お隣さんがパンツを見せろと言うからプロ意識を持ってそれに応える

サトー

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【番外編】★リンちゃんの彼氏(5)

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タクミのセックスは、上手いとか下手とか言うよりかは、なんだかすごく一生懸命だった。

「ずっと我慢している」というのは本当だったみたいで、とにかく俺の身体を見たがり、押し倒した後は貪るようにして、あちこちを舐めたり吸ったりし始めた。
気持ちいいというよりかは、「へえー、ずいぶん嬉しそうにしてるなあ」という気持ちの方が強かった。
俺の乳首を吸っている時なんか、本当にうっとりしていて、我慢が出来ないのか、大きく膨らんだモノを太ももに擦り付けてきて、それがほんの少し可愛かった。

それくらいタクミはわかりやすかった。
だから、「どうしよう、男の身体に突っ込む方法がわからない」と困っていることでさえも、正直に顔に出ていた。



「……タクミ、舐めてやるから、そこで寝てな」

まだ、俺の乳首を吸いたそうにしていたけど、無理やりに仰向けに寝かせてから、タクミのモノをしゃぶった。同時進行で指を使って自分で穴をほぐした。
挿入されるのは久しぶりだったけど、タクミに我慢をさせるのも可哀想だし、なるべく手早く済ませた。
タクミの性器を頬張りながら、自分で指を突っ込んで腰を揺らしている姿を見られてしまったけど、それでもいい、と思えた。


「……もう、大丈夫。タクミ、続きするよ」

そう促しても、モタモタしてトロくさいし、どうしたらいいのか本気で困惑しているみたいだったから、タクミにコンドームを着けてやって、しょうがなく俺が上に乗った。
ぐぷ、とローションで湿っているソコにタクミのペニスがゆっくり入ってくる。


「……気持ちいい?ねえ、女抱くよりもいいでしょ?」
「…………知る、か」
「フフ…良かったね、タクミ。俺とセックス出来て……」
「やめ、ろ」

セックス中の、ましてや受け入れてやっている相手に「やめろ」と言われて身体を押されるのは初めてだった。
そのまま、顔を近付けてタクミの耳元へ唇を寄せたけど、嫌そうな顔でそっぽを向かれた。

タクミはべつにそんなことしなくていいのに、無駄にイクのを我慢していた。
俺が動くたびに、顔をしかめたり、短く呻いたりしながら、額に汗を滲ませて懸命に堪えている。

それでも、抜けるか抜けないかギリギリのところまで腰を上下させて先端部分に刺激を与えてやると、真っ赤な顔をしながら快感に身を震わせていた。
我慢出来ない、とでも言うように俺の腰を掴んで下から突き上げてくる様子は、なんだか必死で可愛かった。

「……タクミ、イきそうな時は、ちゃんと言うんだよ」
「……ん、うっ、……なんで」
「……大好きな俺と、一緒にイきたいでしょ?」
「……ふ、ふざけるなっ」

からかわれていると思ったのか、なにやら怒っていたけど、ぎゅうっと中で締め付けてやると、可愛い声をあげて顎を反らせた。

「ほら、タクミの好きなように、動いてごらん……あっ、あ、ああ…。タクミ、かわいいね……」
「んっ、ん、でる…、あっ…」
「大丈夫……んっ、一緒にイこ?ね……」


グリグリと性器を、俺の奥へ奥へと押し付けるようにして、タクミは果てた。
コンドーム越しでも、タクミの性器がビュクビュクと脈打つようにして熱を吐き出しているのが分かった。

タクミの腰の動きに合わせて、俺は手で自分の性器を擦り、絶頂を迎えた。
白濁液を腹に思いきりかけられているにも関わらず、初めて男とセックスした衝撃のせいなのかタクミは目を瞑ったまま放心状態になっていた。






タクミが完全に出しきった後、しばらく経ってから、腹を拭いてやろうと、そうっと上から降りた。

「……タクミ、そんなに気持ち良かった?大丈夫?」
「…………なんだ、あれは」
「なんだと言われてもね……」

主導権を取られたことが悔しかったのか、あんなに気持ち良さそうにしていたのに、タクミはふて腐れているようだった。
経験の差だからしょうがないね、と思いつつティッシュで身体を拭いてやって、使用済みのゴムも外してやった。

