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【番外編】リンちゃんの彼氏(4)
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「……帰っていい?」
「なんなの?」と聞いた後、どれだけ待ってもタクミが何も喋ろうとしないから、気が付いたらそう口にしていた。
「…………お前、こんなとこで降りて、拐われて犯されたらどうすんだ」
「……今がすでにその状況になってるから。バカじゃないの?」
タクミはギョッとしたような表情を浮かべた後、一度俺から視線を逸らし、再び俺の方を見た。
「……悪かったよ。ああいうことをして」
「べつに、どうでもいい」
「リン…」
困ったような声だった。
リン、どうしてそういうことばっかり言うんだ、お前にそんなことばっかり言われるから、俺はどうしたらいいか分からないんだろうが……とでも言いたげだった。
「……なんで、ああいうことしたの」
途方に暮れているようだったから、質問を投げ掛けた。タクミは狭い運転席で居心地が悪そうに座り直したり、窓の外へ視線をやったりした後、諦めたように渋々口を開いた。
「……俺はずっと、お前がいなくなると何処に行ったか探してた。
……たまに、フラッと戻って来ると、ずっとこのまま家にいるんじゃないかと期待した。期待した分、お前に憎まれ口を叩かれたり、嘘をつかれたりすると、落ち込んだ。
期待して、お前と言い合いになって、またお前がいなくなって、それが死ぬほど辛くて……それを、何年も繰り返した。
まあ、お前にはどうでもいいことだろうけど…」
俺がいつ嘘をついたって言うのだろうか。
「何でもないからほうっておいて」とは何度も言ったような気がする。俺が、そう言って逃げようとするたびにタクミは傷付いていたんだろうか。
タクミの口調は、俺の言い訳を一切許さない迷いが無く鋭いものだった。
今、ここで言いたいことを言えなかったら、もう二度とその機会はない、とでも思っているかのようだった。
「今日、お前が「何処にも行かない」と行った時、やっぱり俺はそれを信じた。……だったら、おれはリンの側にいられるなら、何でもしてやりたいと思った。
だから、……お前が、今日、他の男と寝たことを話し始めた時は、本気で吐き気がした。
本当に、ほんの一瞬、……この手で殺してやりたいと思った。
リンに触った瞬間……べつのことで頭がいっぱいになって、それで……」
「リン、ごめん。ごめん……痛かっただろ、嫌だったよな」と謝るタクミの顔は今にも泣きだしそうだった。
ごめん、と俺の頬にでも触れようとし、手を伸ばしたものの、ハッとした顔をしてから、すぐに引っ込めてしまった。
ごめん、と謝るタクミの方が俺よりもずっと傷付き、落ち込んでいた。
「……タバコ吸う?」
本当は「俺も嫌なこと言ってごめん」と言うべきなんだろうけど、謝るのは死んでも嫌だったから、考えた挙げ句、唯一言えたのがその一言だった。
俺はもうムカついてないから、外で一緒にタバコを吸おう、とそういう意味で言ったのが伝わったのかそうじゃないのかは分からない。
ただ、タクミが「うん」と頷いたから二人で車から降りた。
風が冷たかったから、軽トラについている幌に隠れるようにして、二人でぼんやりとタバコを吸った。
……こういう時、タバコはいい。何にも喋らなくたって間を持たせてくれる。
「……なんで整形した?」
「……べつに。顔に高級感がある方が金を持っているオッサンに好かれるかと思って……。
……実際、ほんのちょっといじっただけで、すごく上品で洗練された顔になれたし、手術は大成功だよ」
本当だった。0.01ミリ単位で顎を削って、小鼻をほんの少し小さくしたら、俺の顔に「劇的にどこかが変わったわけではないのに、なんだか変わった」という現象が起こった。
金を払ってくれたオッサンは、聞いたこともないような大昔の女優の名前を挙げて大絶賛していたし、いろんな男が「こんなに綺麗な子と会えるなんて、いいの?」と俺を見て恐縮するようになった。
手術の前後に激痩せしたのと、肩まで伸ばしていた髪をバッサリ切ったから、タクミ以外の人はそっちの変化に惑わされて、誰も俺が整形したとは見抜けなかった。
「……タクミは、俺の今の顔が大嫌いだもんね。昔の……垢抜けない顔の方が好きなんでしょ」
「べつに」
そう答えた後、タクミはまじまじと俺の顔を眺めた。
「……お前が顔を変える手術を受けた時はビックリした。
顔が変わったことそのものよりも……顔を変えざるを得ないような事情があったとして、それをお前が俺になんにも言わないのにムカついた」
「……なにそれ」
昔、「約束と違う」と言ったのに、一時間鞭で叩かれた事があった。
「撮らないで」と言ったのに、写真と動画を撮られたこともあった。
