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第一章ヒューマニ王国編
出会い(sideドラゴニア帝国)
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一方、ジュールは報告書類にあった神獣がいる場所へと乗り込むべく身体強化して直走っていた。
馬やドラゴンを手配する手間が面倒だった為なのだが、竜帝であるジュールの魔力量は圧倒的でありジュールが走った後には魔力の波動が強く他へと影響する。
突風を巻き起こしながら異常な早さで街中や街道を駆け抜けるジュールに国民は驚き、ジュールの膨大な魔力に充てられて体調不良を訴える者が続出した。
そんな事態になっているとは露程も思っていないジュールはやがて奈落へと続くかの如く大きく口を開いた渓谷を飛び越え、霧の森を抜けた先に目当ての家屋を発見した。
逸る気持ちのまま乱暴に開け放った先には堆然と積まれた書物に埋もれるように突然の訪問に嫌そうな顔の綺麗な容貌の男性とも女性ともつかない人物がジュールを睥睨していた。
嘗て、神の使いとして知られた神獣。女神が最初に創造した生命だと謂われる者が目の前にいる。
それだけでジュールはとてつもなく高揚した。憧れの存在に対面したジュールは一歩近づくと、
「引き籠りって楽しい?」
だった。その瞬間、ジュールは「やらかした」と思ったが、対面する美しい者は小首を傾げ、
「汝は何者か?吾はノア。この家は吾の家だ。汝は誰の赦しで此処へと立ち入った?」
敵意もなければ、悪意もない。ただ純粋な問い。ジュールはこのノアが世間に擦れていないのだろうと直ぐに感じ、また少し興味引かれた。
散らばっている白から青色へとグラデーションになっている美しい髪はノアの動きでさらさらと動く。
「失礼した。私はドラゴニア帝国竜帝をしているジュールと言う。無断で家に押し入ってごめん。良かったらお茶にしないかい?」
爆走途中で色々なものをお土産としてちゃっかりと購入していたジュール。
「む」
早く帰って欲しそうに訴える表情だったが、長い間一人で過ごして来たノアの孤独を少しでも紛らわせたくて、その場に座り込んだ。
嫌そうにしながらもお茶を用意を律儀にするノアに笑みが溢れた。
ノアがお茶の用意をしているのをジュールはじっと見ていた。種族として最後に残されたノア。一人寂しくしているかも知れないとも思ったが、そんな様子もなく、ただ泰然としている様は孤高の存在だと感じた。
高く積まれた書物の上に丁寧に淹れられたお茶が置かれる。
「飲んだら帰るがいい」
長い睫毛を伏せて茶器からお茶を啜るノア。それを横目にジュールも湯気を燻らせるお茶を一口口に含んだ。程好い渋味と甘さ、スッキリとした味と鼻へと抜ける香ばしい匂いを楽しむ。
「ノアはここで何をしているの?」
「吾は本を読んでいる」
「………………え?それだけ?」
「うむ」
「ニートだね」
「ニートとは教育を受けているわけでもなく、定職についているでもなく、その為に色々な努力をしているわけでもない人と言う意味だな」
「うん、まあ」
「吾は楽しいのだがな」
「そう」
ノアの言葉に納得するジュール。確かに退屈しているとかと感じる事はない、寧ろノアの言葉の通りに楽しそうでもある。
自由な時間に自分の好きな事をするノアが少しだけ羨ましいと感じた。
ジュールの侘しく、孤独なのではないかと思った考えを一蹴していくノアにもう少し話していたいと思った。その為には、何度もこの家に訪ねるべく王宮での仕事を一段落させないと考えた。
馬やドラゴンを手配する手間が面倒だった為なのだが、竜帝であるジュールの魔力量は圧倒的でありジュールが走った後には魔力の波動が強く他へと影響する。
突風を巻き起こしながら異常な早さで街中や街道を駆け抜けるジュールに国民は驚き、ジュールの膨大な魔力に充てられて体調不良を訴える者が続出した。
そんな事態になっているとは露程も思っていないジュールはやがて奈落へと続くかの如く大きく口を開いた渓谷を飛び越え、霧の森を抜けた先に目当ての家屋を発見した。
逸る気持ちのまま乱暴に開け放った先には堆然と積まれた書物に埋もれるように突然の訪問に嫌そうな顔の綺麗な容貌の男性とも女性ともつかない人物がジュールを睥睨していた。
嘗て、神の使いとして知られた神獣。女神が最初に創造した生命だと謂われる者が目の前にいる。
それだけでジュールはとてつもなく高揚した。憧れの存在に対面したジュールは一歩近づくと、
「引き籠りって楽しい?」
だった。その瞬間、ジュールは「やらかした」と思ったが、対面する美しい者は小首を傾げ、
「汝は何者か?吾はノア。この家は吾の家だ。汝は誰の赦しで此処へと立ち入った?」
敵意もなければ、悪意もない。ただ純粋な問い。ジュールはこのノアが世間に擦れていないのだろうと直ぐに感じ、また少し興味引かれた。
散らばっている白から青色へとグラデーションになっている美しい髪はノアの動きでさらさらと動く。
「失礼した。私はドラゴニア帝国竜帝をしているジュールと言う。無断で家に押し入ってごめん。良かったらお茶にしないかい?」
爆走途中で色々なものをお土産としてちゃっかりと購入していたジュール。
「む」
早く帰って欲しそうに訴える表情だったが、長い間一人で過ごして来たノアの孤独を少しでも紛らわせたくて、その場に座り込んだ。
嫌そうにしながらもお茶を用意を律儀にするノアに笑みが溢れた。
ノアがお茶の用意をしているのをジュールはじっと見ていた。種族として最後に残されたノア。一人寂しくしているかも知れないとも思ったが、そんな様子もなく、ただ泰然としている様は孤高の存在だと感じた。
高く積まれた書物の上に丁寧に淹れられたお茶が置かれる。
「飲んだら帰るがいい」
長い睫毛を伏せて茶器からお茶を啜るノア。それを横目にジュールも湯気を燻らせるお茶を一口口に含んだ。程好い渋味と甘さ、スッキリとした味と鼻へと抜ける香ばしい匂いを楽しむ。
「ノアはここで何をしているの?」
「吾は本を読んでいる」
「………………え?それだけ?」
「うむ」
「ニートだね」
「ニートとは教育を受けているわけでもなく、定職についているでもなく、その為に色々な努力をしているわけでもない人と言う意味だな」
「うん、まあ」
「吾は楽しいのだがな」
「そう」
ノアの言葉に納得するジュール。確かに退屈しているとかと感じる事はない、寧ろノアの言葉の通りに楽しそうでもある。
自由な時間に自分の好きな事をするノアが少しだけ羨ましいと感じた。
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