ゴミ箱に捨てなきゃ、とタクミに背を向けた時だった。

「えっ?!ちょっと……」

起き上がったタクミがのし掛かるようにして抱き着いてきたから、ほんの少しビックリした。
お互い身体が汗ばんでいるせいなのか、触れた肌と肌とがしっとりとくっついていた。

「……リン、もう一回したい」
「えっ!?ま、まあ、いいけど……今、イったばかりなんだし、ちょっと休んでから、」
「入れたい。……いいか?」

人の話を聞けよと、叱りつけたくもなったけど、初めてセックスした後だし我慢した。
今さっき出したばっかで、またヤりたがるなんて、獣か?コイツに理性はないのか?とウンザリしつつも、そんなに気持ち良かったなんて可愛いところもあるじゃないかとも思えた。

「……リン、早く」
「わかったからっ!ちょっと、まっ、…あっ、やめろよ…!」
「ここ、どうすればいい?リン…」
「駄目だってば!ちょっと……」


「リン、入れたい」とタクミが立ち上がった自分のモノを俺の尻へ押し付けてくる。
ローションだって足さないといけないし、コンドームも着けないと、と必死で枕元に手を伸ばした。
そしたら、逃げようとしていると誤解されたのか、ますますタクミが俺を抱き締める腕に力を込めてきた。
そのまま、腰を抱き抱えるようにされて、お尻を突き出すような格好になってしまう。


「なにを勝手にやってんだ!……あっ、ちょっとグリグリしたらダメっ、入っちゃうから…!」

タクミは全然言うことを聞かなかった。
必死で「だめ!ローションを足せ!」と怒鳴り付けたら、一応理解はしたのか、チューブボトルに手を伸ばしてから、中の液体を俺の尻の割れ目に垂らしてきた。

穴周辺にタクミの指でローションが塗り広げられる。
ゴツゴツした指の先端がゆっくり中へ入ってこようとするのを、俺の身体は難なく受け入れた。

タクミが俺の言うことを無視して勝手なことばかりして腹が立っているのに、身体は意思とは関係なくタクミを求めていた。
奥が疼いて、指を包み込む腸壁が快感を拾おうとひくついている。
ゆっくりと引き抜かれた時でさえも、物足りなさに指をぎゅうぎゅうと締め付けてしまっていた。

いい?とタクミが一人言のように呟く。
俺に確認していると言うよりは、自分で自分を納得させているような言い方だった。
ローションでトロトロになっているそこへ、あてがわれたペニスはゆっくりゆっくり中へ押し進められていった。

「入った…」

上に乗られている時よりも、ずいぶん満足そうな声でタクミがそう言ってるのを耳にしてから、ふと、コンドーム、ということを思い出した。

「ちょっと、これナマじゃん……!ダメ、抜いて」
「……付き合ってるだろ」
「関係あるかっ!……あ、ちょっと、ダメだって……」

もう何年も、コンドームを着けない状態でセックスをしたことは無かった。

せっかく、タクミから支給される安いバイト代で、わざわざコンドームとローションを買ってきたのに、コイツ、何てことを…と怒りで顔が熱くなる。

「……リン、俺にはお前だけだ」
「知るかよっ…ふざけんな……」
「お前しかいない。リン、お願いだから……」

タクミが俺の背中に頬擦りをするようにして、抱き着いてくる。
リン、リン、と切ない声で何度も名前を呼ばれる。
何も言われていないのに、タクミがどんな思いでずっと俺を待っていたかが分かってしまって、それでつい、頷いてしまった。



しっかりと腰を掴まれて後ろから何度も突かれる。大きく抜き差しを繰り返したり、先端だけを出し入れされたり、グリグリ奥に捩じ込むようにされたり……。
一度、出した後だからなのか、タクミはすごくしつこかった。
始めは俺の方も余裕だった。入ってくる時は力を緩めて、出ていく時には締め付ける、ということを意識出来ていたし、自分からも腰を振った。

