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二百九十四話 真実2
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「......タチ......アナ......」
バーゼンは今自分が見ている光景が
信じられなかった。
右腕を切り落とされて痛がるカクバの
隣には、血に染まったナイフを
持っているタチアナがいた。
まさか......いや、そんなことは
あり得ないのだよ。
タチアナがカクバの腕を切り落とす
など、あるはずがない。
きっと魔王が......
そう考えて再び階段の上にいた
魔王に目を移したが、魔王は
未だ倒れたままだった。
「......え......」
鬼灯、そして座ったまま動けない
ヨーテルも全くバーゼンと同じ
反応をしていた。
「ふむ......まあ、悪くない......」
すると、唐突にタチアナは
何かぶつぶつ呟いて、自分の体を
触り始めた。
その謎の行動を不気味に感じた
バーゼンだったが、まずは
切り口から血を流し続ける
カクバの治療をと、うずくまる
彼に駆け寄る。
「カクバ! 傷口を──」
「バーゼン!!! 逃げろ!!
危険だ!」
「何を言っているのだよ。魔王は
あの通り倒れている。今がチャンスだ。」
「ちげぇよ......そうじゃねぇ......」
痛みで上手く話せないカクバは、
傷口を確認してくるバーゼンに
何かを伝えようとしていた。
「それより、一体何が起こったのだよ。
その腕は魔王にやられたのか?」
「......ちがぅ......っ! この腕は
魔王じゃねえ!」
「? では誰が──」
その時、バーゼンは何者かに
とてつもない力で蹴り飛ばされた。
「グハッ!!」
バーゼンはそのまま壁に激突して
しまったが、何とか自分を蹴った
張本人を確認しようと顔を上げた。
そこにいたのは......
「身体能力はやや元の体に
欠けるが......人間のメスにしては
十分だな。」
謎の発言を続けるタチアナだった。
声はいつも通りだが、一つだけ
いつもの彼女とは全く違うところが
あった。
それは、タチアナの体に刺青のような
模様が表れていたこと。
そして、その模様は魔王に
あった物と全く一緒だった。
バーゼンは今自分が見ている光景が
信じられなかった。
右腕を切り落とされて痛がるカクバの
隣には、血に染まったナイフを
持っているタチアナがいた。
まさか......いや、そんなことは
あり得ないのだよ。
タチアナがカクバの腕を切り落とす
など、あるはずがない。
きっと魔王が......
そう考えて再び階段の上にいた
魔王に目を移したが、魔王は
未だ倒れたままだった。
「......え......」
鬼灯、そして座ったまま動けない
ヨーテルも全くバーゼンと同じ
反応をしていた。
「ふむ......まあ、悪くない......」
すると、唐突にタチアナは
何かぶつぶつ呟いて、自分の体を
触り始めた。
その謎の行動を不気味に感じた
バーゼンだったが、まずは
切り口から血を流し続ける
カクバの治療をと、うずくまる
彼に駆け寄る。
「カクバ! 傷口を──」
「バーゼン!!! 逃げろ!!
危険だ!」
「何を言っているのだよ。魔王は
あの通り倒れている。今がチャンスだ。」
「ちげぇよ......そうじゃねぇ......」
痛みで上手く話せないカクバは、
傷口を確認してくるバーゼンに
何かを伝えようとしていた。
「それより、一体何が起こったのだよ。
その腕は魔王にやられたのか?」
「......ちがぅ......っ! この腕は
魔王じゃねえ!」
「? では誰が──」
その時、バーゼンは何者かに
とてつもない力で蹴り飛ばされた。
「グハッ!!」
バーゼンはそのまま壁に激突して
しまったが、何とか自分を蹴った
張本人を確認しようと顔を上げた。
そこにいたのは......
「身体能力はやや元の体に
欠けるが......人間のメスにしては
十分だな。」
謎の発言を続けるタチアナだった。
声はいつも通りだが、一つだけ
いつもの彼女とは全く違うところが
あった。
それは、タチアナの体に刺青のような
模様が表れていたこと。
そして、その模様は魔王に
あった物と全く一緒だった。
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