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第18話:石で証明する
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翌朝、王宮の石は、昨夜の光をまだ覚えていた。
広間で言った三行は、紙に写され、人の口に移り、舌で形を変える。
砂糖を足す者。塩だけ舐める者。
噂は風。けれど、風は石を運ばない。運ぶのは、人の手と記録だ。
午前、宰相代理が封蝋の硬い手紙を持ってきた。
「殿下。施米の日の『矢』について、近衛の動きに不審あり、との投書が数通」
丸い刃。刺さらないように、椅子の背に背骨を合わせる。
「投書は記録へ。矢は保管庫から。油の匂いを、今日、石の部屋で確かめます」
「直ちに?」
「直ちに」
石の部屋――証物室は窓が小さく、外気の匂いが入らない。
矢は布に包まれていた。糸の結び目は、文官が結んだらしい癖。ほどき、鼻先へ。
強い油ではない。浅い塗り。肉の脂に、蘭油を一滴。
俺は紙に短く書く。『匂い:獣脂+蘭油/薄』
次に矢尻。鉄の目は鈍い。鍛冶の癖。
「東の矢工の癖だな」
ルークが低く言う。冗談は連れてきていない。
「東の矢工へ使いを。『矢羽の切り口』『矢尻の目』の一致を照合。――同時に、屋根なりに残った木粉の回収記録」
文官が走る。足音は騒がない。
午後、控えの席で近衛隊長が待っていた。
「殿下、隊の動きは手順通りです。輪番も固くしました」
「知っています。――今日は手順が正しいか、石で見る」
紙。印。時間。巡回図。
俺は矢の起点と落下角を、石板に線で引く。
「北西の棟。角度はこの範囲。出入り口の鍵は三つ。鍵の管理簿、ここ」
指で示し、線を重ねる。
「その時間、その鍵を扱った者は四名。内訳二名は文庫、二名は近衛」
隊長の喉が短く鳴った。俺は続ける。
「四人全員の手袋。油の匂いと粉の付着を確認。――疑いは出すが、犯人は決めない。決めるのは、石」
夕刻、東の矢工が呼ばれた。手は荒いが、目は静かだ。
布を取ると、彼は矢尻の目を一度だけ見て言った。
「これはうちの目だ。……が、売った覚えのない目でもある」
「どういう意味」
「端材で作った『練習矢』にしか出ない微妙な鈍さ。売り物じゃない。廃棄のはず」
紙に記す。『練習矢/廃棄流出?』
矢工は続ける。
「廃棄を拾って使うのは、獲物より『騒ぎ』が欲しい時」
石は少しずつ積まれ、輪郭を取る。
投書の文字癖。紙の質。宰相代理が無言で並べる。
「三通の紙は同じ束。束は南の店。――だが筆跡は三つとも違う。書かされた者がいる」
ルークが紙を嗅いで笑った。「砂糖の匂いもしない。金の匂いだけ」
夜、父上の執務室。
「息子よ。進捗を」
「矢は東の練習矢。鍵の四名の内、一名の手袋に獣脂の匂い。――ただし、油の匂いは倉の仕事にもつく。石だけでは足りません」
父上は頷く。「ならば、もう一つ石を」
「はい。――屋根の棟までの『梯子』。工房から一基、昨日借り出し。帳面に印あり。借りたのは、城務の若党。……名が出ています」
父上の目は倉の木。落ち着いたまま。重いまま。
「名を呼ぶのは、第三王子か、隊長か」
「隊長に。剣の道は、剣の声で閉じます」
「よい」
―――
翌朝、若党は石の部屋に呼ばれた。
指は震え、目は泳ぐ。
「金で……借りただけで……矢を射ったのは俺じゃ……」
砂糖のない声。塩だけ。
「借りた相手の名」
「……知りません」
「場所」
「……南門の外」
ルークが斜め後ろで、肩だけで笑った。
「南門の外は、人が流れる。『知らない』と言えば、いくらでも逃げられる。――でも、お前の靴に蘭油の匂いがある」
若党は泣きはしなかった。泣かない顔で、目だけが子供だった。
「殿下。俺は……『やれ』と言われた。式の日の言葉の、あとで」
式の日。光の真ん中の三行の、あと。
俺は喉で数字をひとつ。三。
「『やれ』と言ったのは、誰だ」
「袋をくれた女中。袋の中に金と……紙。『矢を折る音が出ればいい』って」
