お隣さんがパンツを見せろと言うからプロ意識を持ってそれに応える

サトー

文字の大きさ
47 / 47

★呼び方(3)

しおりを挟む

「ああ、可愛い……」

 うっとりしたような声で呟いてからユウイチさんが覆い被さってくる。ユウイチさんが、俺の乳首を好きでいてくれるのは、雇われていた時から変わらない。……変わったのは、俺もユウイチさんに乳首を触られたり吸われたりするのが好きになっていることと、始めはくすぐったいだけだったのに、今は乳首でもちゃんと反応するというか……感じるようになったことだと思う。


「ん、んう……」
「可愛いなあ……こんなに小さいのに、ちゃんと感じてくれるんだから」
「あっ、待って、恥ずかしい……」

 可愛いと何度も言いながら、ユウイチさんが俺の乳首を口にふくむ。目を閉じて、味わうみたいにして舌先でちろちろと舐め回されたり、音を立てて何度も胸にキスされると、本当に恥ずかしくて「ダメ!」と隠してしまいたくなる。

 でも、ユウイチさんの唇が触れるたびに気持ちがいい。胸の先から腰にかけて、じーんと甘く痺れるような快感が走る。今までだってそうだったのに、「マナト」って呼ばれて、両手をぎゅっと繋がれると、なんだか安心出来る。ユウイチさんは、俺のことを本当に大切に思ってくれていて、愛してくれているんだって感じる。

「ユウイチさん、好き」

 小さくポツリと呟いた言葉もちゃんと聞いていてくれたのか、ユウイチさんが「俺もマナトが好きだよ」と答えてくれる。

「今日、俺、準備してなくて……」
「いいよ。……今日はこのままマナトは何もしなくていいから」

 ユウイチさんは「そんなこと気にしないでいいのに」と笑っていたけど、どうせだったらマナトっていっぱい名前を呼ばれながら、最後までしたかったなーと思う。
いじける気持ちを隠しきれずに、ユウイチさんの服の裾を詰まんでいると、躊躇っていると思われたのか、大丈夫だよとユウイチさんが俺の耳の側へ顔を近づける。怖いわけじゃない。でも、そうするのが望ましいような気がして、俺は「はい」と小さな声で返事をしてから、心細い時にそうするようにユウイチさんの身体へ抱き着いた。

 触っていい? という言葉も、俺の服を脱がす手つきも何もかもが丁寧で優しい。それに、安心させようとしてくれているのか「マナト」って何度も呼びながらユウイチさんは俺の身体に触れた。

 心も身体も、両方からぐにゃりと力が抜けて、ダメじゃないのに「だめ」と言ってしまいそうになる。単純な俺の身体は、「すごく恋人らしい」と思っただけで、気分が昂るし、ユウイチさんが好きという思いでいっぱいになる。ユウイチさんの落ち着きに比べたら俺ってまだまだ子供なんだなあって恥ずかしくなる。……でも、恥ずかしいのはそれだけじゃなかった。

「あっ、だめ、もう、いっちゃう……」
「ん? もう……?」
「あっ、ああっ……」

 ユウイチさんは大げさに驚いたりはしなかった。たとえ、俺がパンツを脱がしてから二回か三回擦ったくらいで出てしまったとしても。ただ、「早いな」と思われているのはなんとなくわかる。

「うう……」

 顔を見られるのも恥ずかしい。だって、こんなに早く出てしまうなんて。自分でも「嘘でしょ?」と信じられないぐらいだ。

 ユウイチさんは、小さくなってしまった俺のフォローも上手だった。気持ちよかったんならよかったよ、マナトの声、可愛かったよと、顔色一つ変えずに俺の背中をそっと撫でてくれた。
 息があがってしまっている俺の身体を静めるための優しい動き。それなのに、まだくすぶっている熱のせいで、また俺はあの快感を欲しいと思ってしまう。もちろん言えなかった。自分ばかりが、何度も欲しがるなんてダメだから。

◇◆◇

「マナトから名前で呼んで欲しいと言われてすごく嬉しかったよ」

 今度こそ本当に寝るためにベッドへ入った時にユウイチさんからそう言われた。

「本当に?」
「うん。今までずっと、俺のしたいことばかりを叶えてもらっていたから」
「え……。そんなことないです……! 俺の方こそユウイチさんにしてもらってばかりで……」

