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第一章

5.家を作ろうパート2

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まずは昨日切り出した材木を一気に運んだ。
と言っても、2往復で全部運べた。
なんたって軽いからね。
軽いの万歳~。
それから大きめの葉っぱや蔦も集めた。
建設材料以外にも色々と使えるしね。
これだけあれば豪邸が立つだろ、ってのは冗談としても、多分余裕たっぷりのはず。
明日はずっと小屋の設営をしていられるように、フルーツマーケットまで何往復もして食料も多めに調達する。
そうそう、食べられる果物の種類も増えたよ。
ドリアンみたいなトゲトゲのヤツを見つけて、剥いてみたらネットリモッチリ食感でお餅を思い出した。
味はほとんどしないけど、一個でだいぶ腹は膨れるから地味に嬉しい。
何かうまく調理できたら、もっと美味しくなりそうなんだけどね。

さて、朝からマイホーム建設開始。
まず板を1枚削り、スコップ的なものを誂える。
軽くてしなるけど、耐久性はあるから結構な圧力にも耐えられそう。
飛び込み台の板にしたら、いい感じかも。
それで砂を深めに堀って、そこに板をぐいぐい押し込む。
板の端を少し重ねて並べていけば、隙間があまり出来ないと思うんだ。
円形に板を少し重ねながら刺していくと、ぐるりと丸い壁が出来上がった。
表と裏から根元の隙間に砂を盛り上げるくらいにすると、かなりしっかりと立つ。
海側の1ヶ所を開けて、そこを出入り口にした。
大人が3人寝転べば満員くらいのサイズだけど、それで十分。
お1人様用のワンルームだからね。
昼休憩を挟んで、今度は屋根だ。
屋根は色々と試行錯誤した結果、簡単なものにした。
細い蔦を格子状に渡して、その上に大きな葉を隙間なく敷き詰めて乗せ、その上にまた蔦を張って飛ばないようにしてみた。
強風が吹いたら飛んじゃうだろうけど、とりあえずはこれでいいかな。
蔦が柔らかくてロープみたいに縛れるから助かる。
中に入ってみると、風は入ってこない。
「おおぉ~、ちゃんと家だ」
素人が作ったにしては、いいんでないか~い?
拍手喝采。
でも感動して拍手してたけど、入口以外に窓がないから真っ暗。
「だよね~」
慌てて入口から3分の1くらいの天井の葉を抜き取って、オープンにしてみた。
うん、正解。 雨が降らないなら、この方がいい。
星空も見えるしね。
風が入らない室内なら一部天井なしとか、有効かもだな。
内側に何箇所か棚とか付けてたら、もう夕方。
まっぱになって海にダイブ。
家が出来た嬉しさで、ちょっとはしゃいでグルグル泳いでしまった。
果物を食べたら疲がどっと出て、またもや爆睡コース。
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