店に所属していないから、「もっと金を払え」「二度と会わない」と言うことしか出来なくて、悔しくて何日も眠れなかった。
べつに、それが整形した直接の理由ではないと、自分ではそう思っている。
ただ、あの時「もう舐められたくない」と感じていたのは確かだった。
顔を作り変えたからといって、起こったことが無しになるわけではないし、強くなれるわけでもなかった。
けれど、カメラで撮影された時の自分と今の自分は同じじゃない、と思いたかった。
HIV検査を受けたのも同じ年だった。コンドームは着けていたけど、「陽性だったらしい」という知り合いを辿って辿って、相手がかぶっていたということに気が付いた。
仮に陽性だったとしても、すぐに死ぬわけじゃないし、薬を飲んでいれば普通に生活が出来ることは知っていた。けれど、結果が出るまでの一週間はずっとソワソワしていた。
「どうしよう」とタクミに連絡をしたかった。でも、出来なかった。
結局、陰性だったけど、そのことも誰にも言えなかった。
散々、オッサンに身体を売ることについて「やめろ」と言っていたタクミに、洗いざらい全てを話すわけにはいかず、ただ黙々とタバコを吸った。
「お前が誰かのためにじゃなくて、自分のために顔を変えたって言うんならいいんじゃないか。
俺は……べつにどっちでも」
どっちでもなんだ、と聞きたかったのに、タクミはそれ以上は何も言わなかった。
「……リン、俺は…お前にちゃんと謝ってないことがある」
「なに?何のことか知らないけど、べつにどうでもいいよ。何言われたって気にしてないから」
「お前に、汚いって言って悪かったよ」
「……そんなこと言った?覚えてないからいいよ」
本当は覚えているけど、ああ言ったタクミのことを責めるつもりは無かったから、とぼけておいた。
タクミは「高校の時だよ」と俺に思い出させようとすることは一切言わずに、平坦な口調で話を続けた。
「……あれは、お前に言ったんじゃなくて、お前を食い物にしてるジジイと、知ってて何も出来ない俺、両方に言ったんだ。
リン、お前は汚くなんかない……」
頬に当たる風が痛いくらいに冷たかった。それでも、このタイミングで「中へ戻ろう」と言うのは野暮だし、下を向いてやり過ごした。
「……あの頃、毎朝早く家を出て、無理にでも高校までお前の事を連れていけば良かった。
何も出来ないなら出来ないで、せめて他の大人がいて守ってやれる場所で一緒にいれば良かった。
学校にいる間はお前……危ないことをしないですむだろ。なんで俺はそうしなかったんだろう……」
バカだな、コイツ……と思いながらも、タクミの方を見ることが出来なかった。
「リン、昨日は、お前が休んだからつまらなかった」「夏休みが終わらなければいいのにな。そしたら、リンとずっと遊べるのにさ」……リン、リンとくっついてきた中学生の頃のタクミをなぜか思い出していた。
あんなに素直で可愛くて、いつも一番近くにいた。
タクミは俺のことを特別な友達だと思っているのに気付いていたけど、気付いていないフリをした。
気付いていたら金が稼げなかった。「助けてよ」とタクミに言ってしまっていた。
「……べつにいいよ。そんなこと、ずっと気にしてたの?
……ほんと、物好きだよね。俺なんかを十年以上もずーっと構うなんてさ。なんで?」
「なんでってそれは……お前のことが……」
散々、タクミに酷い態度を取ってきた自分が果たしてこの続きを聞いていいのかどうか分からなかった。
聞く前に「ずっとごめんね」と言うべきなのに、結局言えなくて言葉に出来ないモヤモヤを煙と一緒に思いきり吐き出した。
「……お前が、一番、大切だからだ」
「……いつから?」
「ずっとだ」
ずっと、が本当なのだとしたら、タクミは良いヤツだから、俺のすることにいちいち腹を立てて、「自分は何も出来ない」と泣いて、悩まなくていいことに悩んでいたに違いなかった。
俺は自分のことをずっと、一人だと思っていた。
けれど、本当はそうじゃなくて、一番近くにいた友達を、俺が長い間一人にさせてしまっていた。
「泣くなよ」
「……泣いてませんけど」
「顔を弄ってるから、表情が固まって涙が出ないだけだろうが」
そんなわけあるか、と怒鳴ってやりたいけど声が出なかった。冬の冷たい空気のせいか、タバコを持つ指先が震える。
「……涙を流してなくたって、お前が泣いてるか泣いてないかくらい分かる」と呟いた後、タクミもフーッと煙を思いきり吐き出した。
「……泣かせた責任は取るから、俺のとこに今日から来い」
「はあ?なんで、俺がそんなこと……」
コイツ、正気か?と耳を疑った。タクミはタクミで断られると思っていなかったのか、目を丸くしていた。
「……俺と一緒に暮らすんだ」
「ヤダ!朝だって死ぬほど早そうだし、仕事の手伝いなんかしたくない。
お前どう見ても金持ってなさそうだし、………それに、それに……抱かれるのは死んでも嫌だ!
