元天才子役の美少年だった俺が、元ヒーローのせいで開発されてしまいそう

サトー

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★お返事

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「あ、ううっ……んっ、んんっ……」

 犯されるということは、とてもヒドイ目に合わされるのだと思っていたけど、圭太さんは痛いことも怖いこともしなかった。
 ちゃんと床に転がっている俺の二泊三日分はある荷物の中からコンドームとローションも見つけ出してくれた。

 でも、電気は消してくれないうえに、俺にいっぱい恥ずかしい格好をさせる。今だって、四つん這いにさせられて、圭太さんの太い指が何度も出し入れされている。

「あっ……! あ、ん、んんっ、そこ、だめ、いやっ……」
「ここを押すと、いつも」

 可愛い声で鳴く、と囁かれるのに必死で首を横に振った。さっき俺が言った言葉でいじめてくるなんてヒドイ……と思いながらも、「中、スゴイ。うねってる」「全部丸見えだけどいいの?」と圭太さんに言葉で責められるとすごく感じてしまう。

 いつもの「空、好きだよ」って、優しく安心させるように、ぎゅって抱き締められながらするエッチが大好きだったはずなのに、正直言ってこれはこれですごくイイ。 優しくて素朴な圭太さんの、普段は絶対に見せてくれないような一面が感じられて、その度に指を締め付けてしまう。
 前に圭太さんは 「空はいつも『好き』って顔に出てるから、言われなくてもわかるよ」って言っていた。きっと今だって、俺が「好き、圭太さん、好き。早く欲しい」と感じているのも伝わっている。


「こんなに欲しがられてヒクヒクされたら、すぐ入っちゃうだろうな……」
「あっ……」

 仰向けに寝かされた後、ローションでぬるぬるになったソコへ、熱くて硬いモノがあてがわれる。圭太さんの言う通りで、指でほぐされた場所が切なく疼いてひくついてるのが自分でもわかった。

「ほら、抵抗しないと、空の中にどんどん入ってきちゃう」
「やあっ……いやだあっ……!」

  いつもの、俺の体を気遣って慎重にされるのとは違って、ずぷずぷとぺニスが入って来るのを見せつけるためにゆっくり挿入される。足首を持ち上げられて、思いきり足を開いた格好になる。本当に犯されてしまう、と思いながらも、その光景から目が離せない。
 恥ずかしい、見ないで、と顔も体も熱いのに、俺のぺニスは痛いくらいに勃起していて、先走りがたらたらと垂れていた。

「美味しそうに根元まで咥え込んで……」
「やだっ……! みないで、いやっ……ああっ……」

 どうしてだろう。恥ずかしいことや意地悪を言われると、「やだ」と言いつつ、気持ちよくて堪らない。こんな快感は知らなかったのに、圭太さんのせいで、このままだとクセになってしまう。

「あ、んっ、奥、だめ……」

 体勢のせいなのか、いつもより奥まで挿入されている気がする。全部見られてしまうのに、圭太さんのモノの形や大きさを少しでも感じようと、締め付けたり、自分でモゾモゾ動いたりして、いっぱい味わった。

 圭太さんは「ほら、ご褒美」と抜けるギリギリの位置から一気に奥まで挿入、を何度も繰り返しながら、俺が気持ちよくなれる場所を探り当てて、ソコを突いてくる。

「ひゃっ……、あっ、あっ、あっ、いく、いっちゃう……」
「……もうちょっと、付き合って」
「へっ!? やだあ、もういかせて……」

 繋がったまま圭太さんに体を抱き起こされて、そのまま下から突き上げられる。片方の乳首をグリグリつねられながら、乱暴に口づけられて、閉じた俺の目には涙が滲んでいた。こんなに気持ちいいなんてズルイよ、と必死で圭太さんに抱き付いた。

 その日は、一気に四つもコンドームを使ってしまった。



 初めて圭太さんにたくさん責められた日の翌朝。
 圭太さんは俺が「イヤ」と言いつつも感じていて、最後は自分から「もっと犯してください」と、お尻を突き出してねだってきたことも全部覚えているんだろうけど、大人だから「昨日はヒドイことをして、無茶をさせてしまった。ゴメン」と神妙な顔で謝ってきた。

