シルバーバレットイントゥーザスター

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第34話:新婚生活と逃げ場のない宴

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結婚式が終わり、俺とタリスはようやく新婚生活をスタートさせた。

旅行はどこにしようかと、夜更けにタリスと地図を広げて考えてみる。

「南の温泉地もいいけど……海も見たいな。」

「……砂漠のオアシスも悪くない。」

「……のんびり考えようか。」

「……そうだな。」

そんな穏やかな時間を過ごしたのも束の間、夜になると屋敷の大広間にて新婚祝いの宴が開かれた。

弟子たちや領民、隣国からの友人まで集まり、あちこちで酒や料理が飛び交う。

「タリス!これまでのことを思い出すと涙が出るぞ!」

酔っぱらった父がタリスの肩を抱き、わんわん泣きながらバシバシ叩き始めた。

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ……っ痛い痛い痛い!!!」

戦場でも無傷だったタリスが、父の愛のこもった叩きに一番のダメージを負っているのだからおかしいやら心配やらで、俺は思わず吹き出しそうになる。

「タリス、がんばれー!」とランゼが後ろから声援を送っているのも可笑しい。

―――

 隣の席では、母が優雅にデザートをつまみながらにこやかにこちらを見ている。

「ねえリセル、夜の方はどうなの?」

「ま、ままままままっ……!!?」

母のさらっとした下ネタに、顔が一気に真っ赤になる。

タリスは飲み物を盛大に吹き出して咳き込み、弟子たちは耳をそばだててにやにやしている。

「ちょ、母さん!そ、その話は今じゃない!!!」

「ふふふ、だって気になるじゃない?」

―――

 さらに隅の方では、おじいちゃんとおばあちゃんが弟子たちを囲んでいた。

「いいかね、よい夫婦とはな……。」

「そうそう、支え合うことが大事なのよ……。」

「ちょ、じいちゃんばあちゃん、弟子たちをたぶらかさないで!」

弟子たちは「はい!」と真剣にメモを取っているし、もう収拾がつかない。気づけば大広間のどこを見ても逃げ場がなかった。

「……リセル、大丈夫か?」とタリスが小声で耳打ちしてくる。

「……無理!逃げ場がない!!!」

笑い声と拍手と乾杯の音が渦巻く中、俺は真っ赤な顔でタリスの腕をぎゅっと握った。

タリスも同じように照れながら、でもどこか嬉しそうに俺の手を握り返す。

(……これが、わたしたちの新婚生活かぁ……。)

宴は夜遅くまで続き、屋敷中に笑い声が響き渡っていた。
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