とにかく、お前と一緒に住むのは嫌!」
「……じゃあ、なんにもしなくてもいいからいろ」
タクミは、駄々をこねる子供を見るような目付きで俺を見ていた。それで、余計に腹が立った。
どうして、ユウイチといい、タクミといい、俺を側に置いて飼いたがるのだろう。
誰にも飼われたくないから、せっせと不特定多数のオッサンから金を貰っていると言うのに、なぜそれが分からないんだろうか。
そもそも、俺は死ぬつもりで、今日ようやく「……タクミが泣くだろうし、考え直してもいいかな」と思えたところなのに、いきなり今日から一緒に暮らせと言われたところで、「はい、そうですか」と答えるわけにはいかなかった。
「嫌だ!お前、すぐ怒るし……」
「我慢する」
「退屈そうだし……」
「……出来るだけ楽しいとこに連れてってやる」
「お前の家、古いし……」
「三年前にリフォームした」
「……じゃあ、行く」
お前なあ、とタクミが笑ったから、俺も笑った。
「リン、ずっと友達だからな」と言っていた中学の時と、何一つ変わらない、笑顔だった。
帰りの車で、ユウイチとマナトのことを話した。タクミは、聞いているのか聞いていないのかよく分からない顔でずっと頷いていた。
時々、「……パンツをしゃぶしゃぶにするってどういうことだ?」「なんで、大の大人がそんなにすぐ土下座をするんだ?よっぽどヒドイ会社で働いてんのか?」とビックリしていたから、一応は聞いているようだった。
マナトのことを話していると、「お前が自分以外の人間を可愛いと褒めるのをはじめて聞いた」と気味悪そうにしているから、人のことをなんだと思っているんだとイラッとした。
ユウイチについては何を言っても信じてくれなかった。
むしろ、詳しく話せば話すほど、タクミは「そんな変態いるわけないだろ」と呆れてしまって、真面目に話を聞いてくれなくなった。
「本当なんだって!たぶん、絶対マナトの風呂の残り湯とか飲んでるよ!ああっ、気持ち悪い…!」
「……リン、そんなやついるわけない。お前、俺の関心を惹きたいからって、そういう嘘はやめろ」
「本当にいるんだってば!」
「コイツはピュアなのか?どうして分かってくれない?本当なのに!」と地団駄を踏みたい気分だった。
……この時感じたことは間違いではなくて、タクミは、ユウイチのような変態が存在するということを受け入れられなくても仕方ない、ある意味ピュアな男なのだということを、俺は後から知った。
タクミとの暮らしが始まったものの、「なんにもしなくていい」と言っていたのは、まるっきりの嘘だった。
まず、店には絶対一緒に連れて行かれる。俺は頭が悪いし、花の扱いが死ぬほど雑だから、仕事は全然覚えられないし、ちっとも楽しくなんかなかった。
花には虫が付いてることが多いから、それを取り除くのも気持ち悪くて最悪だし、店の売り上げの大半を占める供花は重くて運ぶのがしんどい。
「もう、やりたくない」と何度も言った。
それなのに、どう考えてもタクミが一人でやった方が早いであろうことでも、何度も何度も教えられた。
花専用の冷蔵庫の温度管理、花の手入れ、花束や花籠のアレンジメントの作り方……何度、聞いても悲しくなるくらい、いつまでたっても上手くならない。
電話番すらもろくに出来なかった。
「はい、はい」と返事をしながら一生懸命メモしているつもりなのに、通話が終わった後、連絡先を聞き忘れたのに気が付いて、慌てて着信履歴を確認したこともある。
それでも、タクミは俺を叱ったりしなかった。明らかな不注意で花を折った、とかそういう時は叱られたけど、覚えようとしたけど出来なかったことに対しては「……よくある。気にするな」と言うだけだった。
「……俺が風邪をひいた時でも、お前一人で店を開けられるようになれ」
「えっ!嫌だ!」
「嫌だじゃねえよ。どうやって生活すんだよ?店を開けなきゃしょうがねえだろうが」
「……じゃあ、風邪ひかないで」
金を稼がないと生活が出来ないことは俺だって分かっている。
せめて、一人で働くのは嫌だと思って、そんなことをタクミに頼むと、ぐう、と押し黙った後「……分かった」と頷いてくれた。
仕入れがあるという日は午前3時に起こされて、市場に連れて行かれる。
早起きするために、20時には布団に入らないといけない。
部屋は他にもあるのに、起こしに来るのが面倒なのか、それとも単にそうしたいのか、毎日和室に布団を並べて一緒に寝ている。