けれど、だんだん、激しく出し入れされるうちに、タクミにナマで、しかも大嫌いな体位で挿入されている、ということに言い様のない興奮を覚えていた。

さっきと違って主導権を完全に奪われて、悔しくて堪らないのに抵抗出来ない。
なんでだよ、ふざけるな……と歯を食い縛ってやり過ごそうとしても、自分の尻とタクミの太ももがぶつかる乾いた音が耳に入ってきて、嫌でも自分が何をされているか、意識してしまう。


「ん、んっ!……あっ、やめて、ちょっと、一回抜いてよ…」
「……なぜ?」
「あっ!やだっ…!ああっ、だめ、そこ、いやっ」

ここ?とタクミはどこを突いて擦ってやれば俺が大騒ぎするかを見逃さなかった。
男を抱く方法を知らないから、俺の反応だけを頼りにしているのかもしれなかった。
コイツにはいっぱい我慢もさせてるし、なんか頑張ってるからな……と思うと腹が立っていたけど「いいから抜けよ!」と怒鳴り付けることは出来なかった。

「あっ、だめっ、そこ、いやだあっ、あっ、あああ……」

違う、こんなの違う、と自分とタクミ両方に言い訳するかのように首を横に振った。
やだ、イきたくない、見られたくない、イヤ、と必死で心では抵抗しているのに、だらしない声が際限なく漏れた。
全部、見られてしまった。ずっとずっと大人になる前からの友達に、見られてしまった、と思うと、いくら一緒に暮らす仲になったとは言え恥ずかしくて堪らなかった。




「う……」
「タクミ……?ちゃんと、イケた?」
「まだ……」

後ろから聞こえてくる返事に対して、そっか、タイミング合わなかったかあ、とどこか他人事のように構えていた。

「リン……」
「うん……?」
「ごめん…、あと少しだけ……」
「えっ?!……あっ、も、いってるからあ!……あっ!やだ、やめて……」

もうクタクタなのに、信じられないことにタクミが付き合えと言って腰の動きを再開させた。
手を付いていられなくて、うつ伏せに倒れ込むとタクミがそのまま覆い被さってきた。

「……リン、ずっとここにいろ。何処にも行くな」
「う、あっ…やめて……」
「リン…」
「ああっ!……いるからっ…!もう、やめて……」

身体の下に無理やり差し込まれた手が、立ち上がった乳首を撫でている。
何度も突かれているうえに、胸への愛撫が気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。
首筋を吸われて、肩はガブガブと甘噛みされる。「何処にも行かない」と約束しているのに、それをまるで信用していないかのように、痕をつけられる。

自分の中へドクドクと熱が一滴残らず吐き出されるのを、我慢させ過ぎたのかな、とぼんやり思いながら受け止めた。






思いのほか盛り上がってしまったのと、一緒にお風呂に入ったり、終わった後もなんだかすぐに眠りたくなくてダラダラくっついたりしていたら、結局寝る前に時計を確認したら23時になっていた。

それなのに、「切り花の仕入れに行く」という理由で、翌朝の3時には何事もなかったかのように、やっぱり起こされた。
なかなか起きられなくていつまでも布団にいたらタクミがキレてきて、それで、朝から大喧嘩になった。

ムカツク、誰が一緒に行くか、と畳の上に寝そべっていたら何を思ったのか「大丈夫かよ」と身仕度を整えたタクミが部屋の入り口からひょっこり顔を覗かせた。

「大丈夫じゃなーい……」
「本当かよ」

てっきり、「嘘をつくな」と叱られるかと思ったら、大慌てで側へすっ飛んで来たから、ビックリしてしまった。

「どこが痛いんだよ?」
「え……うーん、あちこち痛い……」
「リン、大丈夫か」

こんなバレバレの嘘信じてやんの、バーカと思ったけど、そう言うのが憚られる程、真面目な顔をしていた。

「……昨日、しつこくされたから起きられない」
「……あれは……嬉しかったから…」
「…………ねえねえ、タクミって、童貞だったの?」
「……悪いかよ」
「えっ!ほんとにそうだったんだ!なんで?普通に、女と付き合うチャンスあったでしょ?」

