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第15話:名前のない想いは、もうただの“親友”ではなかった
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――誕生日の夜、星の下で並んだあの瞬間から。
僕の中で何かが、静かに崩れていった。
いや、もしかしたら崩れていたのではない。
最初から、それは“違っていた”のだ。
「親友」として。
「護衛」として。
「騎士見習い」として。
カノン様の隣にいられる理由は、いくらでもあった。
でも。
「僕にとっては……カノン様が、今ここにいるだけで、世界のすべてです。」
あの言葉は、どれにも当てはまらなかった。
そう、あれはただ――
(この人が、誰のものにもならなければいいのに。)
そんな願いに似た呪いだった。
「アレスー、おはよう。」
「……おはようございます、カノン様。」
笑顔で声をかけてくれるカノン様に、いつも通り頭を下げる。
でも、胸の内では鼓動が速くなっている。
(この声を、誰にも聞かれたくない。)
(この手を、誰にも握らせたくない。)
(この微笑みを、僕だけのものにしたい。)
“おかしい”と自覚はある。
でも、それが止まらない。
わかってしまったから。
――これは、愛だ。
異常な、歪んだ、幼い、それでも確かに芽生えてしまった感情。
彼が誰かに微笑むたび、優しくするたび、離れていくたび、胸が、ちくりと痛んだ。
(あの日、閉じ込めた時も。)
(あの夜、泣いてしまった時も。)
(今日、隣にいられる幸せに震えてしまった時も。)
全部、愛だったんだ。
「……アレス? なんか顔赤いけど、熱でもある?」
「い、いえ……! 大丈夫です、ほんの少し日が強かっただけで。」
「そっかー。無理すんなよ?また倒れられたら心配するから。」
そんな言葉を、どうして“恋”と結びつけてしまうのか。
それは、きっともう……戻れないからだ。
カノン様は、まだ何も気づいていない。
でも、この気持ちは、もう止まらない。
僕は――
(“親友”でいられなくなってしまう。)
そのことに、気づいてしまった。
アレス=クラヴィス、4歳目前。
この日、彼は“名前のない感情”を、愛という名で認めてしまった。
僕の中で何かが、静かに崩れていった。
いや、もしかしたら崩れていたのではない。
最初から、それは“違っていた”のだ。
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でも。
「僕にとっては……カノン様が、今ここにいるだけで、世界のすべてです。」
あの言葉は、どれにも当てはまらなかった。
そう、あれはただ――
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そんな願いに似た呪いだった。
「アレスー、おはよう。」
「……おはようございます、カノン様。」
笑顔で声をかけてくれるカノン様に、いつも通り頭を下げる。
でも、胸の内では鼓動が速くなっている。
(この声を、誰にも聞かれたくない。)
(この手を、誰にも握らせたくない。)
(この微笑みを、僕だけのものにしたい。)
“おかしい”と自覚はある。
でも、それが止まらない。
わかってしまったから。
――これは、愛だ。
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でも、この気持ちは、もう止まらない。
僕は――
(“親友”でいられなくなってしまう。)
そのことに、気づいてしまった。
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