なんで20代なのに、こんなお年寄りみたいな生活を、と文句を言っても「我慢しろ」と言われるばっかりだった。
気に入らないことは他にもあって、店での水仕事のせいで、ハンドクリームでは修復が不可能なくらい手がガサガサになってしまった。
あんなにスベスベしてたのに、こんな手で抜いてやっても悲壮感が漂うだけだし、もうオッサン相手の商売は出来そうにもない。
まあ、復帰する気はないけど、それでも、ものすごく悲しい気持ちになった。
見た目の問題だけじゃなくて、痒みや痛みを感じることになり、本格的に困り始めた頃のことだった。
20時に消灯という生活に慣れず、眠れないままただ目を瞑って横になっていると、隣の布団で眠っていたはずのタクミが音をなるべく立てないようにして、布団から出てきた。
そのまま、俺の布団の中に手を突っ込んで来るから、これはそういうことなんだろうか、と思わず身構えた。
……実際は手に、何か薬を塗りに来ただけだった。
バカじゃねーの、「薬塗っとけよ」とでも言えばいいじゃん。なんで、寝てる時にコソコソ触りになんか来るんだろう、本当に何を考えてんだ……と思いながらも、ずっと寝たふりを続けていた。
ゴツゴツしたタクミの手が、繊細なガラス細工を触るかのように、俺の指一本一本に慎重に丁寧に薬を塗り込んでいたからだ。
塗った後、指先で手の甲をくすぐるように撫でられた。短い時間ではあったけど、指と指を絡めるようにして手も繋がれた。
……触ってみたいなら、そう言えばいいのに、これじゃあ、チラチラ俺の身体を盗み見て来た中学生の頃と全然変わってないじゃん、と本気で呆れた。
ただ、それだけじゃなくて、寝たふりをしている自分の胸がドキドキと妙な音を立てていることにも気付いてしまって、その日は結局ほとんど眠れなかった。
次の日の、18時に、今日はもう布団に入ろう、と俺から誘った。
「なんで、こんな早い時間に?具合悪いのか?」
「……一緒に寝たいから」
「はあ……?」
「いいから!来て!」
なんて察しの悪いヤツだろうとイライラさせられたけれど、なんとか布団まで引き摺った。
自分以外の誰かの服を脱がせるくらいどうってことないのに、タクミの顔を見ていたら「そういえば、コイツ友達なんだった」と改めて思い、すごく気まずかった。
「リン」
べつにしなくていい、とタクミが俺の手をそっと掴んだ。
「……しなくていいって?」
「お前が、俺のことを友達としか思っていないなら、こういうことはしなくていい」
「……お前が、って、タクミは?」
「……俺か」
部屋着の裾が俺の手に掴まれているのを確認してから、タクミは困ったような顔で笑った。
「……俺はもう、ずっとずっと我慢してる。
でも、横でリンが寝てるのにも慣れたし大丈夫だ」
今まで一度もタクミからハッキリと、「好きだ」と言われたことはないし、俺だって言ったことはない。
けど、同じ家で生活するようになって、タクミの俺に対するそういう気持ちは、無視出来ない程、俺に真っ直ぐ伝わってきた。
「リン」と名前を呼ぶ声が。じっと見つめてくる瞳が。遠慮がちに触れてくる手が。
何もかもに、受けとるのが苦しくなる程、真剣な思いが込められている。
「……お願い。しなくていいって言わないで。
今日、そういうこと言われたら、これからどうしていいのかわからなくなる……」
俺にこれからも、タクミのそういう思いを無視しろって言うの、そんなの無理だ、と訴えた。
一応、タクミは「わかった」と頷いてはいたものの、なんだか自信が無さそうだった。
……もしかしたら、まだ俺の言ったことの意味がちゃんと伝わってはいないんだろうか、という気もして、しばらくはタクミの身体を黙って抱き締めていた。
「なんなの?」と聞いた後、どれだけ待ってもタクミが何も喋ろうとしないから、気が付いたらそう口にしていた。
「…………お前、こんなとこで降りて、拐われて犯されたらどうすんだ」
「……今がすでにその状況になってるから。バカじゃないの?」
タクミはギョッとしたような表情を浮かべた後、一度俺から視線を逸らし、再び俺の方を見た。
「……悪かったよ。ああいうことをして」
「べつに、どうでもいい」
「リン…」
困ったような声だった。
リン、どうしてそういうことばっかり言うんだ、お前にそんなことばっかり言われるから、俺はどうしたらいいか分からないんだろうが……とでも言いたげだった。