俺が思わず捲し立てるようにしてそう訪ねると、タクミはほんの一瞬目を見開いた後、唇を戦慄かせた。

「……お前が、余計な心配ばっかりかけるからだろうが!誰のせいだと思ってんだ!」

さっきまで心配していた人間と同一人物とは思えないほどキレていた。
そうか、なんにも知らないのに、コイツ頑張ってたのか、と思うと顔が緩む。
「俺に童貞貰われて良かったねー、感謝しな」と言ってやったら、真っ赤になってワナワナしていた。


怒らせちゃったし、引き摺ってでも車に乗せられるかと思っていたら「今日はずっと寝てろ」と吐き捨てるように言われた。

「いいの…?」
「……今日だけは。何もすんな、ずっと家にいろ」
「べつに病気でもないのに?」
「いいから寝てろ!」

朝から怒鳴るなんて大事に思ってんだか、そうじゃないんだか、どっちなんだよ、と思ったけど、ものをろくに言わない不器用なヤツだからしょうがないか、と一人頷いた。

一応ダメ元で、マックが食べたい、と頼むと珍しく「わかった」と頷いてくれたから、タクミなりに「今日は特別優しくしてやる」とでも思っているのかもしれなかった。

じゃあな、と部屋を出ていく背中に「いってらっしゃい」と慌てて声をかけたら、ビックリしたような顔でしばらく固まっていた。

「……ああ、はい。いってきます」

今度は俺が固まってしまった。タクミが家から出ていってからようやく「何あれ?」と思わず呟いた。

べつにあんなのただの挨拶じゃん。「おはよう」と一緒だよ、なにを大袈裟に驚いてんの?と思ったけど、よくよく考えたら、ここに来てからはずっと一緒に行動していたから「いってらっしゃい」なんて言ったのは初めてだった。

あんなのでも、たまには優しくしてやらないとな…とタクミが敷き直してくれた布団の上でゴロリと寝返りをうった。



なんだか、一人で汚いアパートに住んでいたことが遠い昔のように感じられた。
マナトに会って鍵を押し付けたのも、ユウイチからの迷惑電話に付き合っていたのだって、それ程昔のことじゃないし、よく覚えているのに。


「お金もいらないし、俺のことを好きじゃなくてもいいから、……生田さんに彼氏が、見つかるまでの間、また、一緒にいたいな」


今なら、あの時、マナトが言っていたことの意味がほんのちょっとだけ分かる。
「三年前にリフォームした」というこの家は、どう見ても、じーちゃんと、ばーちゃんと、タクミの三人で少しでも長く暮らせるようにと、お年寄りの身体へ配慮した造りになっていた。
そんな家で、タクミは一人でどんな思いで過ごしていたんだろう、と思うと胸が締め付けられるようだった。
べつに何にも無くてもいいから、タクミがそうして欲しいと言うなら、まあ、一緒にいてやるか……という気にはなっているし、昨日、「何処にも行くな」と言われた時も悪い気はしなかった。


タクミとの生活は毎日すごくワクワクするかと言われたら、そういうわけではない。
休みの日は、釣りをするために漁港へ連れて行かれるばっかりで、本当につまらない。
買い物を頼まれた時のつり銭をパクったらめちゃくちゃ怒られるし、「健康に悪い」という理由でペヤングもマックもたまにしか食べさせて貰えない。



それでも、ここで暮らし始めてからはほんのちょっとだけ花屋の仕事を覚えた。
なんとなく好きだと感じる花だって見つけたし、タクミのことも……まあ、嫌いではない。

毎朝早く起きて、せっせと花を仕入れて店を開けるタクミ、会社の期待に応えようと遅くまで残業するユウイチ、「車って特別だから」と目を輝かせるマナト……。

俺も、ちょっとは近付けてるのかなあ、全然仕事は覚えられないし、一人ではまだ店は怖くて開けられない。
それでも、何も持っていなかった時の俺に比べたら何かが変わってるよね、だって今ここで生活してんだもん、と思いながら、眠くない目をゴシゴシ擦ってから、ようやく起き上がった。


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