 いやいや自分の方が、とお互いオロオロし合う。どうやら俺もユウイチさんも似たようなことを気にしていたみたいだった。

「俺も……。ユウイチさんが、マナトって呼んでくれた時、すごく嬉しかったです。好きだよって言ってもらえて、それで、気持ちよくて、すぐに出てしまいました……」

 あの時はすごく恥ずかしいと思っていたけど、今はちゃんと言えた。ユウイチさんは「ああいうの、マナトも嬉しいの?」となんだかビックリしているみたいだった。

「さらっとした関係の方がいいのかと思っていたけど、意外とそうでもない……?」
「はい。好きな人とはいっぱいくっつきたいし、大好きだよって正直に伝えたいです」
「……相手が俺でも?」
「えっ? はい」

 俺の返事にユウイチさんはますます驚いているみたいだった。それから、感心したように「はあ」とため息をついてから、何度か頷く。よくわからないけど、納得してくれたみたいだし、ちゃんと俺の言っていることは伝わってるいるみたいだった。

「……これからも、何でも言っていいんだよ。マナトがしたいことも、して欲しいことも全部」
「はい。ユウイチさんも、なんでも言ってください」
「本当に? なんでも?」
「う……」
「ははは……」

 もっとしたい。もっと、触って欲しいし、俺もユウイチさんに触りたい。三回でも四回でも、もっといっぱい出したい。
 恥ずかしくて今日は言えなかった言葉が胸を過る。だけど、勇気を出して伝えてみてもいいのかなってちょっとだけ思えた。ユウイチさんはきっと「でも、俺は一回で足りてるから」とは言わずに、何か方法を考えてくれるかもしれない。きっと、教えてもらえてよかったよって言ってくれる。
 
 今度はもう少し素直になってみよう。今日が終わることを寂しいと思っていた気持ちが少しずつ薄れていった。

 


しおりを挟む
感想 1

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(1件)

読み専
2020.11.24 読み専

鈴井さんの可愛らしさも、生田さんの変態加減も、リンちゃんの名言も全部好きです。
生田さんに惚れつつも気色悪いと思うこともある鈴井さんのノーマルさも適度にあって面白かったです。
生田さんがじーっと見つめてくるのをあの解釈をする鈴井さんは素敵な子ですね。

2020.11.24 サトー

読み専さま

はじめまして。感想をいただきありがとうございます。
とても、嬉しいです。
主要人物三人のことを褒めていただいて、ありがとうございます!どんな人にしたらストーリーが楽しくなるだろう?と長いこと考えていたので嬉しいです。
鈴井さんは、普通に女性とお付き合いをしていた青年なので「うわあ、隣の人やべえ……」と思いつつも、チョロいところがあるので、生田さんにゲットされてしまいました。
話の終わりをどうするかはずっと迷っていたので、そう言っていただけて感激です!

本編で出来なかったこと(鈴井さんの初体験、生田さんが鈴井さんのパンツを拾った日、リンちゃんの勘違い……)を番外編全3話で投稿しますので、読んでいただけると嬉しいです。
拙い小説を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

解除

あなたにおすすめの小説

オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?

中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」 そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。 しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は―― ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。 (……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ) ところが、初めての商談でその評価は一変する。 榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。 (仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな) ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり―― なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。 そして気づく。 「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」 煙草をくゆらせる仕草。 ネクタイを緩める無防備な姿。 そのたびに、陽翔の理性は削られていく。 「俺、もう待てないんで……」 ついに陽翔は榊を追い詰めるが―― 「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」 攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。 じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。 【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】 主任補佐として、ちゃんとせなあかん── そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。 春のすこし手前、まだ肌寒い季節。 新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。 風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。 何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。 拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。 年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。 これはまだ、恋になる“少し前”の物語。 関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。 (5月14日より連載開始)

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

Take On Me

マン太
BL
 親父の借金を返済するため、ヤクザの若頭、岳(たける)の元でハウスキーパーとして働く事になった大和(やまと)。  初めは乗り気でなかったが、持ち前の前向きな性格により、次第に力を発揮していく。  岳とも次第に打ち解ける様になり…。    軽いノリのお話しを目指しています。  ※BLに分類していますが軽めです。  ※他サイトへも掲載しています。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

僕の恋人は、超イケメン!!

八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】

彩華
BL
 俺の名前は水野圭。年は25。 自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで) だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。 凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!  凄い! 店員もイケメン! と、実は穴場? な店を見つけたわけで。 (今度からこの店で弁当を買おう) 浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……? 「胃袋掴みたいなぁ」 その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。 ****** そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。