「……なんで、ああいうことしたの」
途方に暮れているようだったから、質問を投げ掛けた。タクミは狭い運転席で居心地が悪そうに座り直したり、窓の外へ視線をやったりした後、諦めたように渋々口を開いた。
「……俺はずっと、お前がいなくなると何処に行ったか探してた。
……たまに、フラッと戻って来ると、ずっとこのまま家にいるんじゃないかと期待した。期待した分、お前に憎まれ口を叩かれたり、嘘をつかれたりすると、落ち込んだ。
期待して、お前と言い合いになって、またお前がいなくなって、それが死ぬほど辛くて……それを、何年も繰り返した。
まあ、お前にはどうでもいいことだろうけど…」
俺がいつ嘘をついたって言うのだろうか。
「何でもないからほうっておいて」とは何度も言ったような気がする。俺が、そう言って逃げようとするたびにタクミは傷付いていたんだろうか。
タクミの口調は、俺の言い訳を一切許さない迷いが無く鋭いものだった。
今、ここで言いたいことを言えなかったら、もう二度とその機会はない、とでも思っているかのようだった。
「今日、お前が「何処にも行かない」と行った時、やっぱり俺はそれを信じた。……だったら、おれはリンの側にいられるなら、何でもしてやりたいと思った。
だから、……お前が、今日、他の男と寝たことを話し始めた時は、本気で吐き気がした。
本当に、ほんの一瞬、……この手で殺してやりたいと思った。
リンに触った瞬間……べつのことで頭がいっぱいになって、それで……」
「リン、ごめん。ごめん……痛かっただろ、嫌だったよな」と謝るタクミの顔は今にも泣きだしそうだった。
ごめん、と俺の頬にでも触れようとし、手を伸ばしたものの、ハッとした顔をしてから、すぐに引っ込めてしまった。
ごめん、と謝るタクミの方が俺よりもずっと傷付き、落ち込んでいた。
「……タバコ吸う?」
本当は「俺も嫌なこと言ってごめん」と言うべきなんだろうけど、謝るのは死んでも嫌だったから、考えた挙げ句、唯一言えたのがその一言だった。
俺はもうムカついてないから、外で一緒にタバコを吸おう、とそういう意味で言ったのが伝わったのかそうじゃないのかは分からない。
ただ、タクミが「うん」と頷いたから二人で車から降りた。
風が冷たかったから、軽トラについている幌に隠れるようにして、二人でぼんやりとタバコを吸った。
……こういう時、タバコはいい。何にも喋らなくたって間を持たせてくれる。
「……なんで整形した?」
「……べつに。顔に高級感がある方が金を持っているオッサンに好かれるかと思って……。
……実際、ほんのちょっといじっただけで、すごく上品で洗練された顔になれたし、手術は大成功だよ」
本当だった。0.01ミリ単位で顎を削って、小鼻をほんの少し小さくしたら、俺の顔に「劇的にどこかが変わったわけではないのに、なんだか変わった」という現象が起こった。
金を払ってくれたオッサンは、聞いたこともないような大昔の女優の名前を挙げて大絶賛していたし、いろんな男が「こんなに綺麗な子と会えるなんて、いいの?」と俺を見て恐縮するようになった。
手術の前後に激痩せしたのと、肩まで伸ばしていた髪をバッサリ切ったから、タクミ以外の人はそっちの変化に惑わされて、誰も俺が整形したとは見抜けなかった。
「……タクミは、俺の今の顔が大嫌いだもんね。昔の……垢抜けない顔の方が好きなんでしょ」
「べつに」
そう答えた後、タクミはまじまじと俺の顔を眺めた。
「……お前が顔を変える手術を受けた時はビックリした。
顔が変わったことそのものよりも……顔を変えざるを得ないような事情があったとして、それをお前が俺になんにも言わないのにムカついた」
「……なにそれ」
昔、「約束と違う」と言ったのに、一時間鞭で叩かれた事があった。
「撮らないで」と言ったのに、写真と動画を撮られたこともあった。
店に所属していないから、「もっと金を払え」「二度と会わない」と言うことしか出来なくて、悔しくて何日も眠れなかった。
べつに、それが整形した直接の理由ではないと、自分ではそう思っている。
ただ、あの時「もう舐められたくない」と感じていたのは確かだった。
顔を作り変えたからといって、起こったことが無しになるわけではないし、強くなれるわけでもなかった。
けれど、カメラで撮影された時の自分と今の自分は同じじゃない、と思いたかった。