紙。
宰相代理が静かに頷く。
「女中の名を」
出てきた名は、侯爵家に仕える『連絡役』と繋がった。
直接の名は出ない。だが、石の橋の線が一本、確かに繋がる。
女中はすぐに逃げようとした。
逃げる前に、ナハトが立っていた。
走らない。走らないのに、逃げ道がなくなる立ち方。
「お勤め先の名が泣く。――話を」
女中は黙り、やがて小さく頷いた。
「……『賑やかに』って。血はだめだと。矢を折る音だけ。人を動かすなら、数字より音だ、と」
音。
噂が舌で舐めるのは音だ。
けれど、音は石にならない。
俺は紙に最後の線を引く。
『投書:南の紙束。
矢:東の練習矢/廃棄流出。
梯子:借出帳。
女中:指示/金。
若党:運搬。
射手:不明(外部)』
父上に提出する。
「罪は、若党と女中に。それから、外部の手配に。――近衛の動きに不審なし。むしろ、隊は矢を『数字』から守った」
父上は瞳を閉じ、一度だけ頷いた。
「息子よ。石は足りた」
評議の記録に、短く記される。
『近衛の名誉に傷なし。』
砂糖は要らない。塩だけでいい。
壁の前に、小さな扉がもうひとつ、開いた音が、俺には聞こえた。
―――
夕刻。冬の名残が薄い中庭。
影は少し長くなっている。
輪番はまだ固い。けれど許された細い帯が、回廊と柱のあいだに落ちていた。
俺はそこに立ち、胸の前で、とん――は、やっぱりしない。
紙の端をひとつ叩く。
影の楽器。
足音。
彼が来る。
「殿下」
「影」
「影です」
短い沈黙。
言葉を減らしても崩れない場所。
彼は低く、しかし迷いのない拍で言った。
「殿下は、私を守りませんでした」
喉が、ごくりと鳴る。
「……守らなかった?」
「守ったのは、『剣の道』です。手順と記録で。私は、その道の上に、立っていられた」
胸の中の結び目が、強くなる。痛くない。強いだけ。
「守りたかった。……けれど、守り方を間違えたくなかった」
「間違えておられません」
「それでも、嫉妬はした」
「生きている証です」
「生きてる」
「生きている人間として、殿下は『手放さない』と言った」
「言った」
「ならば、私も、『離れない』と言います。――距離は置きますが」
喉の奥で笑いが形になる。影で長持ちする笑い。
「離れない距離の置き方」
「練習は、もう十分」
彼は胸甲の縁に、金を鳴らさず指を落とす。
『立て』でも『来い』でもない。
――『在る』
名前のない合図。けれど、一番古い。
「殿下」
「なに」
「この間、しおりの革紐の端が擦り減っていました」
「知ってる」
「張り替えてもよろしいですか」
「……いいの?」
「『同じ形の結び目は二つ要らない』と言ったのは、首飾りの話です。しおりは、頁を閉じても約束を忘れないようにある」
胸が一度だけ鳴った。
「頼む」
「承りました」
影が揺れる。
春の風の音。
俺は剣帯の金具に触れず、紙の端をもう一度だけ叩いた。
『ありがとう』のつもりで。
音は小さい。届く。
―――
夜。父上から回ってきた評議の写しを閉じ、しおりを挟む。
革紐は、少しだけ痩せている。
明日には、彼の指が選んだ同じ色、同じ幅、同じ硬さの革が、ここに来る。
新しいのに、新しくない。
結び目の位置が、変わらない。
今日の空欄に、三行。
『石で守った。
音ではなく、記録で。
名誉は、砂糖で磨かない。』
小さく足す。
『嫉妬は火。火は台所で使う。人の背ではなく、鍋の下で。』
さらに、未来の印をひとつ。
『しおりを張り替えて、同じ場所に挟む。――橋は、同じ石で続ける。』
胸の前で、とん――は、やっぱり打たない。
代わりに、紙の端をひとつ。影の楽器。
骨の内側で音が静かに響く。十八の音。
唇だけで、名前を呼ぶ。
――ナハト。
五歳の頃は甘く、十一の夜は祈りで、十五の冬は選ぶ音。
十八の今は、証明の音。
選んで、置いた。置いて、歩く。王子だから。欲張りだから。叶えるために。
俺はお前が好きだ。
手放さない、と光の真ん中で言った。
なら、証拠も、道も、橋も、石で作る。
