上 下
15 / 73
第一章

15.バリエーションを増やしたい

しおりを挟む
数日間、色々とお試しして、観察した結果を発表しま~す。
ニワトリさんは、パン屑が無い時は来ませんでした。
ええ~。
何で?何で分かるの?
どこかで見てるとか?いやそれ、怖いから。
卵が多くても食べきれないから、調整できてラッキーだけどね。
しかし、解せぬ。
今日は更に、食にバリエーションを加えようとジャングルにきたよ。
新たな食材を開拓してみようと思って。
フルーツマーケットから離れたところも見てみないとね。
まずは薪の材料を調達しようと、木の生えてる場所に向かった。
途中の木に印の傷をつけておいたから、迷うことはない。
「ん?……なんか汁が…」
前に目印に付けておいた幹の傷からオレンジ色の液体が染み出てる。
もしやゴムの木みたいに、樹液が何かの原料になるかもだ。
手で掬ってみると、ベタベタしていた。
匂いは……しない。
ちょっとだけ舐めてみる。
「ん~…ほんのり甘い」
甘い、単純に甘い。
果実や花みたいなクセが全然ない。
「煮詰めたら砂糖になるかな?」
収穫してみようっと。
メイプルシロップを採集するみたいに、傷を何本かつけた下に木のカップを幹に縛りつける。
何本かにその仕掛けをしてから、薪の材料を取りにいった。
サクサクと木を切り倒して、丸太のままソリに乗せてウシウシと運ぶ。
もう手慣れたもんだよ。木こりと呼んでおくれ。
割って薪にするのは浜辺ですればいいもんね。
2往復してから、今度は前にサボテンが生えていた場所に向かった。
あの辺はまだ詳しく見ていなかったから、まだ発見があるかも。

おおぅ、今日も元気にニョキニョキ生えてるねぇ、サボテンさん達は。
鍋用に何個か回収する。
周りに実がなった木はないけど、違う種類のサボテンがあった。
「アロエに似た感じだな」
色は薄い黄色だけどね。
もう大抵の色では驚きませんからねー。
ナイフで切り取ってみると、ちゃんと固い。
舐める。
「んん…?」
齧る。
「おお……?」
咀嚼する。
「ネギじゃ~ん」
うん、食感といい味といい、ネギですな。
青臭い感じが懐かしい。
なんか味が癖になって、刈り取りながらもぎゅもぎゅ食べる。
「和食だ~」
モーレツに味噌が欲しいわ。
さすがに無理だけどね。
でも、ちょっとレシピ思いついちゃったよ。
さっきの砂糖の木に戻ったら、全部カップにたんまり溜まってました。
よし、回収~。
果物も収穫して浜に帰還。
今日はストック用に薪を割りまくって、明日クッキングデーにしよう。
しおりを挟む

処理中です...