういうことはない。
ボス部屋の前で放置したモンスターがいれば、ボスを倒してボス部屋を出たときに再度戦闘になるようなことは日常茶飯事だ。
「もしボス部屋の中で気配を感じたのなら、それはおかしいわね。でも、アナウンスがあったということはクリア扱いなんだろうし……妙ね」
ボスの仲間が残っているならクリア扱いにはならないが、ボス部屋にボス以外の存在がいることは普通ない。
特定の状況下においてだけ出現するエクストラステージも存在するとは聞いたことがあるけど、高ランクのダンジョン限定の話のはずよね?
うーん、わからないわね。
これ以上は行ってみるしかないかしら。
「エリー、もういいか?」
「ん?」
私が話しながらある程度考えをまとめると、アッシュが突然そんなことを言いだした。目の前にまだ禿頭がいるのに失礼すぎじゃない?怒らないかしら、と思って禿頭を見るが、まるでアッシュの言葉は聞こえていないかのようにそこにいた。
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