砂糖は控えめに。塩をひとつまみ。
結び目は、ほどかない。
――そして、同じ場所に挟み直す。
広間で言った三行は、紙に写され、人の口に移り、舌で形を変える。
砂糖を足す者。塩だけ舐める者。
噂は風。けれど、風は石を運ばない。運ぶのは、人の手と記録だ。
午前、宰相代理が封蝋の硬い手紙を持ってきた。
「殿下。施米の日の『矢』について、近衛の動きに不審あり、との投書が数通」
丸い刃。刺さらないように、椅子の背に背骨を合わせる。
「投書は記録へ。矢は保管庫から。油の匂いを、今日、石の部屋で確かめます」
「直ちに?」
「直ちに」
石の部屋――証物室は窓が小さく、外気の匂いが入らない。
矢は布に包まれていた。糸の結び目は、文官が結んだらしい癖。ほどき、鼻先へ。
強い油ではない。浅い塗り。肉の脂に、蘭油を一滴。
俺は紙に短く書く。『匂い:獣脂+蘭油/薄』
次に矢尻。鉄の目は鈍い。鍛冶の癖。
「東の矢工の癖だな」
ルークが低く言う。冗談は連れてきていない。
「東の矢工へ使いを。『矢羽の切り口』『矢尻の目』の一致を照合。――同時に、屋根なりに残った木粉の回収記録」
文官が走る。足音は騒がない。
午後、控えの席で近衛隊長が待っていた。
「殿下、隊の動きは手順通りです。輪番も固くしました」
「知っています。――今日は手順が正しいか、石で見る」
紙。印。時間。巡回図。
俺は矢の起点と落下角を、石板に線で引く。
「北西の棟。角度はこの範囲。出入り口の鍵は三つ。鍵の管理簿、ここ」
指で示し、線を重ねる。
「その時間、その鍵を扱った者は四名。内訳二名は文庫、二名は近衛」
隊長の喉が短く鳴った。俺は続ける。
「四人全員の手袋。油の匂いと粉の付着を確認。――疑いは出すが、犯人は決めない。決めるのは、石」
夕刻、東の矢工が呼ばれた。手は荒いが、目は静かだ。
布を取ると、彼は矢尻の目を一度だけ見て言った。
「これはうちの目だ。……が、売った覚えのない目でもある」
「どういう意味」
「端材で作った『練習矢』にしか出ない微妙な鈍さ。売り物じゃない。廃棄のはず」
紙に記す。『練習矢/廃棄流出?』
矢工は続ける。
「廃棄を拾って使うのは、獲物より『騒ぎ』が欲しい時」
石は少しずつ積まれ、輪郭を取る。
投書の文字癖。紙の質。宰相代理が無言で並べる。
「三通の紙は同じ束。束は南の店。――だが筆跡は三つとも違う。書かされた者がいる」
ルークが紙を嗅いで笑った。「砂糖の匂いもしない。金の匂いだけ」
夜、父上の執務室。
「息子よ。進捗を」
「矢は東の練習矢。鍵の四名の内、一名の手袋に獣脂の匂い。――ただし、油の匂いは倉の仕事にもつく。石だけでは足りません」
父上は頷く。「ならば、もう一つ石を」
「はい。――屋根の棟までの『梯子』。工房から一基、昨日借り出し。帳面に印あり。借りたのは、城務の若党。……名が出ています」
父上の目は倉の木。落ち着いたまま。重いまま。
「名を呼ぶのは、第三王子か、隊長か」
「隊長に。剣の道は、剣の声で閉じます」
「よい」
―――
翌朝、若党は石の部屋に呼ばれた。
指は震え、目は泳ぐ。
「金で……借りただけで……矢を射ったのは俺じゃ……」
砂糖のない声。塩だけ。
「借りた相手の名」
「……知りません」
「場所」
「……南門の外」
ルークが斜め後ろで、肩だけで笑った。
「南門の外は、人が流れる。『知らない』と言えば、いくらでも逃げられる。――でも、お前の靴に蘭油の匂いがある」
若党は泣きはしなかった。泣かない顔で、目だけが子供だった。
「殿下。俺は……『やれ』と言われた。式の日の言葉の、あとで」
式の日。光の真ん中の三行の、あと。
俺は喉で数字をひとつ。三。
「『やれ』と言ったのは、誰だ」
「袋をくれた女中。袋の中に金と……紙。『矢を折る音が出ればいい』って」
紙。
宰相代理が静かに頷く。
「女中の名を」
出てきた名は、侯爵家に仕える『連絡役』と繋がった。
直接の名は出ない。だが、石の橋の線が一本、確かに繋がる。
女中はすぐに逃げようとした。