HIV検査を受けたのも同じ年だった。コンドームは着けていたけど、「陽性だったらしい」という知り合いを辿って辿って、相手がかぶっていたということに気が付いた。
仮に陽性だったとしても、すぐに死ぬわけじゃないし、薬を飲んでいれば普通に生活が出来ることは知っていた。けれど、結果が出るまでの一週間はずっとソワソワしていた。
「どうしよう」とタクミに連絡をしたかった。でも、出来なかった。
結局、陰性だったけど、そのことも誰にも言えなかった。
散々、オッサンに身体を売ることについて「やめろ」と言っていたタクミに、洗いざらい全てを話すわけにはいかず、ただ黙々とタバコを吸った。
「お前が誰かのためにじゃなくて、自分のために顔を変えたって言うんならいいんじゃないか。
俺は……べつにどっちでも」
どっちでもなんだ、と聞きたかったのに、タクミはそれ以上は何も言わなかった。
「……リン、俺は…お前にちゃんと謝ってないことがある」
「なに?何のことか知らないけど、べつにどうでもいいよ。何言われたって気にしてないから」
「お前に、汚いって言って悪かったよ」
「……そんなこと言った?覚えてないからいいよ」
本当は覚えているけど、ああ言ったタクミのことを責めるつもりは無かったから、とぼけておいた。
タクミは「高校の時だよ」と俺に思い出させようとすることは一切言わずに、平坦な口調で話を続けた。
「……あれは、お前に言ったんじゃなくて、お前を食い物にしてるジジイと、知ってて何も出来ない俺、両方に言ったんだ。
リン、お前は汚くなんかない……」
頬に当たる風が痛いくらいに冷たかった。それでも、このタイミングで「中へ戻ろう」と言うのは野暮だし、下を向いてやり過ごした。
「……あの頃、毎朝早く家を出て、無理にでも高校までお前の事を連れていけば良かった。
何も出来ないなら出来ないで、せめて他の大人がいて守ってやれる場所で一緒にいれば良かった。
学校にいる間はお前……危ないことをしないですむだろ。なんで俺はそうしなかったんだろう……」
バカだな、コイツ……と思いながらも、タクミの方を見ることが出来なかった。
「リン、昨日は、お前が休んだからつまらなかった」「夏休みが終わらなければいいのにな。そしたら、リンとずっと遊べるのにさ」……リン、リンとくっついてきた中学生の頃のタクミをなぜか思い出していた。
あんなに素直で可愛くて、いつも一番近くにいた。
タクミは俺のことを特別な友達だと思っているのに気付いていたけど、気付いていないフリをした。
気付いていたら金が稼げなかった。「助けてよ」とタクミに言ってしまっていた。
「……べつにいいよ。そんなこと、ずっと気にしてたの?
……ほんと、物好きだよね。俺なんかを十年以上もずーっと構うなんてさ。なんで?」
「なんでってそれは……お前のことが……」
散々、タクミに酷い態度を取ってきた自分が果たしてこの続きを聞いていいのかどうか分からなかった。
聞く前に「ずっとごめんね」と言うべきなのに、結局言えなくて言葉に出来ないモヤモヤを煙と一緒に思いきり吐き出した。
「……お前が、一番、大切だからだ」
「……いつから?」
「ずっとだ」
ずっと、が本当なのだとしたら、タクミは良いヤツだから、俺のすることにいちいち腹を立てて、「自分は何も出来ない」と泣いて、悩まなくていいことに悩んでいたに違いなかった。
俺は自分のことをずっと、一人だと思っていた。
けれど、本当はそうじゃなくて、一番近くにいた友達を、俺が長い間一人にさせてしまっていた。
「泣くなよ」
「……泣いてませんけど」
「顔を弄ってるから、表情が固まって涙が出ないだけだろうが」
そんなわけあるか、と怒鳴ってやりたいけど声が出なかった。冬の冷たい空気のせいか、タバコを持つ指先が震える。
「……涙を流してなくたって、お前が泣いてるか泣いてないかくらい分かる」と呟いた後、タクミもフーッと煙を思いきり吐き出した。
「……泣かせた責任は取るから、俺のとこに今日から来い」
「はあ?なんで、俺がそんなこと……」
コイツ、正気か?と耳を疑った。タクミはタクミで断られると思っていなかったのか、目を丸くしていた。
「……俺と一緒に暮らすんだ」
「ヤダ!朝だって死ぬほど早そうだし、仕事の手伝いなんかしたくない。
お前どう見ても金持ってなさそうだし、………それに、それに……抱かれるのは死んでも嫌だ!
