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第六章 基地への潜入
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一週間後。
俺たちはついに、自衛隊の基地の前に立っていた。
灰色のフェンスの向こうには、広い敷地と、迷彩服の人たちが歩いている。
太陽の光を受けて、金属の塀がやけにまぶしく見えた。
「ここからが本番だな……」
ケンタがゴクリと唾を飲み込む。
俺たちの自由研究ノートは完璧。質問集だって覚え込んだ。
でも、胸の奥はドクドク鳴りっぱなしだ。
今日の目的は――インタビューじゃない。サイレンを鳴らすこと。
未来を変えるための、唯一の手段。
門の前に立つと、田村一等陸士が気づいて、笑顔で手を振った。
「おう、来たか。自由研究だな?」
「はい!」
俺たちは声を揃えた。
案内されるまま基地の中へ。
コンクリートの建物、整列する車両、鉄の匂い……すべてが非日常で、胸が高鳴った。
「わぁ……」とミナが小声で漏らす。
「映画みたいだな……」とユウタも目を丸くする。
俺はただ、心臓が爆発しそうなのを必死で押さえていた。
「ここが司令部だ」
田村が指さしたのは、大きな建物。
俺たちは中に入れてもらい、いくつかの部屋を案内された。
「ここは訓練計画を立てる部屋」
「こっちは通信室」
どれも大人の世界そのもので、正直チンプンカンプンだ。
だけど、俺たちの目は別の場所を探していた。
――サイレンのある場所。
「ところで田村さん!」
ケンタがわざとらしく声を張った。
「避難訓練って、どうやってサイレンを鳴らすんですか?」
田村は少し考えてから、苦笑いした。
「お前ら、本当にそればっかり気にするな」
「だって、将来役に立つかもしれないじゃないですか!」
「将来、ねぇ……」
田村は肩をすくめて、俺たちを部屋の奥へ案内した。
そこには、壁に据え付けられた大きな装置があった。
赤いボタンがひとつ、中央に鎮座している。
「これだ」
田村が真剣な声で言った。
「非常時に押される警報装置。これが鳴れば、町中にサイレンが響き渡る」
俺たちは息をのんだ。
目の前にある。未来を変える鍵が。
「でも、訓練以外で押したら大変なことになるぞ」
田村が俺たちを見て、冗談めかして笑った。
「悪ふざけじゃすまないからな」
「は、はい……!」
俺たちは必死にうなずいた。
けど心の中では――今すぐにでも押してしまいたい衝動に駆られていた。
でもダメだ。今はまだ。
爆弾が落ちる日、その時に絶対に押すんだ。
基地を出た帰り道、俺たちは互いに顔を見合わせた。
「見つけたな……」
「うん。あれさえ押せば、みんな助かる!」
「絶対にやろうな!」
小さな拳を突き合わせる。
俺たちの未来は、あの赤いボタンに託された。
だけど。
その夜、俺は寝床でずっと考えていた。
もし失敗したら?
もし誰にも信じてもらえなかったら?
……もし、俺たちが捕まってしまったら?
不安は尽きなかった。
だけど、未来の手紙が頭をよぎる。
――「どうか、過去のあなたたちが、この未来を変えてください」
あの言葉が、俺の背中を押していた。
俺たちはついに、自衛隊の基地の前に立っていた。
灰色のフェンスの向こうには、広い敷地と、迷彩服の人たちが歩いている。
太陽の光を受けて、金属の塀がやけにまぶしく見えた。
「ここからが本番だな……」
ケンタがゴクリと唾を飲み込む。
俺たちの自由研究ノートは完璧。質問集だって覚え込んだ。
でも、胸の奥はドクドク鳴りっぱなしだ。
今日の目的は――インタビューじゃない。サイレンを鳴らすこと。
未来を変えるための、唯一の手段。
門の前に立つと、田村一等陸士が気づいて、笑顔で手を振った。
「おう、来たか。自由研究だな?」
「はい!」
俺たちは声を揃えた。
案内されるまま基地の中へ。
コンクリートの建物、整列する車両、鉄の匂い……すべてが非日常で、胸が高鳴った。
「わぁ……」とミナが小声で漏らす。
「映画みたいだな……」とユウタも目を丸くする。
俺はただ、心臓が爆発しそうなのを必死で押さえていた。
「ここが司令部だ」
田村が指さしたのは、大きな建物。
俺たちは中に入れてもらい、いくつかの部屋を案内された。
「ここは訓練計画を立てる部屋」
「こっちは通信室」
どれも大人の世界そのもので、正直チンプンカンプンだ。
だけど、俺たちの目は別の場所を探していた。
――サイレンのある場所。
「ところで田村さん!」
ケンタがわざとらしく声を張った。
「避難訓練って、どうやってサイレンを鳴らすんですか?」
田村は少し考えてから、苦笑いした。
「お前ら、本当にそればっかり気にするな」
「だって、将来役に立つかもしれないじゃないですか!」
「将来、ねぇ……」
田村は肩をすくめて、俺たちを部屋の奥へ案内した。
そこには、壁に据え付けられた大きな装置があった。
赤いボタンがひとつ、中央に鎮座している。
「これだ」
田村が真剣な声で言った。
「非常時に押される警報装置。これが鳴れば、町中にサイレンが響き渡る」
俺たちは息をのんだ。
目の前にある。未来を変える鍵が。
「でも、訓練以外で押したら大変なことになるぞ」
田村が俺たちを見て、冗談めかして笑った。
「悪ふざけじゃすまないからな」
「は、はい……!」
俺たちは必死にうなずいた。
けど心の中では――今すぐにでも押してしまいたい衝動に駆られていた。
でもダメだ。今はまだ。
爆弾が落ちる日、その時に絶対に押すんだ。
基地を出た帰り道、俺たちは互いに顔を見合わせた。
「見つけたな……」
「うん。あれさえ押せば、みんな助かる!」
「絶対にやろうな!」
小さな拳を突き合わせる。
俺たちの未来は、あの赤いボタンに託された。
だけど。
その夜、俺は寝床でずっと考えていた。
もし失敗したら?
もし誰にも信じてもらえなかったら?
……もし、俺たちが捕まってしまったら?
不安は尽きなかった。
だけど、未来の手紙が頭をよぎる。
――「どうか、過去のあなたたちが、この未来を変えてください」
あの言葉が、俺の背中を押していた。
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