逃げる前に、ナハトが立っていた。
走らない。走らないのに、逃げ道がなくなる立ち方。
「お勤め先の名が泣く。――話を」
女中は黙り、やがて小さく頷いた。
「……『賑やかに』って。血はだめだと。矢を折る音だけ。人を動かすなら、数字より音だ、と」
音。
噂が舌で舐めるのは音だ。
けれど、音は石にならない。
俺は紙に最後の線を引く。
『投書:南の紙束。
矢:東の練習矢/廃棄流出。
梯子:借出帳。
女中:指示/金。
若党:運搬。
射手:不明(外部)』
父上に提出する。
「罪は、若党と女中に。それから、外部の手配に。――近衛の動きに不審なし。むしろ、隊は矢を『数字』から守った」
父上は瞳を閉じ、一度だけ頷いた。
「息子よ。石は足りた」
評議の記録に、短く記される。
『近衛の名誉に傷なし。』
砂糖は要らない。塩だけでいい。
壁の前に、小さな扉がもうひとつ、開いた音が、俺には聞こえた。
―――
夕刻。冬の名残が薄い中庭。
影は少し長くなっている。
輪番はまだ固い。けれど許された細い帯が、回廊と柱のあいだに落ちていた。
俺はそこに立ち、胸の前で、とん――は、やっぱりしない。
紙の端をひとつ叩く。
影の楽器。
足音。
彼が来る。
「殿下」
「影」
「影です」
短い沈黙。
言葉を減らしても崩れない場所。
彼は低く、しかし迷いのない拍で言った。
「殿下は、私を守りませんでした」
喉が、ごくりと鳴る。
「……守らなかった?」
「守ったのは、『剣の道』です。手順と記録で。私は、その道の上に、立っていられた」
胸の中の結び目が、強くなる。痛くない。強いだけ。
「守りたかった。……けれど、守り方を間違えたくなかった」
「間違えておられません」
「それでも、嫉妬はした」
「生きている証です」
「生きてる」
「生きている人間として、殿下は『手放さない』と言った」
「言った」
「ならば、私も、『離れない』と言います。――距離は置きますが」
喉の奥で笑いが形になる。影で長持ちする笑い。
「離れない距離の置き方」
「練習は、もう十分」
彼は胸甲の縁に、金を鳴らさず指を落とす。
『立て』でも『来い』でもない。
――『在る』
名前のない合図。けれど、一番古い。
「殿下」
「なに」
「この間、しおりの革紐の端が擦り減っていました」
「知ってる」
「張り替えてもよろしいですか」
「……いいの?」
「『同じ形の結び目は二つ要らない』と言ったのは、首飾りの話です。しおりは、頁を閉じても約束を忘れないようにある」
胸が一度だけ鳴った。
「頼む」
「承りました」
影が揺れる。
春の風の音。
俺は剣帯の金具に触れず、紙の端をもう一度だけ叩いた。
『ありがとう』のつもりで。
音は小さい。届く。
―――
夜。父上から回ってきた評議の写しを閉じ、しおりを挟む。
革紐は、少しだけ痩せている。
明日には、彼の指が選んだ同じ色、同じ幅、同じ硬さの革が、ここに来る。
新しいのに、新しくない。
結び目の位置が、変わらない。
今日の空欄に、三行。
『石で守った。
音ではなく、記録で。
名誉は、砂糖で磨かない。』
小さく足す。
『嫉妬は火。火は台所で使う。人の背ではなく、鍋の下で。』
さらに、未来の印をひとつ。
『しおりを張り替えて、同じ場所に挟む。――橋は、同じ石で続ける。』
胸の前で、とん――は、やっぱり打たない。
代わりに、紙の端をひとつ。影の楽器。
骨の内側で音が静かに響く。十八の音。
唇だけで、名前を呼ぶ。
――ナハト。
五歳の頃は甘く、十一の夜は祈りで、十五の冬は選ぶ音。
十八の今は、証明の音。
選んで、置いた。置いて、歩く。王子だから。欲張りだから。叶えるために。
俺はお前が好きだ。
手放さない、と光の真ん中で言った。
なら、証拠も、道も、橋も、石で作る。
砂糖は控えめに。塩をひとつまみ。
結び目は、ほどかない。
――そして、同じ場所に挟み直す。
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