とにかく、お前と一緒に住むのは嫌!」
「……じゃあ、なんにもしなくてもいいからいろ」
タクミは、駄々をこねる子供を見るような目付きで俺を見ていた。それで、余計に腹が立った。
どうして、ユウイチといい、タクミといい、俺を側に置いて飼いたがるのだろう。
誰にも飼われたくないから、せっせと不特定多数のオッサンから金を貰っていると言うのに、なぜそれが分からないんだろうか。
そもそも、俺は死ぬつもりで、今日ようやく「……タクミが泣くだろうし、考え直してもいいかな」と思えたところなのに、いきなり今日から一緒に暮らせと言われたところで、「はい、そうですか」と答えるわけにはいかなかった。
「嫌だ!お前、すぐ怒るし……」
「我慢する」
「退屈そうだし……」
「……出来るだけ楽しいとこに連れてってやる」
「お前の家、古いし……」
「三年前にリフォームした」
「……じゃあ、行く」
お前なあ、とタクミが笑ったから、俺も笑った。
「リン、ずっと友達だからな」と言っていた中学の時と、何一つ変わらない、笑顔だった。
帰りの車で、ユウイチとマナトのことを話した。タクミは、聞いているのか聞いていないのかよく分からない顔でずっと頷いていた。
時々、「……パンツをしゃぶしゃぶにするってどういうことだ?」「なんで、大の大人がそんなにすぐ土下座をするんだ?よっぽどヒドイ会社で働いてんのか?」とビックリしていたから、一応は聞いているようだった。
マナトのことを話していると、「お前が自分以外の人間を可愛いと褒めるのをはじめて聞いた」と気味悪そうにしているから、人のことをなんだと思っているんだとイラッとした。
ユウイチについては何を言っても信じてくれなかった。
むしろ、詳しく話せば話すほど、タクミは「そんな変態いるわけないだろ」と呆れてしまって、真面目に話を聞いてくれなくなった。
「本当なんだって!たぶん、絶対マナトの風呂の残り湯とか飲んでるよ!ああっ、気持ち悪い…!」
「……リン、そんなやついるわけない。お前、俺の関心を惹きたいからって、そういう嘘はやめろ」
「本当にいるんだってば!」
「コイツはピュアなのか?どうして分かってくれない?本当なのに!」と地団駄を踏みたい気分だった。
……この時感じたことは間違いではなくて、タクミは、ユウイチのような変態が存在するということを受け入れられなくても仕方ない、ある意味ピュアな男なのだということを、俺は後から知った。
タクミとの暮らしが始まったものの、「なんにもしなくていい」と言っていたのは、まるっきりの嘘だった。
まず、店には絶対一緒に連れて行かれる。俺は頭が悪いし、花の扱いが死ぬほど雑だから、仕事は全然覚えられないし、ちっとも楽しくなんかなかった。
花には虫が付いてることが多いから、それを取り除くのも気持ち悪くて最悪だし、店の売り上げの大半を占める供花は重くて運ぶのがしんどい。
「もう、やりたくない」と何度も言った。
それなのに、どう考えてもタクミが一人でやった方が早いであろうことでも、何度も何度も教えられた。
花専用の冷蔵庫の温度管理、花の手入れ、花束や花籠のアレンジメントの作り方……何度、聞いても悲しくなるくらい、いつまでたっても上手くならない。
電話番すらもろくに出来なかった。
「はい、はい」と返事をしながら一生懸命メモしているつもりなのに、通話が終わった後、連絡先を聞き忘れたのに気が付いて、慌てて着信履歴を確認したこともある。
それでも、タクミは俺を叱ったりしなかった。明らかな不注意で花を折った、とかそういう時は叱られたけど、覚えようとしたけど出来なかったことに対しては「……よくある。気にするな」と言うだけだった。
「……俺が風邪をひいた時でも、お前一人で店を開けられるようになれ」
「えっ!嫌だ!」
「嫌だじゃねえよ。どうやって生活すんだよ?店を開けなきゃしょうがねえだろうが」
「……じゃあ、風邪ひかないで」
金を稼がないと生活が出来ないことは俺だって分かっている。
せめて、一人で働くのは嫌だと思って、そんなことをタクミに頼むと、ぐう、と押し黙った後「……分かった」と頷いてくれた。
