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★呼び方(3)
しおりを挟む「ああ、可愛い……」
うっとりしたような声で呟いてからユウイチさんが覆い被さってくる。ユウイチさんが、俺の乳首を好きでいてくれるのは、雇われていた時から変わらない。……変わったのは、俺もユウイチさんに乳首を触られたり吸われたりするのが好きになっていることと、始めはくすぐったいだけだったのに、今は乳首でもちゃんと反応するというか……感じるようになったことだと思う。
「ん、んう……」
「可愛いなあ……こんなに小さいのに、ちゃんと感じてくれるんだから」
「あっ、待って、恥ずかしい……」
可愛いと何度も言いながら、ユウイチさんが俺の乳首を口にふくむ。目を閉じて、味わうみたいにして舌先でちろちろと舐め回されたり、音を立てて何度も胸にキスされると、本当に恥ずかしくて「ダメ!」と隠してしまいたくなる。
でも、ユウイチさんの唇が触れるたびに気持ちがいい。胸の先から腰にかけて、じーんと甘く痺れるような快感が走る。今までだってそうだったのに、「マナト」って呼ばれて、両手をぎゅっと繋がれると、なんだか安心出来る。ユウイチさんは、俺のことを本当に大切に思ってくれていて、愛してくれているんだって感じる。
「ユウイチさん、好き」
小さくポツリと呟いた言葉もちゃんと聞いていてくれたのか、ユウイチさんが「俺もマナトが好きだよ」と答えてくれる。
「今日、俺、準備してなくて……」
「いいよ。……今日はこのままマナトは何もしなくていいから」
ユウイチさんは「そんなこと気にしないでいいのに」と笑っていたけど、どうせだったらマナトっていっぱい名前を呼ばれながら、最後までしたかったなーと思う。
いじける気持ちを隠しきれずに、ユウイチさんの服の裾を詰まんでいると、躊躇っていると思われたのか、大丈夫だよとユウイチさんが俺の耳の側へ顔を近づける。怖いわけじゃない。でも、そうするのが望ましいような気がして、俺は「はい」と小さな声で返事をしてから、心細い時にそうするようにユウイチさんの身体へ抱き着いた。
触っていい? という言葉も、俺の服を脱がす手つきも何もかもが丁寧で優しい。それに、安心させようとしてくれているのか「マナト」って何度も呼びながらユウイチさんは俺の身体に触れた。
心も身体も、両方からぐにゃりと力が抜けて、ダメじゃないのに「だめ」と言ってしまいそうになる。単純な俺の身体は、「すごく恋人らしい」と思っただけで、気分が昂るし、ユウイチさんが好きという思いでいっぱいになる。ユウイチさんの落ち着きに比べたら俺ってまだまだ子供なんだなあって恥ずかしくなる。……でも、恥ずかしいのはそれだけじゃなかった。
「あっ、だめ、もう、いっちゃう……」
「ん? もう……?」
「あっ、ああっ……」
ユウイチさんは大げさに驚いたりはしなかった。たとえ、俺がパンツを脱がしてから二回か三回擦ったくらいで出てしまったとしても。ただ、「早いな」と思われているのはなんとなくわかる。
「うう……」
顔を見られるのも恥ずかしい。だって、こんなに早く出てしまうなんて。自分でも「嘘でしょ?」と信じられないぐらいだ。
ユウイチさんは、小さくなってしまった俺のフォローも上手だった。気持ちよかったんならよかったよ、マナトの声、可愛かったよと、顔色一つ変えずに俺の背中をそっと撫でてくれた。
息があがってしまっている俺の身体を静めるための優しい動き。それなのに、まだくすぶっている熱のせいで、また俺はあの快感を欲しいと思ってしまう。もちろん言えなかった。自分ばかりが、何度も欲しがるなんてダメだから。
◇◆◇
「マナトから名前で呼んで欲しいと言われてすごく嬉しかったよ」
今度こそ本当に寝るためにベッドへ入った時にユウイチさんからそう言われた。
「本当に?」
「うん。今までずっと、俺のしたいことばかりを叶えてもらっていたから」
「え……。そんなことないです……! 俺の方こそユウイチさんにしてもらってばかりで……」
いやいや自分の方が、とお互いオロオロし合う。どうやら俺もユウイチさんも似たようなことを気にしていたみたいだった。
「俺も……。ユウイチさんが、マナトって呼んでくれた時、すごく嬉しかったです。好きだよって言ってもらえて、それで、気持ちよくて、すぐに出てしまいました……」
あの時はすごく恥ずかしいと思っていたけど、今はちゃんと言えた。ユウイチさんは「ああいうの、マナトも嬉しいの?」となんだかビックリしているみたいだった。
「さらっとした関係の方がいいのかと思っていたけど、意外とそうでもない……?」
「はい。好きな人とはいっぱいくっつきたいし、大好きだよって正直に伝えたいです」
「……相手が俺でも?」
「えっ? はい」
俺の返事にユウイチさんはますます驚いているみたいだった。それから、感心したように「はあ」とため息をついてから、何度か頷く。よくわからないけど、納得してくれたみたいだし、ちゃんと俺の言っていることは伝わってるいるみたいだった。
「……これからも、何でも言っていいんだよ。マナトがしたいことも、して欲しいことも全部」
「はい。ユウイチさんも、なんでも言ってください」
「本当に? なんでも?」
「う……」
「ははは……」
もっとしたい。もっと、触って欲しいし、俺もユウイチさんに触りたい。三回でも四回でも、もっといっぱい出したい。
恥ずかしくて今日は言えなかった言葉が胸を過る。だけど、勇気を出して伝えてみてもいいのかなってちょっとだけ思えた。ユウイチさんはきっと「でも、俺は一回で足りてるから」とは言わずに、何か方法を考えてくれるかもしれない。きっと、教えてもらえてよかったよって言ってくれる。
今度はもう少し素直になってみよう。今日が終わることを寂しいと思っていた気持ちが少しずつ薄れていった。
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鈴井さんの可愛らしさも、生田さんの変態加減も、リンちゃんの名言も全部好きです。
生田さんに惚れつつも気色悪いと思うこともある鈴井さんのノーマルさも適度にあって面白かったです。
生田さんがじーっと見つめてくるのをあの解釈をする鈴井さんは素敵な子ですね。
読み専さま
はじめまして。感想をいただきありがとうございます。
とても、嬉しいです。
主要人物三人のことを褒めていただいて、ありがとうございます!どんな人にしたらストーリーが楽しくなるだろう?と長いこと考えていたので嬉しいです。
鈴井さんは、普通に女性とお付き合いをしていた青年なので「うわあ、隣の人やべえ……」と思いつつも、チョロいところがあるので、生田さんにゲットされてしまいました。
話の終わりをどうするかはずっと迷っていたので、そう言っていただけて感激です!
本編で出来なかったこと(鈴井さんの初体験、生田さんが鈴井さんのパンツを拾った日、リンちゃんの勘違い……)を番外編全3話で投稿しますので、読んでいただけると嬉しいです。
拙い小説を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!