「謝らないで……! 俺……、すごく気持ちよかったから、クセになってしまいそう……。本当に気持ちよくて、イヤって言ってたのは全部嘘で……えっと、えっと……」
 
 いつも心の中で感じていることをなかなか伝えられないから、頑張って言葉にしてみようとしたけど、勢いがあったのは最初だけで、結局は口ごもってしまう。
 それでも、圭太さんには伝わったのか「やっぱり俺には空だけだ」と思いきり抱き締めてくれた。


 それからは、激しいエッチもしてもらえるようになった。よっぽどの事が無いと、基本的に圭太さんは優しく抱こうとしてくるから、そういう気分の時は自分からお願いをしないといけない。

 圭太さんは、俺に生意気なことを言わせた後に、お返しとばかりに言葉責めで俺を蕩けさせるのが大好きだ。
 憧れの人に生意気なことを言って挑発するのは未だに慣れないけど、圭太さんが「……正直めちゃくちゃ興奮する。ヤバイ」と言ってくれたのが嬉しかったから、最近は昔の勘を取り戻しつつある。



 そして、相変わらず圭太さんは、「くれるって言ってたから」と人から何でも貰ってきてしまう。調理器具もほとんど無いのに、食べきれない量の野菜を貰ってきたこともあるし、この前は「忘年会のビンゴで貰った」と景品をいっぱい持ち帰ってきた。

 たこ焼き機とうまい棒コーンポタージュ味30本と女児向けキャラクターの毛布……。「二次会や三次会でずっと持ち歩くのが大変だから」という理由で、かさ張るものを押し付けられても圭太さんは全然気にしない。
 可愛い猫のキャラクター毛布が加わって、圭太さんの部屋はますますゴチャゴチャしてきた。しかも、使うと服に毛がいっぱい付着するタイプの毛布だけど、圭太さんは「風邪をひかないように」っていつも俺を包み込んでくる。

 それから、貰ってきた景品の中にはローターも入っていた。

「どうしてこんなの貰ったの!?」
「これは貰ってない。自分で当てた」
「え~!?」

 チープな作りをしたピンク色のローターにオロオロしていると、「せっかくだから使おうよ」と圭太さんは言う。圭太さんにオモチャを使って責められるのにも興味があったから「はい」と頷いた。

 ……結局、終わった後に、圭太さんから「持って帰ったら?」と言われるくらいハマってしまった。なんでも貰ってきてしまう圭太さんの性質のおかげで、また俺は新しい「キモチイイ事」に目覚めてしまいそうだった。


 
 やっぱりロフトで寝るのはダメだ、という理由で圭太さんと頑張って部屋の模様替えもした。
 圭太さんのぬいぐるみ達をロフトに引っ越しさせて、下に寝るスペースを作った。これでもう、盛り上がってきたタイミングで順番に梯子を登らなくても良い。

 圭太さんの部屋を片付けている時に、十年前に俺が書いた手紙も出てきた。読まずに捨てられているものだと思っていたから、「大事なもの」とマジックで書かれた白い大きな封筒から「見つけた」と、圭太さんが取り出してきた時は、本当に俺が書いた手紙なの、って信じられなかった。

 お願いして見せて貰ったら、ちゃんと開封されている。読んでくれてたんだ……って、それだけで、じーんとしてしまう。
 圭太さんは「返事を書かなくてゴメン」と呟いた。

「ううん……。俺が勝手に書いただけだから……」
「あの頃は、空のことを遠ざけよう遠ざけようと一生懸命で……。……空にとって危ない大人にならないよう、返事はどうしても書けなかった」
「うん……」

 俺が子供の頃のままだったら、なんであの時は俺を嫌っていたの、冷たくされてすごく悲しかったのに……と泣いていたかもしれない。
 だけど、十年前と違って心も体も大人になった俺は、もういろいろなことを理解している。
 今なら、あの日、俺に踏まれながらなじられた圭太さんの体にどんな変化があって、どんな気持ちだったのか、察することが出来る。

 危ない大人にならないようずっと俺を避けていたことも、二日続けて泊めてはくれなくて、いつも俺のことをキッチリ家まで送ってくれるのも、圭太さんらしいな、と思えた。方法は違うけど、俺のことを守ろうとしてくれていたヒーローに「手紙、ずっと持っててくれてありがとう」と、ちゃんと言葉にして伝えた。


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