仕入れがあるという日は午前3時に起こされて、市場に連れて行かれる。
早起きするために、20時には布団に入らないといけない。
部屋は他にもあるのに、起こしに来るのが面倒なのか、それとも単にそうしたいのか、毎日和室に布団を並べて一緒に寝ている。
なんで20代なのに、こんなお年寄りみたいな生活を、と文句を言っても「我慢しろ」と言われるばっかりだった。
気に入らないことは他にもあって、店での水仕事のせいで、ハンドクリームでは修復が不可能なくらい手がガサガサになってしまった。
あんなにスベスベしてたのに、こんな手で抜いてやっても悲壮感が漂うだけだし、もうオッサン相手の商売は出来そうにもない。
まあ、復帰する気はないけど、それでも、ものすごく悲しい気持ちになった。
見た目の問題だけじゃなくて、痒みや痛みを感じることになり、本格的に困り始めた頃のことだった。
20時に消灯という生活に慣れず、眠れないままただ目を瞑って横になっていると、隣の布団で眠っていたはずのタクミが音をなるべく立てないようにして、布団から出てきた。
そのまま、俺の布団の中に手を突っ込んで来るから、これはそういうことなんだろうか、と思わず身構えた。
……実際は手に、何か薬を塗りに来ただけだった。
バカじゃねーの、「薬塗っとけよ」とでも言えばいいじゃん。なんで、寝てる時にコソコソ触りになんか来るんだろう、本当に何を考えてんだ……と思いながらも、ずっと寝たふりを続けていた。
ゴツゴツしたタクミの手が、繊細なガラス細工を触るかのように、俺の指一本一本に慎重に丁寧に薬を塗り込んでいたからだ。
塗った後、指先で手の甲をくすぐるように撫でられた。短い時間ではあったけど、指と指を絡めるようにして手も繋がれた。
……触ってみたいなら、そう言えばいいのに、これじゃあ、チラチラ俺の身体を盗み見て来た中学生の頃と全然変わってないじゃん、と本気で呆れた。
ただ、それだけじゃなくて、寝たふりをしている自分の胸がドキドキと妙な音を立てていることにも気付いてしまって、その日は結局ほとんど眠れなかった。
次の日の、18時に、今日はもう布団に入ろう、と俺から誘った。
「なんで、こんな早い時間に?具合悪いのか?」
「……一緒に寝たいから」
「はあ……?」
「いいから!来て!」
なんて察しの悪いヤツだろうとイライラさせられたけれど、なんとか布団まで引き摺った。
自分以外の誰かの服を脱がせるくらいどうってことないのに、タクミの顔を見ていたら「そういえば、コイツ友達なんだった」と改めて思い、すごく気まずかった。
「リン」
べつにしなくていい、とタクミが俺の手をそっと掴んだ。
「……しなくていいって?」
「お前が、俺のことを友達としか思っていないなら、こういうことはしなくていい」
「……お前が、って、タクミは?」
「……俺か」
部屋着の裾が俺の手に掴まれているのを確認してから、タクミは困ったような顔で笑った。
「……俺はもう、ずっとずっと我慢してる。
でも、横でリンが寝てるのにも慣れたし大丈夫だ」
今まで一度もタクミからハッキリと、「好きだ」と言われたことはないし、俺だって言ったことはない。
けど、同じ家で生活するようになって、タクミの俺に対するそういう気持ちは、無視出来ない程、俺に真っ直ぐ伝わってきた。
「リン」と名前を呼ぶ声が。じっと見つめてくる瞳が。遠慮がちに触れてくる手が。
何もかもに、受けとるのが苦しくなる程、真剣な思いが込められている。
「……お願い。しなくていいって言わないで。
今日、そういうこと言われたら、これからどうしていいのかわからなくなる……」
俺にこれからも、タクミのそういう思いを無視しろって言うの、そんなの無理だ、と訴えた。
一応、タクミは「わかった」と頷いてはいたものの、なんだか自信が無さそうだった。
……もしかしたら、まだ俺の言ったことの意味がちゃんと伝わってはいないんだろうか、という気もして、しばらくはタクミの身体を黙って抱き締めていた。
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