転生悪役令嬢は断罪による国外追放をお望みです。

文字の大きさ
7 / 12

第7話 皇帝の溺愛、重すぎます!

しおりを挟む
婚約発表から数日。
わたくしの生活は――一変した。

「アリサ、花が好きだと聞いた。毎朝届けさせよう」

そう言われた翌日、寝室を開けると床一面が真紅の薔薇で埋め尽くされていた。

(……いやいやいや! 嬉しいけどこれ、歩く場所がないんですけど!?)

―――

昼食の時間。

「アリサ。食事は口に合うか? 足りぬならば料理人を総入れ替えするが」

「い、いえ、結構です! 充分美味しいです!」

「そうか……ならば、彼らの給金を三倍に引き上げよう」

(ちょっと待って!? 私が“美味しい”って言っただけで、料理人が昇給!? 帝国の財政が崩壊するわよ!)

―――

そして夜。

「アリサ、眠れぬのか?」
「ちょ、ちょっと考えごとをしていただけですわ!」

「ならば、私が傍にいよう」

……と言って、当然のようにベッドの脇の椅子に腰を下ろす皇帝。

(ちょ、ストーカー!? いや、皇帝がストーカーってどういう事態!?)

―――

――こうして、朝から晩まで。
溺愛、過保護、過剰な心配。

そのすべてが「帝国皇帝直々」に降り注いでくるのだ。

(重い! 重すぎる! いや、確かに愛されてるのはわかるんだけど! 圧が強すぎて息苦しいのよぉぉぉ!)

思わずベッドの上で転げ回るわたくし。
けれど翌朝には、また新たな溺愛イベントが用意されているのだから恐ろしい。

「アリサ、今日は政務をすべて終わらせた。……共に散歩に行こう」
「え!? いや、政務ってそんな軽く片付けるものじゃ――」
「お前のためならば、どんな雑務も一瞬で終わる」

(うわぁぁぁ、もうダメだ! 押し潰される!! でも、ちょっとだけ嬉しいのが悔しい~~!!)

こうして、楽に婚活して玉の輿に乗るはずだったわたくしの人生は、
「溺愛皇帝の重すぎる愛」に振り回される日々へと突入したのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい

三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。 そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。

聖女の力は使いたくありません!

三谷朱花
恋愛
目の前に並ぶ、婚約者と、気弱そうに隣に立つ義理の姉の姿に、私はめまいを覚えた。 ここは、私がヒロインの舞台じゃなかったの? 昨日までは、これまでの人生を逆転させて、ヒロインになりあがった自分を自分で褒めていたのに! どうしてこうなったのか、誰か教えて! ※アルファポリスのみの公開です。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

悪役令嬢、婚約破棄されたので見返してみたら今さら溺愛されました

sika
恋愛
婚約者に裏切られ、婚約破棄された悪役令嬢リリアナ。 涙も枯れたそのとき、彼女は決意する。「もう誰にも侮られない」。 隣国で自立し、転生者の知識で成功を手にした彼女の前に、今さら後悔した元婚約者が現れる――。 これは、“ざまぁ”と“溺愛”が交差する、逆転恋愛ストーリー。 プライドを捨てた王子、傷ついても立ち上がる令嬢。 求め合う二人の行方は、赦しか、それとも別れか――。

「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します

スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」 眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。 隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。 エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。 しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。 彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。 「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」 裏切りへのカウントダウンが今、始まる。 スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!

魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす

三谷朱花
恋愛
 ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。  ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。  伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。  そして、告げられた両親の死の真相。  家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。    絶望しかなかった。  涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。  雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。  そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。  ルーナは死を待つしか他になかった。  途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。  そして、ルーナがその温もりを感じた日。  ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。

婚約破棄されたので辺境伯令嬢は自由に生きます~冷酷公爵の過保護が過ぎて困ります!~

sika
恋愛
「君のような女と婚約していたなど、恥だ!」 公爵嫡男に突然婚約を破棄された辺境伯令嬢リーゼは、すべてを捨てて故郷の領地へ戻る決意をした。 誰にも期待せず、ひっそりと生きようとするリーゼの前に現れたのは、冷酷と噂される隣国の公爵・アルヴィン。 彼はなぜかリーゼにだけ穏やかで優しく、彼女を守ることに執着していて――。 「君はもう誰にも踏みにじられない。俺が保証しよう」 呪いのような過去を断ち切り、真実の愛を掴むざまぁ×溺愛ラブストーリー!

ご愁傷様です~「冴えない女」と捨てられた私が、王妃になりました~

有賀冬馬
恋愛
「地味な君とは釣り合わない」――私は、婚約者の騎士エルマーにそう告げられ、婚約破棄された。病弱で目立たない私は、美しい妹と比べられ、家族からも冷遇されてきた。 居場所を失い、ひっそり暮らしていたある日、市場で助けた老人が、なんとこの国の若き国王陛下で!? 彼と私は密かに逢瀬を重ねるように。 「愚かな男には一生かかっても分かるまい。私は、彼女のような女性を誇りに思う」妃選びの場で告げられた国王陛下の一言に、貴族社会は騒然。

処理中です...